第13話 冒険者協会 -薬草採取依頼-
投稿にちょっと間が空いてしまいました。
読んでくださっている方、申し訳ございません。
評価してくださった方。ブックマークしてくださった方。ありがとうございます。
評価ポイントがじわじわ増えていくのを見るのはとてもうれしいです。
設定上、シアは他人とのコミュニケーションが難しい状況です。
自分で決めた設定ですが、物語を進めるのに、他人とも会話がうまく成立できないのはイタイです。文才が無いので難しいです…
冒険者協会。それはレーンの街、その中央広場に面した一角にその建物はある。
冒険者協会だけじゃない。商業組合もあるし、街の治安を管轄する兵士たちの詰所本部もあるし、市役所的な施設もある。中央広場はレーンの街の行政区画と同時に各種組合や協会が集中している区画であり、各種大型店舗や露店がひしめき、街の人々の生活の中心地でもあるので活気が凄い。
わたしは中央広場の一角にある冒険者協会に行った。
中央広場の石畳から2段ほど高く作ってあり、石畳と同じ石で出来た階段を上って建物に入る造り。2階建ての建物で外壁は周囲の他の建物と同じ煉瓦造り。ただ、他の建物よりかなり立派に作ってあるのが素人目のわたしにも解るくらい立派だ。しっかりとした窓枠にガラスがはめ込まれているのも立派な建物に見えている要因かもしれない。
ただ、ガラスの窓はわたしの住んでいる安アパートはともかく、普通の一般家庭でも使われておらず、公共施設のごく一部や、大型商会の建物に使われているけど、中堅の商家には使われていない事から、窓ガラスはあっても高級品で一般家庭はもとより中堅商家でも手が出せないほど高いって事だと思う。
大型で両開きの扉をくぐり、冒険者協会の中に入る。
この扉には右側の扉に狼、左側の扉に虎が浮かし彫りにされていて見た目にちょっと怖い。
ちなみに日中はこの扉、基本的に開けっ放しにされている。理由はわかんないけど、まあ、人の出入りが凄いから多分いちいち開閉しない様に開けっ放しにしているんだと思う。
扉をくぐると、中央ロビーがあり、窓からは外の明かりが取り入れられていてロビー内は明るい。施設内は荒くれ者の多い冒険者がほとんどだし、ダンジョンや魔物の討伐から戻り直接ここに来る冒険者が多いので、お世辞にも清潔な施設とは言えないけど、漫画や小説とかによくある冒険者協会、冒険者ギルド、冒険者組合…そういった類似施設によくあるイメージとは程遠い。
綺麗か汚いかで言えば『綺麗』。一般人にも使用がしやすいか、しにくいかで言えば『しやすい』。
お酒が飲みたければ酒場に行けってことで、酒場も併設していないし、街中では結構暴れる事の多い冒険者も冒険者協会の施設内ではケッコウ大人しい。
わたしみたいな子供が入ってきても、「ここはガキの来る所じゃねぇ」なんて事も無いし、酔っ払った冒険者に絡まれる事も無い。そういったガラが悪かったり、酔っ払った冒険者もいない事は無いけど、そういった手合いは周りの職員や協会を利用している冒険者が抑えるから、ある意味ヘタに街中にいるよりは治安が良いんじゃないかな?
左右の壁際に依頼の掲示板があって依頼の内容が各種内容によって分類されて張り出されている。魔物の討伐依頼から薬草採取、農作業の手伝い、庭の草むしりなんてのもある。冒険者っていうのはダンジョン探索や魔物退治がメインだけど、それ以外にも基本的にいろいろやってくれるので結構いろんな依頼がある。
正面に長いカウンターがあって5人の協会職員が冒険者に依頼の対応をしている。ここでは依頼の終了報告や内容確認、各種相談などを行う。
左側は買い取りコーナー。ここは依頼とは直接関係の無い、魔物の皮とか角とかそう言ったモノを買い取るコーナー。依頼とは関係の無い薬草なんかもここで買い取られる。ちなみに買取なんかはここじゃなくても、商家や個人でも行われているけど値段はまちまち。ただ、売買上のトラブルとかの処理も冒険者協会はしっかりしているらしく、買取に関しては冒険者や一般人は冒険者協会を利用する人が多い。商業組合でも買取は行っているけど、こっちは商人がメイン。商業組合は加入している商人にはサービスや情報の共有が凄いので商人はまず商業組合に行く。わたしも加入している。
右側は依頼の申請コーナー。ここで専門の用紙に依頼内容や謝礼などを記入して提出する。
わたしは下痢止め薬の材料である薬草の依頼をするため、申請コーナーに向かった。
申請コーナーの手前には申請用紙が置かれたテーブルがありここで用紙に記入する。これを協会職員が後で清書して張り出すのだ。協会職員が清書して張り出すという手順を踏むのは変な依頼が無いか、依頼内容と謝礼が釣り合っているかなどの確認の為っていうのもあるけど、実際の目的は字が汚すぎる人がいるからだ。そんな依頼申請書をそのまま掲示板に張り出せないし読め無い依頼書をいちいち協会職員が解読してあげる、もしくは依頼人に後から確認する手間を省く為らしい。多少回り道になるけど、その方が後々面倒が無くていいらしい。
確かにね。と、思う。
元の世界での中学校でも読めないほど汚い字を書く人は結構いる。走り書きや崩した字がカッコイイと思っているのか、特に男子の字は汚くて読めない人が多い。書いた直後は書いた内容を覚えているから読めるだろうけど、1年くらいしてソレを見た時、自分で読めるのか不思議だ。
わたしは用紙だけ取って、内容を記入せずに申請コーナーに向かう。
二人ほど順番待ちをしてわたしの番になる。
「いらっしゃいませ。****お嬢ちゃん」
「書けない。字。書いて」
笑顔で挨拶してきた受付のお姉さんに、字が書けない事を伝え、未記入の申請用紙をカウンターの上に置く。わたしの身長ではカウンターが高く頭以上の高さなので、背伸びしながらになる。
この異世界では識字率は高くなく、字の読み書きが出来ない人は結構いるので問題は無い。申請コーナーでも代わりに書いてもらう人は多い。
「***、****書いて***。****おいで」
受付のお姉さんがカウンターから出てきて、わたしを机の所に案内する。
カウンターで直接描いてもらうのが普通なんだけど、どうやらわたしの身長が低いので立ったまま会話するカウンターでは無理だと判断されたのか、椅子のある机に案内された。
対面で机に着き、まず、わたしが書ける所を記入する。わたしが書ける所は自分の名前と依頼内容の一部。名前欄に『シア』依頼内容欄に『薬草』それだけ。
依頼内容欄には本当は薬草採取と記入したいけど、『採取』と言う字が分からない。
私はそこまで記入すると受付のお姉さんに用紙を渡す。
「はい、ありがとうございます。シアさん***。…あら、依頼内容*薬草だけ**わからない**。*******、*****? 薬草採取***?」
手渡された用紙を見ながらお姉さんは私に質問してくる。
「依頼。薬草採取。ホタルクサ。必要。花。10個」
「はい、ホタルクサの薬草採取***、花*****10個*」
わたしの答えを聞きながら、さらさらと用紙に記入していくお姉さん。
「受け取る***どこ*****?」
「受け取る。ここ」
「はい。受け取*****冒険者協会*。*********連絡****どこ***?」
依頼が達成した時や、何かあった時の連絡場所を聞かれているんだと思う。聞き取れない、解らない言葉が多いけど、何度か冒険者協会で依頼はした事があるので、何と無く尋ねられている事が分かってきてはいる。初めの頃はスゴイ苦労した。
わたしの住んでいる場所が書かれた用紙を手渡す。
言葉では説明できないので、住所が書かれた用紙だ。本当は住んでいる場所も教えたくは無い。前に違う町で部屋を荒らされた事がよみがえるから。
でも、依頼する以上仕方ないので教える。
「報酬*、******?」
報酬を尋ねられたと思うので、わたしはデイバックの中から財布用の小さなの巾着を取り出し、中から銅貨を5枚を机の上にことりと置いた。
報酬は依頼人が決めて良いけど、安すぎるとだれも依頼を受けてくれないし、高いと無駄な出費になる。バランスが難しい。
ちなみに元の世界から持ってきたデイバックの中には財布も入っていたけど、もう使っていない。こちらの異世界ではお札が無くて貨幣しかないので、元々の財布じゃすぐにいっぱいになる。だからこっちでは巾着袋を財布として使っている。
「報酬*、銅貨10枚***。**手数料*銅貨3枚******」
続いてわたしは銅貨3枚を机の上に出す。
冒険者協会を利用する手数料だ。手数料は報酬の半分が相場みたい。依頼内容や報酬金額が高くなると、また違うんだろうけど、薬草採取とかの依頼ではこんなモノみたい。
「はい、ありがとうございます。*****、***********」
必要事項もすべて記入してもらい、報酬と手数料も払い終わったのでこれで終了。
お姉さんが席を立つのを見て、わたしも席を立つ。
「ありがとうございました」
受付のお姉さんがにこやかにあいさつする。
依頼はこれで終了。わたしはぺこりとお辞儀して冒険者協会を後にした。
次回の投稿は9/20(土)を予定しています。
2日~1週間に一度の予定で投稿していきたいと思います。
状況によっては不定期で投稿が早まったりもすると思います。




