青い景色
……おはようございます。
ふぁ~あ。
眠い。
結局抱っこして轟龍さんを部屋に連れて行ったんだけど、その途中で寝やがるし。
分体さんに渡したら、マジでポイってベッドに放り投げられてたし。
それで起きないんだから大したもんよ。
「……サファイアまだ?」
で、俺はそれから部屋に戻り、ベッドに倒れ込むように就寝。
一応朝方にアラームをかけて、サファイア宝鍾乳洞を寝過ごさないようにしてたんだけど……。
「ピピピピピピピピピ」
なんで休みの日のアラームに限って鳴る前に目が覚めるんだろうね?
まぁ、予定を寝過ごさないだけいいけど。
とりあえず顔洗って歯を磨くか……。
「朝ごはんどうしようかな」
ちなみに朝ご飯も昨日の夜同様選択式。
なお、選択肢は『二日酔い御膳』『三日酔い粥』『四日酔いスープ』『諦めの迎え酒』である。
諦めんなよ……。
あと、二日酔い以上確定なんだな?
ドワーフは二日酔いしないみたいな話無かったっけ?
というか、二日酔いは御膳が出されるのか……。
無理では? 完食するの。
――まぁ、いいか。
「御膳って気分でもないし、粥でいいかな」
我二日酔い無し。
ひょっとしたら『後の祭り』が聞いてるのかもしれん。
ただ、朝から御膳って気分ではないなぁ。
という事で粥を注文。
午前ではあるけどね。
……で、粥が届くと同時にサファイア宝鍾乳洞に突入。
視界が一気に青色に染まりましたわね。
――もちろん粥の色も。
はぁぁぁぁぁぁ……青ってさ? 食欲減退色やねん。
青いカレーとか食べたいか? 青い刺身とか食べようと思うか?
それが何で粥までこの色なんだよ……。
食べますけどさぁ……。
「……もう一つもツッコミたい。……こんなにいる?」
それともう一つ、粥以外にも持って来られたもの。
錦糸卵、漬物、漬物その二、佃煮、佃煮その二、肉そぼろ、海苔、刻みネギ、キムチ……。
お粥を自由にカスタマイズしてねって事なんだろうけど、それにしても多すぎない?
漬物とか、何味か分らんし、佃煮だってそう。
とりあえずその辺の味見からだな……。
「……見た目完全に高菜なのにな」
味が梅干しというギャップね、まぁ、お粥に梅干しは相性いいから大歓迎だけど。
……じゃあ、こっちのたくあんの見た目の漬物は?
「……たくあん」
捻りも無く、見たまんま。
これがあるから異世界食材苦手なんだよな。
全部が全部見た目と味が違うんならまだ割り切れるのに、たまに見た目と味が一致するんだもんなぁ。
全部違うか、全部一緒なら割り切れるのに。
「……あ、これ佃煮じゃねぇわ」
で、佃煮だと思ったものその①、佃煮じゃねぇんだ。
これあれだ、奈良漬けだ。
ほのかに香る酒粕の香りが食欲をそそる……。
たった今言ったけど、見た目、どっちかにしない?
合うか合わないか。
「こっちは佃煮だし……」
もう一方の佃煮その二は、しっかり佃煮。
ただ、ふきっぽい感じだったな。
ふきの佃煮、きゃらぶきとはまた違う感じ。
美味しいよ、うん。
「一応突っ込んどくか。なんでキムチも青いんだよ」
ノルマクリアっと。
ま、お粥が青いからね。
今更驚くこともありませんわ。
「……あ、すっげぇうめぇ」
で、その青いキムチ、食べてみてびっくり。
なんと言うか、すっごい魚介の味を感じる。
オキアミというか、海老の香りがあるし、牡蠣の感じもする。
これお粥じゃなく白米に乗せて食べたいな……。
豚肉とかと炒めてさ。
「肉そぼろは……あ、生姜焼き風?」
肉そぼろは恐らく鶏肉。
で、味付けがめっちゃ生姜がくる。
これは粥に入れて合いそうですねぇ。
海苔とかネギは大丈夫でしょ――とはならんのが異世界よな。
しっかり味見しましょ。
油断は命取りである。
「……普通の味付け海苔と、普通のネギ……」
ならばよし!
というわけでお好みカスタマイズタイム。
まずは錦糸卵と――待て。
危ない危ない。この錦糸卵の味見をしてないではないか。
甘いかしょっぱいか、それだけでだいぶ味が変わるぞ。
というわけでちょっと摘まんでパクリ。
「……すっげぇ美味い卵焼きなんですけど」
家庭で作る卵焼きじゃないね。
寿司屋、それも、結構お高めの所でいただくいわゆるギョク。
海老のそぼろとか入ってるんじゃないの?
うま味が凄い。
これなら、錦糸卵と奈良漬けを入れて……。
まずはこれだな。
あ、ちなみに粥は鍋ごと提供されてて、自分で食べたいだけよそうスタイル。
色々とトッピング試したいから、少しづつ食べますわよ。
「……ん~、漬物と卵の相性が抜群。粥も、見た目の割にスッキリサラサラしてて美味いな」
こう、しょうがない部分もあるけど、お粥ってどうしてもベトベトするじゃん?
汁が。
この提供されてる粥は、汁がサラサラなんだよね。
粥というか、お茶漬けみたいな感じ。
「わんこそばならぬわんこ粥ってね」
ほぼ一口で食べられる量だけよそって、一口分のカスタマイズ。
割と、本当に二日酔いだったとしてもこのスタイルなら結構食べられそう。
――よそったりカスタマイズしたりが億劫で、そのまま粥を流し込みそうだけれども。




