表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/143

もしかして?

「またのご利用お待ちしておりま~す」


 多分無い。

 いやまぁ、確かに気持ちいい時もあったけれども。

 なぜか知らないけど、マッサージ後に歩くと足の裏がズキズキと痛むんだよね。

 なんでだろうね?

 普通にマッサージを受けてただけなのにね?

 不思議だなぁ……。


「いい感じに眠気が来たから、一旦寝よう……」


 マッサージを終え、部屋に戻る途中。

 なんか思い出したように眠気が……。

 というか、本当はマッサージ中にも眠気を感じてたんだけど……。

 足の裏への一撃で吹き飛んだよね。

 とほほ、もうギャルはこりごりだよ~。



 というわけでおはようございます。

 仮眠を終え、時刻はすっかり夕方。

 陽もすっかりと落ちてるでしょう――多分。

 だって、今居るの深海なんだもん。

 陽の光とか入って来ないし。


「これで明日の朝には下船か……」


 今回のクルーズはショートクルーズだったようで、明日の昼前には目的地に到着予定。

 なお、目的地は『翠竜宮城』という地名で、その昔に龍族が住んでいた水中城が観光地化。

 そこを治めていた龍族の管理のもと、今ではマーメイドを中心に結構な住人が暮らす街なのだとか。

 荷物とか、生活必需品の運搬とかどうしてるんだろうね?

 あと、


「翠竜って付いてるのが気になる……」


 知人というか、知り合いに似たような名前の方がおりまして。

 もしかしたら? と思う気持ちと、実は龍族の中で『翠』という名前が日本で言う『田中』や『佐藤』にあたるもの、という解釈も捨てきれない。

 まぁ、明日になってみればわかるでしょ。


「ご飯はどうしようか……。どこで食べようかな?」


 明日の朝もあるとはいえ、朝からガッツリとは食べられる気がしない。

 という事は、この晩御飯がこの船でガッツリ食べる最後のチャンスという事になる。

 ならば……。


「海中グリルとやらにでもしてみるかな」


 テーブルにグリルがあって、そこで各々好きな物を注文して焼いて食べるスタイル……らしい。

 というわけで、早速向かいましょ。



 ……えーっと。

 列です。

 並んでます。

 スタッフさんに聞いたら、大体三十分待ちくらいだそうです。

 じゃあ待ちます。


「おにーさん、また会ったね」

「お兄さんもここで食事?」

「こんな並んでるとは思わなかったよねー」


 で、待ってたら、海底迷路探検の時にちょっと会話した女性ハーピー集団と再会。

 同じく海中グリルのお店に来たとの事だったが、御覧の通り並んでおり。

 じゃあ、相席でも構わないなら一緒に並びます? と提案したら、


「いいの!?」

「ラッキー! うちらめっちゃツイてね?」

「ありがとうございます」


 との事。

 まぁ、現代日本で女性の集団と相席どうです? と言ったら確実に警戒されるだろうけど。

 異世界ではそんな事は無いんだろうね。

 何故なら……、


「魚全種類コンプすっぞ~」

「ソーセージが美味いらしいよ?」

「海羊の肉も名物とか」


 こうして話してるハーピーたち。

 両手両足のかぎ爪がめっちゃ鋭く光ってるもん。

 変な気を見せたらひっかく、と暗に語っているよ。

 あと、スルーしたけど海羊って何?

 知らないんだけど。

 ウミウシなら知ってるよ?

 おおよそ食べないだろう見た目だけども。



「四名様でよろしかったですか?」

「は~い」


 というわけでハーピーたちに混ざって海中グリルを楽しみます。

 会話してたらね、三十分なんてあっと言う間だよ。


「あたしら飲みホ付けるけど……」

「あ、大丈夫です。俺も付けるんで」


 ちなみにこのお店、並ばなきゃいけないだけで、基本は無料。

 ただし、お酒類だけは注文するのに課金が必要で、この人達は飲み放題にするらしい。

 ――値段計算して、何倍以上飲めば個別注文よりお得か考えたら、大体三杯以上飲めば元が取れるね。

 余裕だな。


「じゃあ、とりあえず生絞りレモンハイで」


 どうしよう。

 俺が知ってる『とりあえず生』から続きが生えてきてたんだけど。

 まぁ、従うか。


「俺も、じゃあ生絞りレモンハイで」

「まじ?」

「うちらは普通にビールで」

「黒ビール」


 いや、普通にビール頼んでますけど? 連れ達。

 あと、しれっと黒ビール頼んだ子いない?

 めっずらし。

 店に置いてあるのも、女の子が頼むのも。


「適当に串焼き頼んじゃうよ?」

「まずはミズチョウチンあん肝串」

「子持ち昆布チップスよろ」


 で、注文はハーピーの皆さんにお任せ。

 俺より詳しいだろうし。

 ちなみにテーブルにはアメリカ式のBBQキットみたいなグリルが備え付けられてる。

 蓋が閉められるタイプのやつね。


「お、きたきた」

「んじゃあ、ヒバリ、よろしく」

「委細承知」


 運ばれてきた串に刺さった品々。

 それらを俺が視認するよりも早く、ヒバリと呼ばれた黒ビールを注文した子が串を手に取りグリルにぶち込み蓋。

 ……えーっと、


「火って付いてました?」


 俺の言葉に即蓋を開け、恐らくは魔法であろう指パッチンで火を点けて、再度蓋。

 こら、二人とも、クスクス笑わないの。


「不覚」

「珍しいわね。ヒバリがとちるなんて」

「学園内最高グリラーだったのはもう昔取った杵柄かー?」


 グリラーってなんだよ。

 鍋奉行よろしくグリル奉行とかでいいでしょ。

 知らんけど。そんな言葉。


「……十秒後に焼ける」


 ……顔真っ赤なのは指摘しないであげよ。

 それが優しさってもんよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ