最終ライン
⚪︎ジョー視点
貧乏くじを引いちまったか、これは?
思わず舌打ちが漏れる。今回はよくあるタイプの依頼だったから大丈夫だろうとタカを括っていたのだが、結果がこれだ。俺は手にした銃で迫る敵を撃ち抜いていく。輪入道が高速回転でこちらへ突っ込んでくるのを大袈裟に回避し、吐き出された火炎も何とかかわした。前線の三人が強敵に張り付いている分、溢れた雑魚がこっちの防衛ラインに押し寄せてきているのだ。
「喫煙者の俺にそんな体力あるわけないだろ!! 自重しろよちくしょう!」
思わず叫ぶ。攻撃スタイル自体が遠距離戦寄りなうえ、重度の喫煙者。編集長と研究者という二足の草鞋は、壊滅的な生活サイクルを生み出していた。
「ジョーさん、タバコやめればいいっしょ!」
「それは妖怪にやられる前に俺が死ぬ!!」
俺の叫びに軽快に突っ込んでくるのは、隣で敵の攻撃をかわしながら奮闘する鈴々莉だ。彼女は宙に墨で模様を描き、応戦している。時に矢印を描いて敵を射抜き、時に四角を描いて敵の攻撃を受け止める。
やはり、離脱したのが涼だったのが痛かった。涼がいれば骸骨のコントロールを奪えるし、倒した輪入道もそのままこちらの戦力として操れたはずだ。物量戦ではネクロマンサーの涼が一番頼りになる。
「何とか耐えるぞ、鈴々莉」
「もちろん。涼さんたちには手を出させないよ!」
俺たちの背後には、まだ素人の矢木、純粋な戦闘力が低い映子、そして傷を負った涼がいる。
「十一!! とっとと倒せ!! こっちも長くは持たないよ!!」
鈴々莉が前線で奮闘する十一に向かって大声で発破をかける。遠距離攻撃を担当する俺たち二人は、必死の覚悟で最終ラインを維持するのだった。




