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離人症かと思ってたら神でした〜元人間はもふもふ達と天界で怠惰を謳歌したい〜  作者: 瑠璃玉ねむ
【第1章】天界チュートリアル

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第9話:古参神々との初対面

私は今、大きな壁にぶち当たっている。




初対面の神同士って、どうやって挨拶するんだろう…



名刺はないし…握手…?

ハグ…チークキス…はさすがにないよな…



菓子折りもないや。



あ、眷属の誰かが紹介してくれる的な…?


私の方が下位だろうしこっちから声をかけるのは失礼って、悪役令嬢ものの漫画で読んだ気がするぞ



ど、どうしようか…




「ねぇ!その神獣たちどうしたの!?

わ!リクガメと魚までいる!すごいすごい!!

まだこっちきたばっかなんでしょ?どうやって作ったの?」



近い近い近い

顔面が近い



水の神がぐいぐい来た。


スイの方に、どうにかしてくれお前の主だろう、という視線を送ると、うなずいてくれた。



主様(ぬしさま)、聞いてください。


なんと、リクガメのおかき様は、広範囲に強力な結界を張ることができます。


あと、足元にいるコリドラスたちですが、あのお髭で、もしょもしょされるのが最高です。


それにあそこにおわす白い猫、ムーン様には猫パンチをいただきました」



「お、おまえ…!なんで抜け駆けするんだよ!」



スイはしっかり紹介しましたと言わんばかりにドヤ顔を向けてきた。



スイ、違うよ?

全然違う




水神様とスイは、地神様に首根っこを掴まれて仲良く引きずられて行った。



風神様が言う。

「ごめんなさいね、あなたもまだ混乱してるでしょうに…まさかに極刑に処されていたとは…」



炎神様も続く。

「通りで見つからなかったわけだ。

でも時々、この天界でも怠惰の神力を感じることがあったんだが、あれはなんだったんだろうな」




神々に挨拶とかないらしい。

ここの常識がわからん!もういい!



「なんかもう本題に入ると、ノウナシ…あの規律の神の眷属があまりに使えないので、クビにしましょう。

私を極刑にした責任を取る気もなさそうですし。


人事権って誰にあるんですか?」




地神様がこちらに歩いて近づきながら、

「特に人事権は誰にもない。ただ、魂を正しく扱い、秩序を乱さないために規律の神の眷属がずっと仕切っていた」と説明してくれた。


後ろから水神様とスイが、揃って両手で口を押さえながら付いてきている。



お口にチャック的な…?



「じゃあ規律の神に許可を取れば良いですか?」


炎神様が答える。


「まぁそうなるな。だが、解任して、その後どうする気だ?」



「え?100年間、私と同じ世界線で修行してきたら良いんじゃないですか?


人間が、どれだけ自分よりも有能かを思い知ってたらいい。自分の正しさを主張するなら出直して来いとしか思えない。


同じ部署に同じ人間がトップに居続けることは、時に腐敗を生みます。今回のように。


後任は私が眷属を作ればいいんじゃないですか?規律云々の力が必要なら、眷属2名体制にしましょう」



眷属の作り方なんか知らんけど。




「で、規律の神はどうやって呼び出すんですか?

まさか規律の神だけに事前にアポを取れとか言いませんよね?」



淡々と捲し立てる私に、4柱が「お、おぉ…」とドン引きしている。




「わ!わかったわ!ちょっと待ってて!」


風神様がブワッと風と共に消えた。




やっぱり神は転移が使える…?



まぁいいや。

あー疲れちゃった。



「凪ぃ、これ食べて良いぃ?」



振り返ると、おかきがさっき私が食べた果物を見ていた。


「んー食べられそう?ぶどうならたまに食べてたけど…それはリクガメが食べていいものかわからな…」



言い終わる前に食べ始めちゃった…

そう言うとこは速いんだから。



と思っていると、ついにお口にチャックが開いてしまった。



「すごい!会話ができるの!?『凪』って人間時代の名前!?」


「えっ!?主様には神獣様の声が聞こえるの!?ずるい!!」




この水神コンビ見ていて飽きないな。



どうやら神々には、この子達の念話?が聞こえるようだ。



眷属から聞いた話と時折感じた怠惰の神力、そこから察するに、前から神獣たちは天界にいたのではないか、と炎神様が仮説を立てている。


ただ、こんなに大きな神獣がたくさんいて、流石に誰も気づかなかった、ということはないのでは?とダイチたちも混ざって議論している。




あーだこーだ言ってないで、直接聞けばいいのに。



「きなこー!ちょっとこっちきてー!」


「んー?」と言いながらきなこが走ってきた。



そこにまた突風が吹いた。




ぷちっ



あっ



規律の神との初対面は、きなこに踏まれた後頭部だった。




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