エクレアやシュークリーム含む
……おはようございます。
しっかり一時間でお目覚めですわよ。
んー……目覚めの一杯でコーヒーでも飲んで来ようかな。
「集合場所はメインホールか」
海底迷路探検に参加するには、予約はいらないみたいだけど、決まった時間に決まった場所に居なければならないので、まずは場所の確認。
コーヒーを受け取って、メインホールで待機しとくかな。
「とりあえずメインデッキ……はずっと行ってるし、他の場所でコーヒー飲めるところ探してみるか」
というわけでまずはコーヒーを手に入れることを目標に、メインデッキ以外で散策。
ずっと同じ所の飲み物飲んでも何というか、勿体ない気もするし。
他もあるなら味わってみたい、という事でね。
*
「カプチーノ、削りチョコとココアパウダー追加で」
「かしこまりました」
メインフロアの近くには、様々なお店があるんだけれど。
その中に、コーヒーを提供している場所を発見。
というわけで早速突撃。
ちなみに、コーヒーショップの隣にはジェラートも売られていたので、ピンク色の恐らくベリー味のジェラートをいただきました。
ちなみに基本は課金が必要なお店ですが、今回グリーンバブルクラスの俺は飲み放題プランが付いており。
なんと飲み放題の中にジェラートやアイスなどのおおよそデザートでは? というものまで含まれているらしい。
なんでも、
「ツアーギルドの役員であるエルフの方が、『デザートは飲み物である』と主張されたためそのように扱われております」
との事。
流石に暴論では? と思うものの、そのおかげでこうしてジェラートもカプチーノも無料で味わえるのだから俺からしてみたら感謝しかない。
しかもどうやらその役員のエルフさんは、ほぼ全種族のツアーにおいて重要な役割を担っているらしく。
彼が居なければ運営出来ていないツアーもあるとかないとか。
そんなエルフが主張した内容なので、認めないわけにもいかなかった、らしい。
まぁ、俺に損は無いからいいのよ。
「ベリーはベリーだけどめっちゃ甘いな」
で、ジェラートを溶ける前にいただきますと、まず甘いわね。
ただこう……砂糖の甘さじゃなく果汁の甘さというか、イチゴとシャインマスカットとマンゴーを足したような甘さ。
香りは……クランベリーかな?
美味しいんだけどカップ一つで満足しちゃう味だな。
これを複数は食べられない、甘すぎて。
飲み物みたく飲むなんてもってのほかだね。余計に喉が渇くよ。
「……はぁ、カプチーノうま」
カプチーノは至って普通のカプチーノ。
砂糖は無し、削って貰ったチョコと振って貰ったココアパウダーの香りがコーヒーにアクセントを与えておりまして。
生クリームのコクとクリーミィな味わいがコーヒーの苦みをマイルドにしてくれる。
カフェインが脳みそに行き渡りますなぁ。
――あのコーヒーショップ、デカフェって書いてない?
カフェイン入ってない?
じゃあ、今感じた脳へ行き渡る感覚はプラシーボ効果……?
「ご馳走さまでした」
ジェラートの甘さはカプチーノの苦みで相殺しつつ、無事に完食。
糖分とイマジナリーカフェインで脳みそも完璧に起きたわね。
「海底迷路探検に参加希望のお客様はお並びくださ~い」
と、丁度集合時間になりましたわね。
早速並びましょ。
「……」
「……」
「……」
「……」
並ぶタイミング悪かったな。
何だろう、雰囲気的に、大学生たちの卒業旅行みたいな感じの女性ハーピーの集団の間に入り込んじゃった。
いやあの、本当にすみません。
自分小さくなっとくんで、全然気にせずにおしゃべりとかしてもろて。
「お兄さんって人間?」
「……え? あ、はい」
声掛けられたんだけど。
いやあの、全然無視して貰って……。
「珍しー。基本このツアーってハーピーばっかりだからさぁ!」
「人間って普通に泳げるし、意外とこのツアー人気無いんだよねぇ」
「ウチらハーピーのツアーは人気なのにねー」
ほうほう。
ハーピーのツアーは人間には人気と。
まぁ、大体の予想は出来ちゃうよなぁ。
ノクティオさんには言わないでくれと止めたけど、ここまで来ると、ねぇ。
天地明察! ズバリ! ハーピーのツアーは空中ツアーなのでしょう。
マーメイドのツアーがこうして海の中で過ごせるツアーならば、ハーピーのツアーは空中で自由に過ごせるツアー。
まぁ、そう並べられちゃうとね。
空を飛ぶか、海の中に潜るか、どっちがいい? と聞かれたら、空を自由に飛びたいな、と思う人の方が多そう。
「このツアーになんで参加したのー?」
「ランダムなツアーに参加するってシステムのやつに応募したらたまたまこれだったんですよ」
「……? そんなのあったっけ?」
「記憶には無いけど……」
「今後展開されるかもしれないお試しプラン的な?」
「あー、ありえそー」
本当は異世界から来ました、とはまぁ、言わなくていいか。
勝手にハーピーたちで盛り上がって納得してくれてるみたいだし。
「ん、そろそろ説明始まる」
「マジ? 聞かなきゃ聞かなきゃ」
と、どうやら海底迷路探検の案内をしてくれるスタッフさんが、集まった参加者たちに大きく手を振って注目を促していた。
さてさて、どんな探検なんでしょうかね。
おらワクワクすっぞ。




