N マーゴについて
無いからこそ良い。そんなものもあるでしょう。
CEA6課本部、会議室
「紹介しよう。彼女が6課の最古参メンバーの1人。頼れる先輩、神崎紅葉さんだ」
紅牙は、部屋に入ってきた紅葉を紹介する。
「どうもよろしく、新人くん」
「はい、よろしくお願いします。神崎さん」
照屋の発言に、チッチッチと指を振る紅葉。
「その呼び方じゃあないな、紅葉先輩と呼んでほしいな」
「わ、わかりました。紅葉先輩」
「それでいい」
対面してまだ1分も経っていないが、照屋はかなりのインパクトを受けた。
「ところで紅牙、どこまで話したの?」
「マーゴについてはほぼ全く。昔話を少しだけです」
「なるほどね。わかった」
頷いた紅葉が椅子に座り、照屋の方を向く。
「早速だけど、対反の仕事について言うわ。内容は1つだけ。民間人に危害を加える反社を、ぶっ潰す。それだけよ」
だいぶざっくりした説明である。しかし照屋は、その説明に違和感を感じた。
「あの、危害を加える反社ってとこなんですけど、目標はマーゴの壊滅じゃないんですか?」
紅牙はこう言っていたはずと、照屋は思い出しながら紅葉に尋ねた。
「最終的にはそうよ。ただ、現実ってのがあってね。これを見てほしいの」
そう言って紅葉は、部屋の隅にある会議資料と書かれた引き出しから、一つの資料を取り出し、机に広げた。
「これは、過去20年間の反社会勢力による、民間人への被害件数のグラフよ」
グラフの数字は、20年前から10年前まではたいして変わっていない。しかし10年前からは、一気に数字が減っていた。
「どうしてこうなったんですか?」
「マーゴができたのは11年前。そして一年で日本の裏社会を完璧に手に入れた。それまで好き勝手やってた色々な組織も完全に手中に収めてね」
「じゃあ、マーゴが他組織の活動の、抑止力になっているってことですか?」
紅牙と紅葉が渋い顔をする。そして紅葉は静かに頷く。
「そうなっているとしか言えない状況ね」
「認めたくないものだが正直、今マーゴが無くなったら、俺たちだけで対処するのはほぼ無理だ」
「だからといってマーゴを野放しにはできないの。奴らはそこら辺のチンピラ集団とは訳が違うの」
「と言うとどんな?」
「このグラフはあくまでも、発見された件数っていうこと。実は10年前から、行方不明者の数は少しずつ増加しているの。行方不明者は、ほぼ全員マーゴと何らかの関係を持った上で失踪している」
「それは本当ですか!?」
「ええそうよ。ただ、マーゴの犯行という証拠は見つかっていない。1つもね。だから、よりタチが悪いのよ。ただ、仕事の一つ一つは小さい事件が多いわね。裏取引とか。あとは、逸れものの始末ね。例えば天龍会の残党とか」
「なるほど。危険そうな感じですね」
「安心して。任務の時は複数人行動が義務だから。私たちの誰かと一緒よ」
それを聞いて、照屋はほっとした。紅牙のような人たちがそばにいるなら安心だ。
「ただ、マーゴ関連で絶対にコイツだけは覚えておいて」
そう言って、紅葉は1枚の写真を取り出した。監視カメラの映像を切り取ったのだろうか。画質は少し荒いが、そこにはコートと帽子を被った、1人の男が立っていた。
「これは誰ですか?」
「コイツを見つけたら、する事は2つ。必ず6課の他メンバーに報告する事。そして、誰と居たとしても、絶対に逃げる事。これが最優先よ」
この発言には、紅牙までもが同調している。いったい、この2人にここまで言わしめるこの人物の正体とは?
続く
指スマ一回戦後にて
照屋「弱すぎません?」
紅牙「むー。今日は運がない」
照屋「そういえば、不機嫌になるとめんどくさいってどんな?」
紅牙「見た目をいじるのは地雷だ。された瞬間ヒスる。あと、あるバンドの限界オタクだ」
照屋「うわー」
紅葉はこんなに言われていることを知らない。
大は小をかねない。
追記 誤字修正しました。




