第18話 再依頼
評価してくださった方。ブックマークしてくださった方。読んでくださった方。
ありがとうございます!
ブックマークして下さる方、評価してくださる方がじわじわ増えるのは嬉しいですね。
ほかの作家の方に比べたら塵・芥でしょうけど、わたしには嬉しいことです。
夜が明けるちょっと前。
アパートの自室。自分のベットで目を覚ましたわたしは、んーと伸びをした後、ベットから起き上がる。
後から無理矢理付けられた感たっぷりの窓の隙間から、外の明かりが漏れてきている。
うん。いつもの時間。いつもの目覚めだ。
わたしは、こんな商売をしているから、朝は早い。外はまだ陽も出ていないけど、充分明るくなっている。こんな時間に目が覚める様に身体が慣れていた。
ベットから降り、軽く柔軟運動。
寝苦しくて無意識に剥いでいた毛布はベットの下の落ちている。それを拾ってたたむと、ベットの上に置く。
顔を洗う為にアパートの前にある井戸に向かった。
さほど深くない井戸には水がなみなみと満たされていて、元の世界では使った事はなく、異世界に来て初めて使ったつるべも、さほど重労働ではないのがありがたい。
つるべを引き上げて桶から水を自分のたらいに移し替える。
そのままそこで顔を軽く洗う。水が冷たくて気持ちいい。寝苦しかった気分がすっきりとする。
もう一度つるべからたらいに水を移し変えて、そのまま水を部屋に持っていく。寝汗に濡れた身体を拭く為だ。10歳くらいの身体とはいえ、外で脱ぐほど馬鹿じゃない。10歳くらいの身体のわたしにだって羞恥心くらいある。
部屋の中で、わたしは服を脱ぐと、持って来たたらいの水に手ぬぐいを浸すと軽く絞り、身体を拭いていく。首、両腕、脇の下、胸、お腹、背中、もも、足首、おしりと来て最後に股を拭う。
さっぱりとした後、外出用の服ーーと言っても、そう立派な物ではなく、単に部屋着と違うってだけだけど、外出用の服に着替える。外はもう、陽が昇っていた。
わたしは、ホタルクサの採集を再依頼する為に、またも冒険者協会に向かう事にした。
冒険者協会は24時間開いているので、別に何時に行ってもいいんだけど、めんどくさい事は早々に済ませようと、朝一番に向かう事にした。
結局昨日は冒険者協会から違約金を貰った後、いつもの川べりで露店を開いた。お昼を大きく過ぎてからの開店だった為、さほど売れなかった。売れたのは最下級の傷薬2個。銅貨で10枚。もう2、3個売れて欲しかったけど、昼を過ぎてからの開店で2個売れたのはラッキーだったと取るべきかな?
一昨日、昨日とまともに露天を開けていないな…今日も、今から冒険者協会に行くし…。
まったく、余計な事が多過ぎる。無くなった薬草の採取依頼で冒険者協会に行くのはいいよ? それは薬を作る上での必要な事だから。依頼を受けた冒険者が薬草に詳しくなくて同行を求めてくるのも、まあ良しとする。銅貨10数枚の採集の依頼料だけで、護衛付きで自分が採集に行くと考えれば安いものだし。でも、昨日の一件は完全に無駄骨だった。探しに行って見つかんなかったーーですらなく、出発すらしていないんだから。
ああ、何だか昨日の事を思い出すと、またむかむかしてきた。
おっと、いけないいけない。
(とりあえず、いつでも笑っておきなさい)
うん。とりえずいつでも笑うようにするよ。
グリアおばあちゃんの言葉を思い出して、わたしは頭をぶんぶんと降ると、むかむかを追い払った。
冒険者協会に入ると昨日と同じ様にロビー右側の申請コーナーに向かう。
申請コーナーには、一昨日わたしの依頼申請の代筆をしてくれたお姉さんがもう出勤していて、申請カウンターに座っていた。
「おはよう、シア」
わたしの姿を見るとお姉さんは挨拶してきた。
「ん…おはようございます」
わたしもぺこりとお辞儀をして挨拶を返す。
「依頼?」
「ん…依頼。失敗。昨日。依頼。同じ。出す。」
わたしの出した依頼が、昨日失敗されたのを、お姉さんは分かっていたのだろう。「ああ、昨日の…」と頷いた。
「依頼内容*昨日と同じ****?」
「内容。同じ」
わたしに依頼内容の確認を取ったお姉さんは、前と同じようにさらさらと書類の空白を埋めていった。
「はい。***報酬*、銅貨10枚***。**手数料*銅貨3枚******」
依頼内容が前と全く同じだから報酬も手数料も前と同じ。わたしは銅貨13枚をお姉さんに手渡した。
「***、すぐ掲示板に******」
お姉さんはわたしからお金を受け取るとそのまま立ち上がり、掲示板に向かった。どうやら前と全く同じ依頼だから最終確認とかの手間を飛ばしてすぐに掲示板に張り出すみたい。
再依頼も終わったし、このまま帰っていいんだけど、わたしは何の気無しにお姉さんが掲示板に張り出すのに付いていった。
「お。新しい依頼書**」
お姉さんが依頼書を張り出しているのを見て、一人の冒険者の女の人が近付いて来た。
「薬草採取…ホタルクサか…うーん…」
張り出されたわたしの依頼書を、真っ先に見た冒険者の女の人は何やら2、3つぶやく。
格好はフードなしのローブで小さな玉を組み込んだ杖を持っている。ローブに杖だから魔法使いだね。若い人で顔は柔和なカンジで……あら?
わたしはこの人に見覚えがあった。何日か前にわたしから最下級の傷薬を買ってくれた冒険者で、魔法使いっぽいお姉さんだ。値引きした人だから覚えている。
「**依頼を受ける*。で…***相談*****…」
魔法使いのお姉さんはそのまま、張り出し最中だった依頼コーナー受付のお姉さんに話しかけた。
次回の投稿は10/10を予定しています。




