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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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大体二千キロカロリー

「らっしゃいらっしゃいらっしゃい!! 安いよ安いよ!!」


 何だろう、この掛け声、よくよく考えたらスーパーの鮮魚コーナーとかで、スピーカーから無限リピートされてるのしか聞いた事無い気がする。

 気のせいか?


「蜂の入った琥珀が驚きのお値打ち価格! 現品一点限り! 早い者勝ちだぁ!!」


 まぁ、売っているのは宝石の類だし、売っているのもドワーフなんですけどね。

 というわけで、終点のドワーフの町、『アンシー』を探索中。

 というのも、親父用のぐい吞みトルマリンリングの加工に思ったよりも時間が掛かるらしく。

 加工が終わるまでの時間潰しをしなきゃいけないって言うね。

 まぁ、加工が手間な代物をよりにもよって最後の宝鍾乳洞でお願いした俺が悪いよ、うん。

 ちなみに加工が終わったら、リストバンドに通知が来るようになってる。

 その為にリストバンドも受け取ったし。


「で、ガーディアンさんはどこ行きます?」

「クレープ食べたい」


 で、当たり前のようにガーディアンさん同伴という。

 列車移動が終わったら、ガーディアン契約は解除という事で、自由に動けるんだと。

 まぁその……自由に動けるのはいいんですけど、俺に腕絡めるのはやめてもろて。

 俺が不自由になっちゃう。


「クレープはどこにあります?」

「適当なお店か『地目一箇』のラウンジ」

「あれって下車後も利用出来るんです?」

「下車後一時間は可能。ミクリヤの場合、加工が終わるまで利用出来ると思う」


 なんだよ、早く言ってくれよ。

 だったらあまりにも視線が痛いドワーフの町なんか散策せずに、ラウンジ内で済ませていたのに。


「じゃあ、ラウンジ行きましょうか」

「うむ」


 というわけで周囲の痛い視線を潜り抜けながら、俺は列車ラウンジへと戻る。

 なるべく早歩きで。

 ガーディアンさんが付いてこられるギリギリの速度で。

 石畳を踏んで俺は行く。一歩半だけ先を。



 ……ふぅ。

 町の中の賑やかな雰囲気もいいけど、ラウンジの落ち着いた静かな雰囲気もいいですわね。


「ミックスモダンプリンチョコジュエルソースクレープ」


 ……なんか最初の方お好み焼きみたいな注文じゃなかった? 

 気のせい?


「お客様は何かお召し上がりになりますか?」

「あ、えーっと……」


 ガーディアンさんの注文のついでに俺にも尋ねられたけど、どうしよう。

 何も考えてないな……。

 ん、タピオカドリンクあるじゃん。

 それにするか。


「ジュエルタピオカミルクティーで」

「かしこまりました」


 果たして何がジュエルなのかは分からないけど、まぁいいか。

 よっぽど変なのとか出てこないでしょ。


「凄い」

「……何がです?」


 で、その注文を聞いたガーディアンさんが俺に対し一言。

 何だろう、すっごく身構えるんですけど……。


「さっきのジュエルタピオカミルクティー、カロリーがバカ高い」

「あー……」


 実はそうなんだよね、タピオカドリンクって。

 一杯で豚骨ラーメン一杯と同じカロリーとか聞いたことあるな。


「あれ一つでハンバーガー四個分くらい」

「そんなに!?」


 ハンバーガー一つがどれくらいのカロリーかははっきりとは知らないけど、少なくとも豚骨ラーメンよりはハンバーガー四個の方が上よな?

 そんなものを飲み物にすな。

 あと、ハンバーガー四個分って、確かランランルーの靴のサイズだったような……。


「飲めなかったら私が飲む」

「いや、普通に持って帰りますけど」

「むぅ」


 飲みかけを他人にはやれんて。

 責任もって飲み干しますわよ。


「お待たせしました、ジュエルタピオカミルクティーでございます」

「ありがとうございます」


 ……なんだ、普通のタピオカミルクティーじゃん。

 ――ぱっと見は。

 タピオカが光を反射して七色に輝いてる以外は。

 というか、ミルクティーの中に沈んでいるのに自己主張強いなこのタピオカたち。


「いただきます」


 という事でまずは一口。

 ……あ、ミルクティー美味い。

 セイロンティーっぽい香りがする。

 で、肝心のタピオカのお味はと言うと……。


「何だろう……甘いっすね」

「うん」


 なんと言うか、甘いんだけど、甘味料の甘さじゃないんよな。

 果物由来な甘さな気がする。

 ちなみに今食べたタピオカはメロンっぽい甘さだった。

 なお、クラウンメロンのような高級感なもよう。

 おかげでミルクティーの味がほとんどしないぜ。


「……もしかして全タピオカ味が違う?」

「色が違うのは味が違う。普通じゃない?」

「全然?」


 色はあくまで視覚的に楽しむためのもので、味は変えてないと思うよ?

 タピオカに関してはだけど。


「……おー、ビワ? かなり久しぶりに食べた気がする」

「楽しそう」

「何だかんだ、味が違うのは楽しめますよ。甘いですけど」


 分かったわ。

 なんでハンバーガー四個分ものカロリーになってるか。

 絶対にこの甘さのせいだわ。

 ……というか、甘いってだけで結構クるな。

 正直、割とギブアップが近い。


「じー」


 が、虎視眈々と俺の飲み残しを狙ってる視線がある以上、音を上げるわけにもいくまい。

 ……せめて何か、甘さを中和できる食べ物とか欲しい。


「バニラアイスとかおススメ」

「糖尿なるわ」

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― 新着の感想 ―
お疲れ様です!デート回ですねwタピオカミルクティーかぁ僕は数えるほどしか飲んだことないですけど食感割と面白くて好きよりですー。轟龍ちゃん、ここに飴がついた指輪のお菓子があるんだけどどう?忠くんとお揃い…
2026/07/03 23:47 さんどまん
轟:じー 忠:あげませんからね? 轟:翠龍にはリングあげたのに。 忠:あげてないですよ?アレは父のです。 轟:乳でしょ? 忠:ええ父です。 轟:? 忠:?
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