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人生ってこんなもん?他人事な百年終えたら、最強神だったと判明しました〜お疲れ元人間はかつて愛したもふもふと怠惰を謳歌したい〜  作者: 瑠璃玉ねむ
【第5章】領地運営始めました

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第83話:完済まで伺います

「この手巾、孤児のみなさんにお配りするということで、ほぼ原価でお譲りしたものでしたわね?

 どうして高級品として、店頭に並んでいるのかしら?『懇意』の仲ですもの、教えてくださるわよね」


 リーさんの笑顔には迫力があるが、それよりもその背後から思い切り唸って威嚇しているヴァルトの顔面が怖い。


「ハクちゃん、この人たちの支払済額は?」


「仕入れ額すらまともでなく、帳簿もないようですし、まともに計算する意味がありません。730億を徴収するのが良いのでは?」


「だってさ。ほら、早く払って」


 オーナーは俯き、手をわなわな震わせて黙っている。


「……ゃない…」


「え?なんて?」


「そんな額払えるわけないじゃない!」


 顔を上げてそう叫ぶオーナーの顔は真っ赤だった。怒りたいのはあんたらでなくて、他の住民である。


「払えないの?じゃあ、その指にゴロゴロついているものも、売り払わないとね?こないだ着けてたやつよりも高価そうだね?他にもあるよね?

 家のもの、ぜーんぶ売り払ったら払える?」


 私の問いにもオーナーは黙っている。


「それでも払えないの?じゃあ、遅れた分だけ利息をつけて払ってもらうしかないね。

 しょうがないからこの土地と商品、あなたたちの全財産、ぜーんぶもらって、30億リーフ分はチャラにしてあげるよ。残りの700億は利息つけて、働いてちゃんと払ってね」


 端数って計算しづらいしね。


 そこからは早かった。ハクちゃんが利息を決め、フク君が何年遅れればいくら膨れ上がるというのを、延々と聞かせていた。

 途中、自己破産するという声が聞こえたが、天界にそんな制度はないとハクちゃんが切り捨てていた。そんなことまであらかじめ調べていたのか。

 もはや末代までの祟りである。


「ドン、ハクちゃんがやりすぎないように見張っててね」


「そのために来たからな」


 あっちは任せるとして…この店頭の商品たちはどうしよう…

 本来の仕入れ元に適正価格を払うべきだよなぁ。でも仕入れ元や仕入れ額がわからないものもありそうだ…


 何気なくリーさんが縫ったというハンカチを手に取る。丁寧に刺繍されている。その隣に置いてあるブラシも、一つ一つ手作りなのだろう、少しずつ持ち手の形や太さが違う。


 うーん…どうしたものか…


「怠惰様、私の手巾は元のお約束通り貧しい方にお配りください」


 顔に出ていたのか、リーさんが声をかけてくれた。


「だめだよ。こんなに綺麗にきちんと作ってあるんだから、その分の報酬はちゃんともらわないと」


 リーさんは首を横に振った。


「私は、後宮にいた頃は皇后様に素敵なものをたくさん下賜して頂き、こちらに来てからはヴァルにたくさんもらいました。

 だから私も誰かに何かをしたくて、孤児たちに配るということで請け負った仕事です。本来の目的が果たされるのですから問題ございません」


 誰かにもらった善意を、他の誰かに———

 そうやって善意は渡っていくのか。考えたこともなかった。

 私はやっぱり外側の人間だったんだな。今更そんなことを改めて思い知っても意味がないけれど。


「じゃあこのハンカチたちは一旦リーさんに返すから、自分の手で渡してあげてよ」


 そう言うと、リーさんは笑顔で受け取った。ヴァルトは今も不機嫌だが、それは犯人に向けてもろて…


 とはいえ、リーさんはそれで良くても、きちんと対価で支払って欲しいという人もいるはずだ。

 取引の証明ができるものでも持ってきてくれたら差額分を払うか、返品しようと決めた。

 集会の時に説明し忘れないようにしないと。だめだ、メモがない。


「ギルマス!ちょっと!ここの商品なんだけど…」


 私は一通り商品の扱いについて説明した。あとは任せましたよ。


 そして一旦商品はギルドに運ぶことにした。何せここはビアホールにせねばならない!



「毎月、私が徴収に伺います。今までのようにごまかせると思わないことですね」


 あちらも締めに入っているようだ。ハクちゃんがとりあえず今身につけてるメリケンサックの様な宝石類などを回収している。

 

 あ、このギャラリーたちをどうにかせねば…


「えー、みなさん、お聞きの通り、この人たちはきっちりこらしめて、お金も全て回収して住民エリアに還元すると約束します。

 あ!私刑はやめてくださいね。それは許しません。何かこの人たちに裁きを下したいときは、このギルマスを一度通してください。

 じゃあ解散!おさわがせしましたー」


 ほれほれ、と手を振って人々を追い払う。


「俺を通すってどういうことです…?」


 だって、いちいち住民の揉め事で、私出向きたくないもん!家にも来てほしくないもん!


読んでいただきありがとうございます!

メモ帳代わりになり、窓口にもなるギルマスがんばれ!


もし『このキャラ好き』『この場面笑った』みたいなものがあればぜひ教えてください。

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