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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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運動? 施設

 最後と身構えていたデザートがバターだったので、これを華麗にスルー。

 これにてお昼ご飯は終幕です。


「ふぅ……」


 食べた食べた。

 いやぁ、美味しかったな。

 ちょいちょい串に刺して焼く必要ないだろって料理はあったけど、結局食べてみたら美味しかったし。

 ひょっとしたらまた来るかも。

 それくらい気に入った。


「ご馳走さまでした」


 お代わりしたコーヒーを飲み干し、合掌してご馳走様。

 さて、何をしようか。


「とりあえず散歩しよう」


 腹一杯になるまで食べたので、これからの行動の選択肢は二つ。

 部屋に戻って寝るか、体を動かして摂取した分のカロリーを雀の涙ほどでも打ち消すか。

 俺が選んだのは後者。

 レストランの料金は最初から旅行代に含まれているのでそのままレストランを出て、プラプラと甲板へ。

 そういや、クルーズ船にはジム施設があったりするよな。

 この船には無いんだろうか?


「……お、あるじゃん」


 ありました。

 地図広げて確認したら、しっかりありました。

 じゃあジムで身体を動かすか。


「……ん? なにこれ?」


 と思ったけど、ジムの近くに何やら気になる施設を発見。

 えーっと値段は……一時間五千円か。

 結構するな。でもまぁ、やってみますか。


「武器体験。楽しみだねぇ」



「時間内であれば武器は好きに持ち替えていただいて構いません。安全面を考慮して刃は潰してありますが、それでも振り回す際には注意してください」

「はい」


 武器体験。

 それは、自分が選んだ武器を好きなだけ振り回せるという体験施設。

 ただ振り回すだけでは面白くないので、魔物に見立てたわら束や木の束。

 更には弓用の的なんかも用意されてる。

 折角武器を振り回すなら魔物を倒したいと思ったそこのあなた。

 魔物もちゃんと世界種族連盟に加入してるからね?

 それを娯楽の一部で的にさせろってのは倫理観疑われちゃうぞ☆


「では、何か武器を手に取ったところから時間が進みます」

「じゃあ、これで」


 というわけで最初の武器はショートソード、君に決めた!!

 片手で扱うタイプの剣で、重さもそこそこ。

 まずはわら束に横一閃!!

 ズッ! という音と共に真っ二つになるわら束。

 そして肩を抑えてうずくまる俺。

 肩……外れる……。


「力任せ、いくない」


 慣れない動きをしたせいで、体が追い付いてない。

 ……そういえば、盾を利き手で持つから剣は反対の手で持つんだっけ?

 ほな左か。


「ていっ!!」


 ザシュッ。

 俺は学んだ。

 大振りすると遠心力で大変なことになると。

 

「大剣とか、肩飛んでくんじゃねぇの?」


 程よくわら束を切り伏せ、ショートソードを所定の位置に戻し。

 次なる武器を吟味。

 んー……お、刀あるじゃん。

 使ってみよう。


「刀なんて初めて触るぞ」


 いや、ショートソードもだったんですけどね。

 刀。鞘までしっかりと付いているもので、多分そこそこの刀だと思う。

 あ、そうそう。

 刃は潰されてるって話だけど、この施設が用意したわら束や木の枝の束を切る時だけ刃が戻る仕様なんだって。

 結構高度な魔法らしいよ?

 魔法なんて使えないから全く分からないけど。

 

「これ引き抜くのにもコツがいるな」


 なんと言うか、刀ってシャキンッ! って感じでかっこよく抜刀したりってのをアニメとかで見たりするけど、結構難しいぞ。

 刀って真っ直ぐじゃないから、それに合わせて抜く向きを微調整しなくちゃだし。

 戻す時も、それを意識しないとスルスルと入っていかない。

 刀の抜刀納刀を繰り返すだけでちょっと面白いかもしれない。


「とりあえずは切っちゃうか」


 それはそれとして目的はストレス解消兼身体を動かしてカロリーを消費する事なので。

 まずはわら束に。


「ふー」


 呼吸を整え、無駄な力を抜いて……。

 

「せいっ!」


 斜めに振り下ろす、いわゆる袈裟斬りってやつ?

 をやってみる。


「斬れねぇ……」


 いや、斬れはしてる。

 ただ、わらの途中で刀が止まっちゃったのよ。

 そんな事ある? と思うけど、あったんだなこれが。

 結構コツがいるのね。


「剣道の授業とか真面目に受けとけばよかったかなぁ……」


 高校時代に体育とは別に剣道の授業があったんだけど、ほとんど触り程度だったからなぁ。

 あれを真面目に受けていればわらくらいは斬れたかもしれない。

 ……まぁまだ時間あるし、とりあえず目標は刀でわらを斬れるようになろう、に設定。

 よし、やるか。



 腕が……死ぬ……。

 結局ニ十分くらい格闘して、わら束なら斬れる程度には刀が扱えるようになり。

 じゃあ木の枝の束だ! と意気揚々と挑んで、斬れず。

 わらと比べて固いとはいえ、所詮木の枝じゃん? 斬れると思うじゃん?

 無理でした。

 ちょっと固くなるだけで一気に難しくなるね。

 昔の人たちって凄いわ。刀を使って戦っていただなんて。

 で、刀で遊んだというか、遊んでもらったというか、その後に弓矢に行きまして。

 的を狙って何度か射ったけど、まぁ当たらんね。

 当たらんというか、届かんというか。

 刀振り過ぎて腕が震えててさ。

 全然矢を引けないの。

 そんな感じで一時間の武器体験、結論から言うと楽しかったよ。

 自分の好きな武器を好きなように振り回すのは普通に楽しいし気持ちがいい。

 ただ、


「これ筋肉痛確定だろうな」


 普段使わない筋肉を使うから、後日そのツケが回って来るってのがマイナスポイントかな。

 それに関しては自分のせいなんだけれども。

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