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【書籍化】カバンの勇者の異世界のんびり旅 ~実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした~  作者: 茨木野
第4部

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136/138

136.

 凄まじい魔力を放ちながら、新キエリュウが攻撃態勢に入る。

 高位の魔族は固有の特殊能力を持っている。前回のキエリュウが使ってきた「あべこべ」のような、厄介な術を使ってくるに違いない。


『一気にいくぞ!』


 先手必勝とばかりに、スペさんが魔力砲撃を放った。

 どごぉぉぉんっ! と鼓膜を揺らす爆音と共に、極太の閃光が新キエリュウを飲み込む。


 だが、手応えはない。そこにいたのはただの残像だ。

 ふわりと、新キエリュウの気配が僕たちの背後へと移動した。


『くそっ、速すぎる! 一体、何が起きてるのか全然わからないっ!』


 ヒキニートさんが悲鳴のような声を上げる。

 それに対し、僕とアイさんは顔を見合わせて首を傾げた。


「「え?」」

『え、ってなんだよ、え、って!』

「いや、ただ相手と自分の位置を一瞬で入れ替えてるだけだよね?」


 僕が事もなげに言うと、アイさんがニヤニヤと笑いながら虚空を指差した。


「そんなこともわからないなんて、だらしないなー。だらしないよ、セバっちゃーん」

『きぃぃぃっ!』


 ヒキニートさん――セバちゃんが、悔しそうに歯ぎしりをする音が聞こえる。


『てゆーか、そんな異常な眼力を持ってるんだったら、前のキエリュウが使ってきた「あべこべ」も見破れたでしょ!?』

「いや、あれは物理的に見えないタイプの攻撃じゃん。どうやって見るのさ」

「そうそう。それに比べて、一瞬で位置を入れ替えるだけの物理的な挙動は、普通に目で追えるじゃん。ねえ?」

『普通は見えないからぁぁぁっ!!』


 僕とアイさんの超絶眼力コンビによる常識外れの理屈に、ヒキニートさんの魂のツッコミが木霊する。

 強敵の背後へのテレポートという絶体絶命のピンチにも関わらず、緊迫感ゼロで繰り広げられる僕らのやり取り。

 その光景を前に、半魔のリコは終始唖然として、ただぽかんと口を開閉させているのだった。

【おしらせ】

※3/1(日)


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ぜひ応援していただけますとうれしいです!

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よろしくお願いいたします!


『【当て馬】妻はもう辞めます 〜自分を殺して尽くしてきた天才錬金術師ですが、前世を思い出したら夫への愛がスッと冷めたので、隣国で気ままに店を開きます〜』


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