13.魔族王、ぶったおす
■庭空間にて。
ヒキニートさんが、半魔のリコちゃんから、事情を聞いている。
「話聞いてきたよ」
「…………」びくびく。
リコちゃんは相変わらず怯えていた。どうしてだろうね。こんな愉快な仲間達を前にしてさ。
「で、どういう事情があって、魔族に襲われたの?」
「ひっ……! 怖い……!」
「魔族? そうかなー、こわいかなー」
いやいや、とヒキニートさんが首を振る。
「怖いのは、君。もうちょっと離れてあげて」
「えー? 僕? どこら辺がこわいの?」
ひっ……! とまた怯えてる。あらら。
「けーすけくんは、こわくないよ!」
「ひっ……! こないでぇ……!」
アイさんにまで、怯えてるリコちゃん。むぅ。
「けーすけも、あいも、怖くないぞ」
「ひぃいいい! 近寄らないんでぇ……!」
スペさんにも怯える始末。
こんな風に、全てに対して怯えていたら、なるほど、生きにくいだろうなぁ。
ヒキニートさんがジト目を向けてくる。
「話進まないから、君らはそこで正座」
「「「はーい」」」
ということで、僕はヒキニートさん経由で、事情を聞く。
「どうやら、ここは魔界っていうらしい。魔族達の住む、人間世界とは異なる次元の世界だって」
魔界……へえ。そうなんだ。
「魔界は今、【魔族王】なる存在が、統一をもくろんでるんだってさ」
「魔族王……? 魔王みたいな?」
魔王といえば、スペさん達、七大魔王のことだ。
それと同じ?
「いや、スペルヴィアたち、魔王とはちがって、魔族の王らしい」
「じゃあ雑魚じゃん」
魔族って全員、雑魚だったし。
「それが、どうにも違うらしい。魔族王っていうのが、つい先日、ケースケくんたちがワルージョぶったおしたあたりから、急激に力を付けたみたいなんだ」
急に強くなることなんてあるんだろうか……?
「ぼくは、多分魔王の力を使ってるんじゃあないかって思ってる」
「魔王? 他の七大魔王のこと?」
「そういうこと。多分魔王を取りこむか、支配してるかだとおもう」
しゅぱ、とスペさんが手を上げる。
「魔族ごときに、大魔王が支配されるとは思えないのじゃ」
確かに。スペさんやルクスリアさん普通に強いしね。
「恐らくだけど、ルクスリアと同じケースだと思ってる」
「なるほど……封印中に、取りこまれたってことですね?」
そういうこと、とヒキニートさんがうなずく。
「でもせばっちゃん、魔王を取りこんだっていう根拠は?」
「魔族王が自分で言ってたんだってさ。魔の王の力を取りこんだって」
自分でそういうのなんで言うんだろうね。バカなのか……?
「じゃ、僕らのすることは、一つだね!」
「そのとおりだね、けーすけくん!」
僕と……あいさんの意見が一致した。
「「魔族王、ぶっ倒す……!」」
僕らは力強くうなずく。
「倒して、大魔王を解放してあげないと!」
「倒して、困ってる半魔の皆を、助けてあげないと!」
うん、意見が一致した!
「一致してない! 君らの意見は一致してないよ!」
とヒキニートさん。そうかな?
でも魔王ぶっ倒すって目的は一致してると思うし、よし!
「はぁ……。まあ、良かったねリコちゃん。化け物に化け物をぶつける作戦成功だよ」
「はひ……」
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