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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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次回ツアー無料券は百個

 落とし物拾い開始と同時に、全員が飛行艇からダイブ。

 そして、ある程度の所で高度を保ったまま待機。

 なるほど、それがこのイベントのセオリーなのか。

 という事で、真似させていただきます。


「来たぞ」


 そう呟いたのは誰だったか。

 多分、近くの家族連れのお父さんかな。

 その人の言う通り、飛行艇から何かがばらまかれる。

 ばらまかれたソレは、ゆっくりと俺らの方へと落ちてきて……。

 ソレを求めて、待機していたみんなが一斉に動き出した。

 二、三個取れたらいいかなぁ。


「ふっ!! このっ!!」

「とーれーなーいー!」


 なお、みんな苦戦している模様。

 どれどれ……。


「ぜんまいみたいだな」


 誰かの手から零れ、俺の前に落ちてきた落とし物を確認。

 山菜のぜんまいのような見た目のそれは、ふよふよと落下していく。

 それを普通に手を伸ばして……キャッチ。

 ――あれ? 全然苦戦しないけど?


「?」


 疑問が残るも、また近くに来たからそれを掴んで……。

 掴めた。

 あー……何となく理解したかも。

 これ、素早い動きで取ろうとすると取れないやつだな?

 風を敏感に感じる落とし物っぽいし、身体の動きで発生した風圧にすら影響を受けるんだ。

 だから、俺よりもちょっと高い所ではしゃいでる家族連れよりも、下で落ち着いて取ってる俺の方が取れてるんだ。


「まだ十個しか取れてないー!!」

「まだまだあるから頑張ろうね」


 ――訂正。

 俺の方は全然取れてなかったです、はい。

 俺まだ二個なんだけど?

 もう十個も取ってるのか。やっぱり上の方が有利なのかな。

 だからと言って移動しようとは思わんけど。

 ゆっくりやるさ。

 マイペースマイペース。


『第一波終了でち。補給の為に一旦戻ってくるでち』


 というアナウンスで全員が帰還。

 みんな結構取ってるねぇ。


「獲得した落し物はあちらで景品と交換出来るでち」


 で、第一波で獲得した落し物は、交換所がちゃんとあるらしい。

 なんだろうな。そこはかとなく銀玉遊戯を思い出しちゃうな。


「取れたかい?」

「ぼちぼちですね」

「まぁ、食事とかは俺が出すから、レストラン利用権とか必要は無いもんな」

「そういうわけでは無いですけどね」


 なんというか、子供連れの家族が居たら、それの邪魔をしたくないなって思っちゃうのよね。

 子供には楽しい記憶を持って欲しいから。

 多分きっと、これが大人になるって事なんだと思うわ。


「ちなみにやっぱり、レストラン利用権は交換レート高いんですか?」

「まぁ、そうだね。五十個で1グループ分とかじゃなかったっけ」

「ほへー」


 初めての参加でそれがどれくらいの多さなのかは分からないけど、利用客全員がそれを使ったら商売あがったりだろうし……。

 多分、相応に必要数多いんだろうな。


「ちなみに必要本数低い景品って何があるんです?」

「ツアー限定のタオルとか、クリアファイルとか、羽根飾りとかのアクセサリー類とかかな」

「そっちの方が良さそうに思っちゃいますね」


 持ち帰られるし。

 で、あの……ちょっとお尋ねしたいんですけど、そのタオルってハーピーの羽根が使われてたりは……。


「羽根飾りはオリジナルですよね?」

「うん。なんだっけな……なんたらガルーダみたいな魔物の羽根を加工した物だったはずだよ」


 チッ、魔物か。


「無病息災や運気上昇の効果があるらしいよ?」

「羽根飾り狙おうかな……」


 アクセサリーだし、色んな所に付けられそう。

 よし、第一目標を羽根飾りとする。


「スムージー飲んで来よ」


 で、補給もしっかり行いますと。

 えーっと、ゴールドピンクスムージーでいいや。

 適当適当。


「……ベーコンポテトの味がする……」


 スムージーって野菜や果物で作るんじゃなかったっけ?

 当たり前にベーコンポテトの味がするの、何故?

 まぁ美味しいんですけど。

 

「ついでに景品も見に行くか……」


 で、狙う羽根飾りがどれくらいのレートで交換出来るのかを確認。

 えーっと?

 ――ぜんまい十個か。

 そこそこに高いな。

 俺まだ二つしか持ってないぞ。

 ハンカチがぜんまい一つ、ハンドタオルが二つ、風呂敷が三つ……。

 風呂敷? 異世界にもその文化あるんか?

 ちなみにバスタオルがぜんまい四つでした。

 こう見ると羽根飾りも高く感じるな。


『第二波を五分後に行うでち』


 で、もう次の落とし物拾いが始まるらしい。

 頑張らないとな。

 ――ところで、この落とし物拾い、何波まであるんだろう?

 もしかすると次でラストか。

 第三波まであったりしない?


「あ、ホウスさん」


 ベーコンポテトスムージーを飲み干し、甲板に待機していたら、ホウスさんと合流。

 聞いてみるか。


「これって何波までやるんですか?」

「次で終わりだよ?」

「マジすか」

「だから五十枚に設定してあるんだよ。レストラン利用権。滅多に取れないから」

「なるほど……」


 しかもこれ、お客さん同士の取り合いなのがなぁ。

 どこかのグループにぜんまいが集中したら、他のグループの獲得ぜんまいが減るわけで。

 まぁ本来は、景品という目標目指して楽しくやってね、的なイベントなんだろうけれども。

 やっぱ、真剣になっちゃうよね……。

 というわけで、第二波、開始開始~。

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― 新着の感想 ―
忠:風呂敷しか取れなかった… ホウス:あ、その風呂敷。表で包むと時間が進んで裏で包むと時間が戻る奴だ。 忠:タ◯ム風呂敷!?何故そんな物が!? ホウス:俺が使った後行方不明になってたけどこんな所に… …
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