14.勇者会議(異物混入)
14.勇者会議
《啓介視点》
僕の名前は佐久平啓介。鞄の勇者。
こないだはちょっと暴走しちゃったけど、オタクさんのおかげで、正気に戻れたよっ!
僕のスキル、■庭にて。
関係者が集まって、今後について話し合うことにした。
「わぁ! 勇者が四人も集まってます! すごい……勢揃いですね!」
僕、オタクさん、シズカさん、そしてヒキニートさんの四人。
召喚されたとき以来かな、勇者が四人そろうのっ。
「悪魔1勇者3の間違いだろ……」(ぼそっ)
「悪魔? 悪魔なんて居ましたっけ?」
「……自覚無いのかよ」
はぁ、とシズカさんがため息をつく。
自覚? うーん……なんのことだろ。
てゆーか、この人、さっきからずっと僕と目を合わせてくれないのなぁぜなぁぜ?
僕何かしちゃったかなぁ?
(※↑本心で言ってます)
「大変だね、シズカ君。外でのツッコミは任せたぜ」
ぐっ、とヒキニートさんが親指を立てる。
「……さっさと今後について話そう」
「そうでござるな!」
まず、シズカさんが自分の知ってる情報を僕らに共有してくれた。
「おれをこの、反転魔族の姿に変えたのは、廃棄神シュブニグラスってやつだ」
「シュブニグラス……」
名前あったんだ。
廃棄神の名前知らなかったんだよね。
「シュブニグラスはワルージョや魔族を使って、今まで陰で暗躍していたんだ。世界を破滅に導くためにな」
そこら辺はヒキニートさんから聞いた情報と一致する。
「じゃあ、やっぱりワルージョ止めるだけじゃだめで、その廃棄神ってやつもぶっ殺さないと駄目なんですね」
「そうなるな。だが、シュブニグラスって女はめったに表に顔を出さない。ワルージョが実行役をしていたな」
「シズカさんって……勇者のくせに、悪巧みをなんで見過ごしてたんですか?」
「……おれの頭に、針が打ち込まれてたんだよ。ワルージョのやつに。そして、強制的にワルージョに惚れてる状態にさせられてた」
なるほど……。
シズカさんはワルージョのせいでメロメロ状態にさせられていた、と。
「他の四大勇者たちも同様だ。あの女に針を打たれてる」
「四大勇者はワルージョ……ひいては、シュブニグラスの手駒ってことなんですね」
「ああ。残ってる敵側の勇者は【鞭の勇者ムッチ】、【銃の勇者ジューシ】。どっちもワルージョの犬だ」
ムッチ、ジューシ。そこにヒキニートさんとシズカさんの四人で、今の四大勇者なんだってさ。
「ムッチとジューシはオタク様と悪魔を狙ってくるだろう」
「? あの、ちょいちょい出てくる悪魔って誰ですか?」
「おまえ以外に誰がいるんだよ……」
「えー? 僕のどこが悪魔なんです?」
「本物の悪は自分を悪だと思ってないってほんとなんだな……」
えー、なんだよぅ。説明を放棄しないでほしいなぁ。
「まあまあ。なるほど、では今後我らを邪魔しに、鞭と銃の勇者が来ると」
オタクさんがそう言うと、シズカさんがうなずく。
ヒキニートさんが目を閉じながら言う。
「そこに加えて魔族も、王都の各地で国民相手に暴れてるみたいだよ」
「魔族は何をしてるのでござる?」
オタクさんがシズカさんに尋ねるも……。
「それについては、わからない」
「ふむ? わからないというのはどういうことでござる?」
「魔族は、どうやらワルージョではなく、廃棄神シュブニグラスの命令で独自に動いてるようだ」
なるほど……
勇者に、勇者抹殺を命令してるのは、ワルージョ。
魔族に、国民を殺させてるのは、シュブニグラス。
シュブニグラスはワルージョを通して四大勇者に勇者抹殺を命じてるから……。
一番の悪は、シュブニグラスってことになる。
「よし、やっぱりシュブニグラスの首を取りましょう!」
「まあ、最終目標はそうなるが、しかし、おれたちはやらないといけないことが、別にもう一つある」
「やらないといけないこと?」
「ああ」
シズカさんが腕を組んで言う。
「儀式を止めることだ」
「ぎしき……?」
「シュブニグラスがどうして、魔族を使って国民を殺し回ってると思う? 儀式を行うイケニエを用意するためだ」
「イケニエ……? 悪魔でも召喚するんですかね?」
「…………」
「え? なんで無言なんですか?」
「悪魔が悪魔を語るなよ……って思ってな……」
「えー? 僕のこと悪魔って言ってるの、今んとこシズカさんだけですよ? ねえ、オタクさん、ヒキニートさん?」
さっ、とヒキニートさんが目をそらした。
オタクさんは苦笑しながら言う。
「シズカ殿。我らはこれから仲間として活動するのです。仲間に対して悪魔呼びは、良くないと思うでござるよ~」
やっぱオタクさんって優しいなぁ!
そうだよ、人に対して悪魔呼びなんて、しつれーだよねっ。
「……オタク様。言いづらいことなんですが、ちょっとこいつを甘やかしすぎじゃないですか? もっとしっかりあんたから言ってくれないと。こいつを止められるの現状あんただけなんですから」
「め、面目ないでござる……」
ちょいちょい出てくる【こいつ】って誰だろう?
ヒキニートさんのことかな?
(※↑)
「はいはい、話が脱線してるよ君たち」
ヒキニートさんが手をたたいて軌道修正する。
なんでヒキニートさんが仕切ってんだろ?
「ぼくが【扉】を開いて確認したところ、シュブニグラスが儀式を実行しようとしてるのは確かなようだよ」
ヒキニートさんの聖武具は、【扉】なんだって。
世界中に扉を作って、そこから外の様子を見れるんだって。普通にのぞきだね。
このチームやばい人多過ぎだよ。
ヒキニートのぞき犯に、魔族に寝返っていたやばい人。
やれやれ、まともなのは僕とオタクさんしかいないようだ。
(※↑正常3、異常1です)
「シュブニグラスを倒せば、儀式は止まるのでは?」
とオタクさんが問いかけるも、ヒキニートさんは首を振る。
「廃棄神を殺しても、儀式は止まらないよ。廃棄神は計画を立てた張本人ってだけだからね」
廃棄神は実行役じゃないから、殺しても無駄……と。
「儀式を止めつつ、ボスであるワルージョと廃棄神を倒さないとってことですね。じゃあ手分けして……」
「「「手分けは駄目!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
三人がすごい勢いで止めてきた。
ええー……?
「なんでですか? だって儀式止めるチームと、ボス倒すチーム、二手に分かれた方がいいじゃないですか?」
「……駄目に決まってるだろ。歴史を繰り返すのかおまえはっ!」
歴史を? 繰り返す?
「啓介君はオタク君と一緒に行動しようね」
「拙者と一緒に冒険しましょうぞ!」
うーん……なんかいろいろ釈然としないけど……。
ま、オタクさんと一緒に冒険できるなら、いっか!
「……そいつを単独行動させるのは論外だが、おれとヘルメスで別行動するのはどうだ?」
「良いアイディアだと思う。けど、まずは四人で行動しよう。儀式の破壊を、手分けして行えるのを確認したら、手分けして進もう」
シズカさんとヒキニートさんが話し合ってる。
むぅ、仲間はずれ感。
「僕はどうすれば?」
「とりあえずオタク君と一緒に行動して。片時も離れずに! いいね」
「もちろんっ」
わーい、オタクさんと一緒だぁ……!
えへへ♡
「……なあ、オタク様。これ今回の事件を解決した後、どうするつもりなんだ?」
「……正直ぼくもあの爆弾を野放しにするの駄目だと思う。核爆弾が歩いてるようなもんだし」
「……拙者、帝国を長く離れるわけにはいかぬでござる。どなたか、面倒を見てくれる人を探す必要がありますな」
「……いるの? アレを言うこと言い聞かせられるやつ」
「……無理だろ。オタク様以外」
「……いえ、スペルヴィア殿曰く、ミサカ殿なら話を聞いてくれるかもと」
三人がなんかぼそぼそ話し合っていた。むぅ? なんだろう。
「どうしたんです?」
「いえ、なんでもないでござる! 早くミサカ殿の呪いを、解いてあげましょうぞ!」
「! うん! そうだねっ!」
僕の目的は今も昔も変わらない。
ミサカさんの呪いを解くことっ。
「そっか……廃棄神を倒し、経験値とすれば、アイちゃんの呪いが解ける!」
「……そうすれば、オタク様がいなくても、あの人外を制御できるっ」
うん! とヒキニートさんとシズカさんが強くうなずく。
「アイちゃんの呪いを、解くぞー!」
「……大勇者の呪いを解いて、世界に平和を取り戻すんだ!」
おお! なんか……二人もやる気出してくれてるっ!
「もちろん拙者も協力しますぞ!」
いろいろごちゃごちゃ話したけど、ようは皆で儀式を止めて、ワルージョ・廃棄神をぶっ倒せばいいんだねっ。
「よーし、頑張りましょう! 世界平和のために!」
「「「世界平和のために!」」」
僕ら勇者四人は、手を重ね、そう言う。
今……僕らの心は一つになった! 同じ思い、目標を抱いて!
悪を討伐するんだと、固く決意するのだった!
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