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シア薬剤店  作者: レレナ
第2章
33/35

閑話 ょぅし゛ょ -セリ視点 2-

この話はシアに出会うまでのセリ視点となります。

2~3話で済ませる予定です。


非常に短いですが、1話の中で急激な場面切り替えや、日付の飛びというのは、できるだけ行いたくないのでこの短さです。

ご了承いただけると幸いです。

「逃げなさい!」


 お母さんが叫びます。


 怖くて身体が動きません。

 盗賊がいっぱいです。

 みんな怖い顔です。




 ラクアの町を出て3日。

 遠くに見えていた山に私達は入りました。

 気は少なくてごつごつした岩とかが多いけど、崖とかじゃないし、狭い小道じゃないので周りも明るくて全然怖くありません。

 最初に、山を越えると聞いた時は、暗くてじめじめした森の中を行くのかと思っていたのでよかったです。

 頂上には小屋があったので、そこに泊まって朝に出発しました。

 あとは下り坂だけです。

 お昼をちょっと過ぎれば山道は終わって、そこからなだらかな道になると、お父さんが言っていました。

 お父さんは物知りです。

 そこから後は次の街までは閉門前には充分着くそうです。


 盗賊に襲われたのはそんな時でした。


 かつって音がして、なんだろう? って外を見ました。

 荷車にが矢が刺さっていました。


「盗賊だ!」


 お父さんが叫びました。


「掴まっていろ!」


 荷車の中にいた私とお母さんの返事も聞く前に、お父さんはロバの馬車を猛スピードで走らせました。

 がたごとがたごと、かちゃかちゃ楽しかった音は無くなりました。

 がくがくと揺れる荷車の中では、お母さんにしがみついているので精一杯です。

 遠くに馬に乗った人達が見えたと思うと、すぐに追い付かれてしまいました。


 ロバのビンに矢がいっぱい刺さりました。

 ビンは悲しそうな声を上げて倒れました。


 荷車は倒れなかったけど、すぐに止まってしまいました。

 お母さんは私を抱えてすぐに荷車を降りました。

 お母さんは私を抱えたまますぐに走り出します。


 お父さんは?


 そう思ってお父さんを探します。

 お父さんは、ロバの馬車の所に居て、もう、ずっと遠くでした。

 今まで一度も聞いた事の無いお父さんの声が聞こえました。

 なんだかすごく怖くなりました。

 お父さんがその場で動かなくなって倒れちゃいました。

 お母さんはそのまま一度も止まらず私を抱えたままずっと走っています。


「お父さんは?」


 お母さんに聞きましたけど、お母さんは何も答えません。

 お母さんはすごく悲しそうな顔をしています。

 私まですごく悲しくなってきます。


 お母さんが変な声を上げました。

 そのまま私ごと地面に倒れました。

 すごく痛いです。


 お母さんを見ました。

 背中に矢が刺さっています。


「お母さん!」


 私はお母さんに駆け寄ります。


「逃げなさい!」


 今まで聞いた事の無い怖い声でした。

 こんな怖いお母さんは初めてです。

 遠くから盗賊の人達が走ってきます。

 お母さんも、盗賊の人達も、どちらも怖くて身体が動きません。


「お母さんもすぐに行くから、あの森の中に逃げなさい!」


 お母さんがすぐそばの森を示します。


「お、お母さん…」


 怖くてそう言うのが精一杯です。


「早く!」


 お母さんの声に私は、のろのろと森に向かいます。


「早く行きなさい!」


 さらに言われたお母さんの声に私は森に向かって走りました。

読んできださった方。ブックマークしてくださっている方。評価してくださっている方。

ありがとうございます。


誤字・脱字の報告。感想等お待ちしております。


1/21 サブタイトルの『ょぅじ゛ょ』→『ょぅし゛ょ』に変更いたしました。

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