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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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泥のように

 ……三本満足、普通に美味しいのが何とも……。

 あと、ほうれん草味って言ってたけど、正確にはほうれん草シチューみたいな味。

 明らかにほうれん草だけの味ではない。

 で、ゆで卵味は塩が欲しくなりますね。

 スイートポテトには生クリームが欲しい。

 まぁ、この三本で補給が済むならお手軽ではあるか。


「あ、そうだ。次のバレーボールね」

「?」

「俺、不参加だから」

「そうなんです?」


 補給を終え、身体と羽を伸ばしていたら、急にそんな事を言ってきたホウスさん。

 どうしたんだろう?


「俺がいると無限回続いちゃうから」

「またまたー」

「記録狙いでギリギリまで補給しないで落下するお客さんが必ず出るから、それの対応の為に参加出来ないんだよね」

「なるほど……」


 そういう理由なら納得である。

 というか、マジでありえそうなんだよな、それ。

 やだなぁ。バレーボールやってたら、視界の隅で落下していくお客さんとか映るの。

 ……ホウスさんには頑張ってもろて。


「あと、アドバイスなんだけど」

「はい」

「ディレイ参加はなるべくやめた方がいいよ」

「それは、なぜ?」


 スタッフさんはディレイ参加も作戦の内って言ってたし、説明されて納得したんだけれど……。


「後から参加はみんなからの期待が高まる」

「はい?」

「こう、ヒーローっぽいじゃん。みんなが疲弊して補給に行くタイミングで、『ここは私に任せろ』なんてさ」

「まぁ、言わんとしてることは」

「そんな状況でミスしてみ? 日本人なら爆発四散するよ?」

「言い過ぎでは?」


 と言ってはみたものの……。

 一理どころか百理あるかも。

 周囲に溶け込んで、なるべく目立たず。

 少なくとも、俺はそうでありたいかな。


「じゃ、頑張って」


 そう言って手を振ったホウスさんに見送られ、最後のレクリエーション、バレーボールへ。

 まぁ、頑張りますか。



 続いたラリー回数、五十三回。

 惜しくも記録更新はならず。

 なお、現在の記録は三百八十五回なもよう。

 惜しいか?

 約七倍の差ですけど。


「皆さんお疲れ様でちた」


 スタッフさんからタオルを渡され、流れる汗を拭きまして。

 ちなみに俺は最初から参加し、誰かがこぼしたボールをとにかく上空に打ち上げるという、いわばリベロみたいな役をやってました。

 何なら一番ボールに触ったんじゃないか?

 みんながみんなバレーボールの経験者じゃないし、むしろ五十三回は頑張った方だと思うよ。


「レクリエーション参加の記念品として、羽根ペンをお渡しするでち」


 で、参加賞を貰いましたよっと。

 羽根ペンねぇ……日本では使う機会は無さそうだけども……。


「結構カッコいいな」


 羽根の先端は黒、そこから茶色、白と根元に行くにつれてグラデーションの様に色が変化してる。

 部屋とかに飾っておきたいかも。

 インク瓶とかにこれ見よがしに突き刺して、さ。


「お疲れさん」

「マジで疲れました」

「ご飯にする? それとも一旦寝る?」

「あー……寝たいかもです」

「飛行艇内のレストランは休みなしで開いてるから、ゆっくり寝てきな。補給だけじゃあ体力の回復は追いつかないからさ」


 ホウスさんに指摘されて自覚したけど、かなり眠いな。

 レクリエーションって事で、知らず知らずのうちにテンション上がってたんだろうな。

 で、その上がったテンションで疲労から来る睡魔を誤魔化していた、と。

 とりあえず寝て来よう。


「おーい」

「?」


 客室に戻ろうとしたら、ホウスさんに声をかけられ。

 振り向いたら、何かを投げられる。


「ちょ!?」


 慌てて受け取ったのは、蓋がしっかり締められたタンブラー。

 なんぞこれ。


「寝る前に飲みな。疲労回復、寝付き良好、腸内環境改善の最高のドリンク」

「謳い文句が胡散臭すぎるんですけど」


 どこぞの通販番組か何か?

 妙に店舗がいいのも気になる所。


「知り合いのエルフに頼んで調合して貰ったポーションのレシピから引用してるからね。エルフ印のポーションだよ」

「エルフの飲み薬、って事?」

「回復するのはMPじゃなくてHPだけどね」


 まぁ、そういう事ならありがたく貰って寝る前に飲みますか。

 というわけで客室に移動! からのベッドダイブ!!

 ……あ、ドリンク飲もう。


「…………スポドリ」


 一体どんな味なのかと身構えた時間を返せ。

 ごくごく普通のスポーツドリンク味ではないか。

 凄くあっさりしててごくごく飲める。

 一気に飲み干しちゃったよ。


「ふぁ~」


 で、飲んだ直後に、忘れるなよ? と襲ってくる睡魔。

 忘れてませんよっと。

 じゃあ、ガッツリ眠っちゃいそうだけど、おやすみ!!



「オウカ、久しぶり」

「久しぶり」

「あっちの俺は元気でやってる?」

「多分。私の方には何も連絡来てない」

「便りが無いのは元気な証拠、か」

「…………助けて欲しい」

「どうしたの? 改まって。俺に出来る事なら何でもするよ?」

「今、何でもって」

「言った。で? 何?」

「…………」

「?」

「ミクリヤに、どうやって私の名前伝えたらいいか分からない」

「普通に名乗ればいいじゃん。ガーディアンじゃない、オウカだって」

「…………////」

「轟龍のこういう姿見るの、新鮮だなぁ」

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― 新着の感想 ―
ホウス:オウカってどう思う? 忠:CV.緑川光が搭乗する人間爆弾のイメージですね…桜花。 ホウス:音速雷撃隊か…良いよね… 忠:良い。 ホウス:俺はベルリンの黒騎士が好きかな。Me262。 忠:成層圏…
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