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シア薬剤店  作者: レレナ
第1章
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第14話 冒険者協会 -依頼進捗確認-

評価してくださった方。ブックマークしてくださった方。読んでくださった方。


ありがとうございます!

 冒険者協会にホタルクサの採取を依頼した次の日。


 いつも通り、朝もやの立ち込める川べりに露店を開き、薬草の販売を行った。


 うん。今日もいい天気。


 朝もやで視界は悪いけど、あと数時間もすればもやもすっかり晴れてどんどん気温も上がるだろう。朝もやが出るのは、いい天気になる証拠。


 まだ朝も早いので観光客や街の人々が少なく、静かだ。人々の喧騒が無いから、朝もやの向こうの中央広場からは商人や露店準備の物音がここまで聞こえてくる。


 昨日、久しぶりに行った中央広場は活気があふれていて、とても賑やかだった。石畳の上を通り抜ける馬車。行き交う人々。宿屋や飲食店の呼び込みの声。直接見た事は無いけど、遠くから鍛冶師たちの金属を叩く音とかも聞こえていた。露店を見れば自分の商品を売り込み、それを値切る声。アクセサリーや日用雑貨。多くの食材や、露店内で調理し、そのまま食べられる物を売っている露店もある。そのまま購入し、歩きながら食べる人も多くいた。家族連れ、恋人同士、友人と連れ立ってのショッピングなど、人々の顔は笑顔にあふれて活気が活気を呼び込みとても賑々しかった。


 朝もやで視界が悪いし、もやが無くても距離がありすぎてここからじゃ中央広場はもともと見えない。だけど、もやの向こうから聞こえてくる商人や露店の準備の物音は、昨日の、活気に満ち溢れた光景が思い出される。


 ーーきゅる…


 露店で購入し、そのまま歩き食いをしていた人たちを思い出しておなかが小さな音を立てた。


 歩き食いなんて、いつからしていないだろう?


 元の世界ではクレープの歩き食いとか、友達とよくやっていたっけ。この異世界に来てからは…記憶に無いや。


 朝ごはんは食べたけど、おなかいっぱい食べたわけじゃない。手の平くらいの黒パン1個とコップ1杯のお水のみ。


 おなかすいたな…


 お母さんが用意して、わたしは普通に朝ご飯を食べていたけど、普通に朝ご飯が食べられるっていうのは大変な事だったとよくわかる。勝手にごはんが出てくるわけじゃないから自分で用意しなきゃいけないし、そのごはんも、自分でお金を稼がなきゃ食べられない。つくつく自分は色んなモノに守られていたんだなって、こっちに来てから思う。


 お母さん、心配…してるよね。


 家族。仲の良かった友人。クラスメイト。元の世界が凄く懐かしく思い出される。


 気分だ段々ブルーになって来たのを自覚して、頭をぷるぷると振り、ぺちんと頬を叩く。


 家族も、友達もここにはいない。いないものはしょうがない! まずは今日のごはん代!


 無理やり自分を納得させてテンションを上げる。


 さあ、販売開始!






 可も無く、不可も無く。


 午前中は最低ランクの傷薬が2個売れて終わり。締めて銅貨10枚の売り上げ。


 わたしは午前中で一旦露店を閉め、薬や店名の書かれた木切れをデイバックの中に仕舞う。


 戻った時にこの場所が別の人に取られていても別にいい。1日の場所代を買い取る事により露店を開く場所が決まっていて、その権利が保障されている中央広場とかとは違って、川べりにはそういった場所代も無ければ権利も無いので、早い者勝ち。まあ、川べりなんてどこも一緒だから場所が取られていたら、他に移ればいい。


 わたしは中央広場に向かった。中央広場の冒険者協会。


 昨日のホタルクサの採集依頼が完了したか確認に行く為だ。


 わたしの住んでいる場所を連絡先として伝えているけど、あれは何かあった時の為の連絡先であって、別に冒険者協会から「依頼が完了しましたよ」とかって、連絡が来るわけじゃない。自分で確認に行かなきゃいけないし、依頼品のホタルクサも冒険者協会での受け取りを伝えてあるし。


 相変わらず凄い活気の中央広場。わたしはその端っこを歩く。


 中央広場の真ん中とかを突っ切ったりはしない。冒険者が多いこの街、絡まれたらヤだ。言葉も通じないから会話にならないし。


 わたしが露店を出している川べりは、中央広場に露店を出すお金すら無いような人たちが集まっているので、その客層もそれなりで、強い冒険者たちは来ない。新人や、冒険者に向いていないような人たちが多く、お金もあまり持っていない。強く、お金を持っている冒険者は中央広場に多く集まり、その多くは荒くれ者が多い。


 冒険者協会の扉をくぐった。街中や広場では怖い冒険者も、この冒険者協会の中じゃ大人しいから一安心。


 今回はわたしが出した薬草採取の依頼の進捗状況の確認なので、ロビー中央の総合カウンターに向かう。


 総合カウンターの、依頼を出した時に対応してくれた人とは違う受付のお姉さんに、私が出した依頼の整理番号を言って尋ねる。


「薬草。集まった? 質問」


 わたしの言葉が、あまりきちんと伝わってないみたい。受付のお姉さんがわたしの言葉に一瞬怪訝そうな顔をしたけど、整理番号で進捗状況の確認に来たのだと分かったみたいで頷くと、カウンターから出てきてわたしの手をつかむ。


「こちら****」


 なんだろうか? お姉さんはわたしの手を引き、ロビー隅にある雑談コーナーに案内した。


 案内されたテーブルには4人の冒険者がいた。


 なんだろう?


 今回のわたしの依頼をしてくれた冒険者たちかな?


 状況がよくわからない。冒険者協会では何度か薬草採取の依頼を出した事はあるけど、採取された薬草は冒険者協会が預かり、あとでわたしに引き渡されるのが普通。今までだって、冒険者から直接薬草を受け取った事は無い。


 わたしに椅子を勧めると受付のお姉さんは冒険者たちを指し示し、わたしに何かを言う。続いてわたしを指し示し冒険者たちに何かを言う。


 たぶん互いの紹介をしたんだと思うけど、紹介にしては言葉が多かったから他にも何か言っていたんだと思う。


 言葉が分からないから状況が分からないわたしをしり目に、受付のお姉さんはカウンターに戻って行った。


 途端に不安になる。


 目の前の冒険者は4人。男の人2人に女の人2人。


 一体、何?

次回の投稿は9/24(水)を予定しております。

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