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シア薬剤店  作者: レレナ
第2章
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第24話 ょぅし゛ょ -セリ-

評価してくださった方、ブックマークしてくださった方、読んでくださった方。ありがとうございます。


さあ、ケモっ娘です! ケモ耳ょぅし゛ょの登場です!

かわいいは正義ですよね。


うーん…なんでしょう?

今回の話、すっごく書くのがはかどりました。

 きゃー。なにこれ、なにこれ、なにこれ。ちょ……やだー!


 わたしの胸の中に収まった小さな女の子にわたしは心の中で悲鳴を上げた。


 やばい。これはスゴクやばい。


 ふわっふわ! もっふもふ! ふにふにしててぽかぽかで。


 思わずぎゅっとしてしまいたくなるほど、やばかった。


 獣人ーー2足歩行して姿形は人間そっくりだけど、獣の顔だったり、人間の顔でも耳が獣だったり、しっぽがあったりーーと、普通の人間に獣の特徴が入っている人達の事で猫や虎、熊、犬とか種類は様々。


 全体的には亜人っていう部類になるらしいんだけど、亜人の中にはエルフとかドワーフとか、いわゆるファンタジーお馴染みの種族がいて、その中でも獣の特徴を持っているのが獣人と言われるみたい。


 レーンの街は新興の、しかも冒険者の街だから冒険者がすごくいっぱいいて亜人はもちろん獣人もいっぱいいる。


 ちなみに獣人はよく見るけど、エルフとかドワーフって見た事無い。数が少ないのかな?


 亜人の国っていうのもあるみたいで、今わたしがいるのは人間がいっぱいいる地域の中の国の一つでフォルディア王国って言うらしい。


 他の国とか、亜人の国とかと仲が良いのか悪いのかはよく知らない。そんな事知っても、わたしにどうしろってハナシ。そんな事よりもごはんが大事。


 おっと、そんな事よりも胸の中の獣人の女の子だけど、わたしにぎゅっと抱きついたまま。


 体温が高く、服越しにも女の子の暖かさが伝わって来る。心臓の鼓動がわたしにも分かる程早く、とくとくと伝わって来る。


「大丈夫?」


 安心させる為に、女の子の髪を後ろから優しくなでると、女の子はわたしの胸の中からわたしを見上げた。


 ぐっはーーー上目づかい。それは反則よ! しかも、涙の溜まったくりくりっとした大きな目で不安そうにわたしを見上げないで!


 やばい! これは、やばい!!


 やばすぎます!


 庇護欲誘いまくりです!


 姉性本能? 誘いまくりです!


 わたしには妹も弟もいない一人っ子だったから、妹がいたらこんなのだったのかな?


 しかもこの子、リスの獣人ですよ? 猫とか犬とか、見た目怖すぎる虎とか熊じゃなく、リスですよ?


 リスの獣人なんて初めて見た。


 ライトノベルやWeb小説でもちょっと記憶に無いなぁ…


 ちっちゃいけど、ぴんって立った耳はふわふわだし、髪の毛もふわっふわ。なにより太くて先端がくりんってなったしっぽがまた…彼女の背中に回したわたしの左手にしっぽが当たる度に、もふっもふって……あーもう! あーもう!


 わたしは今も昔も女だし、童女趣味(びょうき)は無いはずだけど、童女趣味(びょうき)が発症しないか心配になりそう…


 でも……かわいいは正義だね!


「わたしはシアよ…あなたのお名前は?」


 わたしは心の中の葛藤を表面には……こらえるのが難しくて頬がヒクつくのが分かりながら名前を尋ねた。


「…セリ」


「うん。セリちゃんか。こんな所でどうしたの? 迷子?」


 ぽつりと答えた女の子。名前はセリちゃんと言うみたい。わたしは怖がらせない様にことさら優しく、どうしたのか聞いた。


 セリちゃんは、ぷるぷる震えながらわたしにしがみついたまま。栗色と濃い茶色のマーブル模様の耳と尻尾がプルプル震えている。


 ゆっくりとセリちゃんの頭を撫でながら待っていると、ぽつりぽつりと答え始めた。


 舌足らずで、たどたどしい口調だったけど、根気よく聞いていくと、彼女の名前はやっぱりセリで、お父さんとお母さんが一緒だったみたい。山の向こうの街で暮らしていたらしいけど、こっちに引っ越ししようとしていたみたい。レーンに来るのは初めてだったらしく、来る途中、峠道を超えた所で盗賊に襲われて、両親は怪我をしながらもセリちゃんだけを森の中に逃がしたみたい。両親とはそれっきり会っていなく、必死に森の中を逃げれいるうちに迷子になり、その場でうずくまっていたらしい。


 わたしがセリちゃんを見つけた場所から、あと数メートルで森から出られたけど、セリちゃんにとっては、その、あと数メートルが分からなかったんだと思う。わたしだって森の中で迷子になったら、あと数メートルなんてわからない。


 レーンに親戚とかいるのか、聞いてみたけど分からないらしい。


 素人考えだけど、この異世界は安全じゃない。魔物もいるし、盗賊もいる。取締とか行っているだろうけど、日本とは比べ物にならないほど危険が多い。もちろん日本だって完全に安全じゃないと言っても、まがりなりにも法治国家で盗賊なんていないし、情報伝達も早い。無線にケータイ。メールだってある。通報があれば警察もすぐに駆け付けるし、その警察も優秀…らしい。


 この異世界で盗賊に襲われたら、情報伝達もほとんどなく、たぶんだけどセリちゃんの両親は…


 とは言え、こんなちっちゃな子にそんな事言えない。


「ここにいても危ないわ。暗くなる前に街に戻りましょう」


 わたしはセリちゃんを諭すと、立ち上がらせた。


 街に戻ってからどうしたらいいかは分からないけど、このまま置いていくわけにもいかない。


 この子は天涯孤独になったんだと思う。こんなちっちゃな子が1人で生きていけるわけがない。レーンの街にもスラム街があって、子供達も多いけど、皆んな、がりがりで生活状態も悪い。そこの子供達の顔もいつの間にか結構変わっている。つまり、そういう事だと思う。


 だからと言ってわたしにはどうしようもないし、わたしだって一人の生活で結構いっぱいいっぱいだ。


 けど、この子はわたしが引き取ろうと思う。このちっちゃな子1人くらいなら、生活を切り詰めてなんとか出来ると思う。


 それに、わたしにも生活に潤いが欲しい。


 あの、ふわふわともふもふは、川べりの露店如きと馬鹿にされるわたしの生活に潤いを与えてくれる。


 獣人の冒険者は見ていても楽しくない。直接触った事は無いけど、あれは絶対ふわふわのもふもふじゃない。あれは、ごわごわのざらざらだよ絶対。


 ………ひつじは?


 ひつじの獣人も見た事無いよね? ひつじは、ふわふわのもふもふなのかな?


 そんな事を考えながら、わたしはセリちゃんの手を引きながらレーンに向かった。

次回の投稿は11/3(月)を予定しています。

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