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人生ってこんなもん?他人事な百年終えたら、最強神だったと判明しました〜お疲れ元人間はかつて愛したもふもふと怠惰を謳歌したい〜  作者: 瑠璃玉ねむ
【第5章】領地運営始めました

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第77話:ギルドの役割

「えー、狼さんの私が呼んでいいお名前は?」


「ヴァルトだ」


「あー!それは覚えやすい!助かる!」


 彼の名前は『黒い(シュヴァルツ)森(ヴァルト)』から来ているのだろう。私はその土地に馴染みがある。

 黒い狼で黒い森、覚えやすい。黒い森に黒い狼がいるのかは知らないが。


「正直、ギルトハルトだかギルハイトだか、リンリーだかリーリンだか、全然名前が覚えられなくてさぁ。昔から苦手なんだよね。1回間違えて覚えると直せないし。

 リーさんならセーフ?」


 うーん?とヴァルトが視線を上にして悩む。こういう仕草は人間と一緒なんだな。まぁ自分の群れの一員だもんなぁ。そりゃ目の届かないところで勝手な仲間関係を作られていたら嫌だろう。


「ヴァルトさんは嫉妬深いんですねぇ。愛されてますねぇ」

 咲さんはニヤニヤが止まらない。


「ふふふ、何だかおもはゆいですわね。ヴァル、神様がわざわざあなたに配慮して許可までもらおうとしてくださっているのよ。ダメなんて言わないわよね?」


「わかった」


ほー!この人は本当に場の仕切りがうまい。私の面子を立てつつ、ヴァルトの了承ももぎ取った。

 とりあえず、隣で悶えている咲さんは放っておこう。


「えっと、じゃあまず改めてなんだけど、ギルマスかヴァルトにはどちらかがいつもいるようにしてほしい。

 最初の仕事を説明したいんだけど、他のメンバーの人たちも集めてもらえる?」


 私がそう言うと、ヴァルトが外に向かって遠吠えした。するとメンバーが即座に興奮気味に走って来た。


「あの高圧洗浄機、超楽しいっすよ!風呂掃除が終わったから近所の家の外壁まで綺麗にしちゃった!」


 これは、もう何台かあれば、この住民エリアも商業エリアの壁も道も掃除してくれる人が多そうだな…用意しておこう。

 長年染みついたトイレがなかったことによる臭いやら汚れをどうにかできるかもしれない。


「全員集まりましたよ?」

 考え込む私にギルマスが声をかけてくれた。


「あ、そうだ。ありがとう。

 最初の仕事なんだけど、住民台帳を作りたいんだよね。どういう種族が、どこに何人で住んでいるのか、何の仕事をしているのか、把握しておきたい。

 あと、このエリアの住民である者と他のエリアの者を区別できるようにしておきたいんだ」


「それは統治の基本ですものね」

「どういうことだ?群れのメンツを把握しておくのはわかるが、そこまで細かい情報がいるか?」


 いつの間にか、それとなくリーさんの隣にくっついて座っているヴァルトが聞く。


「私も天界に来てから日が浅いから分かってないことが多いってのもあるんだろうけど…

 例えば不作、疫病、火災、そういう時に住民の規模やどこに誰が、っていうのがわからなければ支援しにくい。

 現に今、私たちは炊き出しをしているけれど、どれくらい作ればいいのか?何か食べられないものがある獣人がいるのか?そもそもこの人はこのエリアの人間なのか?

 そういうことがわからないままやってる。一応今は私の人間時代の知識で人間用とそれ以外で作ってはいるし、もう今はそれどころじゃないから、どこの誰かわからなくても分け隔てなく振る舞ってはいるけどね」


 私がそう言うと、リザードマンが確かに、と頷いてくれた。

 トカゲ系は肉食、昆虫食、小松菜とかも合わせて食べるものもいたはずだ。思い当たることが多いのだろう。


「それで、それは具体的にどうやってやるんです?ギルドマスターと言われる以上、詳しく把握しておかないとまずいですよね?」


 やはりギルマスは責任感が強い。


「そうだね、仕組みくらいは把握しておいてほしい。

 今度、全員を集めてもらうでしょ?その時に、全員にこのギルドに来て登録をしてもらう。

 データはこのパソコンっていうのに打ち込んでいくから、それはおいおい使い方を教えるよ。

 で、登録が済んだら証明書か何か渡す。それを持っていない人には今後、炊き出しとかの配給は与えないし、大衆浴場の使用も禁止する。

 つまり、それを持っていないやつがいたら部外者ってことだから、不審者がいたらわかりやすいでしょ?」

 

 ふむふむ、とみんな静かに聞いてくれた。ありがたい。


 どうして私がこんなにまともに統治しようとしてるかって?

 それはしっかりした制度を作って彼らだけで回せるようになったら、心置きなく丸投げできるからさっ!


「住むところはどうするのですか?」


 パーティメンバーの人間の1人が聞いてくれたが、この人の名前も聞いても覚えられないよなぁ…いっそ聞かないでおこう。潔さが大事だ。


「住むところは、芸術の神と区画整理から始めてもらって、順次建物を作ったり修復するからおいおいだね。

 あ、君たちは先に好きなところを選んでいいよ。

 これまでの功績とこれからのことを考えたらそれくらいの特権を得る権利があるか…」 


 ちょっと!?ヴァルトとリーさん!?話聞いてる!?今ここで新居決めようとしないで!?ふたりの世界に入ってキャッキャしないで!


読んでくださりありがとうございます!

一瞬凪がまともな統治者に見えたけど、丸投げするための初期投資でしたね。

もし『ここが好き』『この場面笑った』みたいなのがあれば教えてください!

ブックマークしておくと更新通知が届くので、続きが気になってくれた方はぜひ。

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