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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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思った以上に難しい

 いやまぁ、正直予想は出来てたよね。

 マーメイドツアーが水中で呼吸が出来るだったし。

 だったらハーピーツアーでは空が飛べるようになるんだろうなぁって。

 魔法で飛ぶのか、それともこうして羽が生えるかまでは分からなかったけれど、想定の範囲内というか。


「……これ、なんの翼だ?」


 で、自分の背中に映えた翼を観察してるけど、なんの翼だろう。

 ぱっと見よ? フクロウとかミミズクとか、そっち系の翼に見える。

 羽ばたいてみるか……あ、結構難しいな、これ。

 肩を動かさずに肩甲骨を動かす、みたいな事を求められる。

 

「もう少ししたら翼の動かし方講座があるよ」

「あ、そうなんですね」


 ――うわぉ!?

 あ、相部屋の人居たんか。

 あ、ちなみに起きた後、ソファとかがある部屋に移動してます。

 そこにしか鏡無かったし。


「あ、えと……」

「短い間になるけど、よろしくね」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 相部屋さんに握手を求められ、それに応じ。

 ……見た感じは人間っぽい。

 身体に特徴とかは無い。

 なんかホッとするな。

 これまでのツアーって、圧倒的に異世界の亜人っていうの?

 そういう人たちばっかりだったからさ。


「まぁ、俺はガーディアンだからあまり会わないかもだけど」

「ガーディアンなんです?」

「そ。俺、何も出来ないのにね」


 ニッコリと笑って見せる相部屋の人だけど、何も出来ないならガーディアンにはなれないのでは?

 まぁ、とりあえず……。


「お菓子とかどうです?」

「お、いいの? ありがとう」


 現代お菓子アタックをくらえ。

 今回のお菓子はなぜかチョコレートばっかりだったからな。

 今渡したのはパッキー。

 チョコ掛けビスケットスティックで、今回は極細タイプ。

 普通のよりも細い方が好きなんだよな。

 なんで? って聞かれたら理由を探さなくちゃいけないけれども。


「へぇ……美味いね」

「どうぞどうぞ」


 という事でひと箱献上。

 ガーディアンさんはね、ツアーの安全を守ってくれる人だからね。

 親切にした方がいいと今までの経験則。

 ドワーフツアーのガーディアンさんは……うん。

 なんか妹というか、たまに会う親戚の子供みたいな雰囲気だから。

 思えば、ずっと一緒に居た気がする。

 ……気のせいだな。


「ん?」


 と、お菓子を相部屋の人にあげていたら、放送が入り。

 安全説明やツアー内容、翼の動かし方などを今から行うらしい。

 まだ飛行艇は飛び立ってないと思うんだけど、飛び立つ前にやるのか。

 ふむ。


「空の上でやって、羽ばたけずに落下しました、じゃ話にならないからね」

「あ、そっか」

「だから、落ちてもすぐに地面の今、練習するんだよ」

「なるほどなぁ」


 俺の疑問を解消してくれる相部屋の人。

 ちなみに相部屋の人の背中には、純白の翼が生えております。

 白鳥?


「サギだね」

「? ……あ、サギ」


 鳥のサギね。

 いきなり騙されたのかと思ったわ。

 サギの翼か。

 あまりイメージ無いな。

 そもそも、鳥の翼をじっくりと観察とかした事無いし。


「じゃ、行こうか」

「あ、はい」


 というわけで、相部屋の人に連れられて飛行艇の甲板へ。

 果たしてうまく翼を動かせるでしょうか。



「もし万が一墜落することになったとしても、皆様の背中には立派な翼が生えております。何とかしてください」


 ドッと笑い声が起こる。

 ちなみにもちろんジョークです。

 これより前に、飛行艇の色んな設備とか、スタッフの練度などの説明がしっかりとありました。

 なので笑えるわけです。

 そりゃあいきなりあんなこと言わないよ。

 言うとしたらお笑いのコントとかでだけさね。


「ちなみに、ドラゴンとか襲ってきたら俺じゃ対処できないからね?」

「襲われる確率あるんですか?」

「三連黄7で当たる確率くらいかな」

「ほぼほぼ無いですね」


 1%以下とかじゃないっけ?

 基本四連からだよね。


「じゃあ、羽ばたく練習をします。チェックポイントを設定しておりますので、チェックポイントを目指してください」


 で、いよいよ羽ばたきの練習のスタート。

 さっき客室内で軽く動かしたけど、それだと身体は全然浮かなかった。

 もっと大きく力強くか?


「へぇ……」

「え、あ、ちょ!?」


 で、動かし始めたら足が地面に接地してる感覚が離れ、身体が空に。

 ……でも、飛んでるというよりは、上から吊るされてるみたいな感じに……。

 ――ふぅ。深呼吸し、目標確認。

 最初のチェックポイントは……頭上か。

 距離にしてすぐ……3mくらいだけど、ここから落ちたら普通にケガするよな?


「おっ! ……ちょっ! 待って……!!」


 で、チェックポイント、判子が空中に置いてあって、それを自分の腕に押してこいってやつなんだけど、同じ高度を維持するのムズイ……。

 羽ばたかないと落ちるんだけど、羽ばたきが強かったり早すぎると上昇し続ける。

 停滞というか、ホバリングというか、その場待機がかなり調整難しい……。


「頑張れー」


 相部屋の人は何度もやったことがあるのか、あっさりと最初のチェックポイントクリアしてるし。

 ……いや、焦っても仕方ないな。

 とにかくこの羽ばたく、という初体験の行為に慣れなくては。

 …………。


「なんかコツとかあります?」


 あの……ヒルフェ。

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― 新着の感想 ―
忠:あの…何も出来ないとガードも出来ないのでは? ガーディアン(?):俺がピンチになるとね… ??:レンチン! ??:吸血! ??:純粋な暴力! ??:酒! ??:神! ガーディアン(?):何故か敵が…
お疲れ様です!今度の旅のガーディアンさんは口調的に男性?ですかね快適な空の旅を楽しみくださいね、忠くん。あとガーディアンを懐柔しようとお菓子攻撃は健在でしたかww
2026/07/06 20:01 さんどまん
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