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シア薬剤店  作者: レレナ
第2章
32/35

閑話 ょぅし゛ょ -セリ視点 1-

この話はシアに出会うまでのセリ視点となります。

2~3話で済ませる予定です。


非常に短いですが、1話の中で急激な場面切り替えや、日付の飛びというのは、できるだけ行いたくないのでこの短さです。

ご了承いただけると幸いです。

 がたごと、がたごと。

 ロバの馬車が揺れます。


 荷車の中には、お母さんとお父さんが作った木の細工物があります。


 お父さんは木の細工物を作る人です。

 お母さんはいつもお父さんのお手伝いをしています。


 たんすとか、小物入れとか、お守りとかです。

 家の扉の模様を彫ったりもします。


 お母さんは「サリ」お父さんは「セク」と言います。

 私と合わせて3人家族です。


 ロバにも名前があります。

 ビンです。

 変な名前です。

 お友達とか、近所の人達の中にもビンなんて変な名前の人はいません。

 鳴き声も変です。

「エッフ、エッフ」って感じでいつ聴いても可笑しくなっちゃいます。


 今日はお引越しです。

 今まで住んでいた街から別の街にお引越しです。

「最近、細工物が売れなくなってきたなぁ」

 最近のお父さんは、晩ご飯の時に良く口にしていました。


 しばらくしてから、お引越しする事が決まりました。


 別の街に行ってそこで細工物を売ろうって事みたいです。

 お友達のアミちゃんやリリちゃん。ヨキ君とお別れするのは悲しいけど、お母さんとお父さんと一緒じゃないのはもっと悲しいので仕方ありません。


 がたごと、がたごと。

 かたかた、かたかた。


 ロバの馬車が揺れるたび、お父さんが作ったお守りとか小物入れがぶつかって音が鳴ります。

 街の広場で聴いた吟遊詩人がいるみたいです。

 かたこと、かたこと。

 かちゃかちゃ、かちゃかちゃ。

 なんだか楽しくなります。

 耳がぴくぴく動きます。


 とっても楽しくなります。

 お父さんが作ってくれた木のネックレスを指で弾くと、かちゃかちゃと音が鳴ります。

 このネックレスは私の宝物です。

 お母さんが掘ってくれたバレッタもあります。

 これも宝物です。


 この2つを付けるとすごくステキです。

 お姫様になれるのです。


 お引越し先は別の街です。

 名前はよく知りません。

 私はラクアの町から出た事が無いので他の町を知りません。

 今日、初めて街の外に出ました。


 ずっと遠くまで一本の道が続いています。

 すごく遠くにある山まで続いていそうです。

 これから行く町はあの山を越えた先にあるみたいです。


 外は太陽がさんさんです。

 今日も暑くなりそうです。


 ロバの馬車の中にずっと座りっぱなしでそろそろお尻が痛くなってきました。


 がたごと、がたごと。

 かちゃかちゃ、かちゃかちゃ。


 ロバの馬車と木の細工物の音楽は楽しいけど、飽きてきちゃいました。


 お尻が痛くなってきたので寝そべりました。

 ごろごろ転がってみます。

 楽しくなってきました。


「危ないわよ?」


 一緒に荷車の中にいたお母さんに注意されちゃったけど、楽しいからやめません。

 でも、怒られちゃうのは嫌だから、転がるのはちょっとだけ控えます。


 ロバの馬車が止まりました。


「休憩にしよう」


 お父さんが御者台から降りました。

 私も荷車から飛び降ります。


 小川のほとりです。

 水面がきらきらしてキレイです。


 太陽はさんさん。

 今日はすごく暑くなりそうです。

読んできださった方。ブックマークしてくださっている方。評価してくださっている方。

ありがとうございます。


誤字・脱字の報告。感想等お待ちしております。


1/21 サブタイトルの『ょぅじ゛ょ』→『ょぅし゛ょ』に変更いたしました。

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