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人生ってこんなもん?他人事な百年終えたら、最強神だったと判明しました〜お疲れ元人間はかつて愛したもふもふと怠惰を謳歌したい〜  作者: 瑠璃玉ねむ
【第5章】領地運営始めました

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第71話:破壊神じゃないよ…

 「しらたまー。ちょっと水神様かスイ呼んできてほしい」


 私は紙に『全員集合』と書いてしらたまに渡す。

 はむっと咥えて、御神木の湖に飛んで行った。

 「おもちとだいふくは、この辺の人たちに、ご飯食べれるよって空から知らせてきてくれる?」


 しらたまと同じシマエナガの2羽は、落魂のレベルもしらたまくらいなので、あまり話せない。

 「あっちでごはんたべれるよー」だけ空から伝えている。

 『あっち』ってどっちってなりそうだけどまぁ良いか…


 それにしても本当に家がぼろぼろだ…だが不思議なことに、商業エリアに近いところほどボロボロなのだ。長いこと人が住んでいないのか、手が入っている様子もない。

 むしろ近いところの方が人が住んでそうなのに何でだ?

 スーパーとかコンビニが近いとこの方が便利じゃん?くらいのノリで考えていた。


 「おい、何をやっている」


 突然背後から話しかけられ、振り返ると屈強な身体、もみあげから繋がったワイルドなヒゲに短髪のおじさんがいた。


 おじさんなろう系の主人公きたー!!


 え?なに?勇者一行?その後ろの素敵なもふも…冒険者みたいな獣人も交えたパーティはなに…?

 いよいよ私も本格的に異世界転生か…ありがとう神様…


 「おい!聞いてるのか!」


 あ、いかんいかん。


 「炊き出しです。すみません、うちの傘下のものが長らく放置して、皆様を苦しめていたようで…ちなみにみなさんはいったい…?」


 勇者パーティ(仮)は、互いに顔を見合わせている。

 「もしかして…神様ですか?」


 「あ、はい。一応、怠惰担当させてもらってます」


 何だこの挨拶。


 「だ!代表神様!失礼いたしました!」

 勇者(仮)がガバ!っと勢いよく頭を下げた。


 そんな間にも、炊き出しに来ていたちびっ子たちが彼らに気づき、「おじちゃーん!」と歓迎している。よほど慕われているようだ。

 

 「それで、勇者御一行はこことはどのような関係で…?」


 「ゆ、ゆうしゃ?オレたちは、出稼ぎに行って帰ってきたところです。

 うちはすっかり出なくなりましたが、他の季節エリアでは魔物が出ますからその討伐を手伝ってお金を稼いで、食べ物を買って、ここの住民たちに配っているんです」


 勇者じゃん!それはもう完全に勇者じゃん!勝手に称号を授けよう。

 待って、魔物?魔物って言った?


 「魔物って…モンスターの魔物?凶暴な動物…はいないのか。そんなの出るの?ドラゴンとかそういう?」


 「ドラゴン…?いえ、今だと、すごく大きな飛び跳ねる虫が出ます。凶暴な上に、作物を食い荒らすのです」


 それ…キリギリスとかそういうの…?コオロギとか…?まさか動物が獣人化したように、虫は巨大化したのか…?え、やだ。本当に考えたくもない。


 「このエリアでは本当に出ないの…?」

 恐る恐る聞くが、正直返事は聞きたくない。


 「それが…前まではよく出たのですが、最近はめっきり減りまして…どこから来たのかわかりませんが、よく朝に大きな猫や犬が追いかけ回したり、退治しているうちに他のエリアに行ったようで…神獣様が何なのか分かりませんが…」


 それ完全にうちの子たちだわ!


 「実は他のエリアは、何だかよくわからないどす黒い石みたいなのを、だいたい1箇所に集めて放棄しているのです。

 それがよくない影響を与えているのかもしれないと武神様はおっしゃってました。

 このエリアにもあったのですが、いつの間にかなくなっていて…」


 あーそれも完全にムーンだわ。邪悪な落魂をムーンが拾ってきて私がトイレとかゴミ箱に大量に使ってるからだわ。


 「それで遠征を余儀なくされていたと…?」


 「はい。ただ、武神様のところの軍がいれば心強いですし、討伐数も多いので報酬もたくさんもらえるので助かります」


 なるほど…どうやらこの100年、貧困に喘いでいたとはいえ、ここの人間や獣人たちが生き残っていたのは彼らのおかげのようだ。


 「つまり、一応あなたがこのあたりを仕切っているというか支えてきたということになるのだね?ちょっと聞きたいんだけど、この辺って何でこんなにボロボロなの?」


 これだけ慕われているということは情報も彼に集まっているだろう。


 「いえ、そんな大そうなものではありません。現にここの住民は貧困に喘いでいますから。

 このあたりはもともと商業エリアで働くものたちが住んでいました。しかし、彼らはここがどんどんとさびれていくにつれ、商業エリアに住み込むようになり、帰ってこなくなりました。

 それで今は、管理が行き届いていないのです」


 「じゃあ…この辺の建物はもう誰のものでもないんだよね?」

 そう聞くと、勇者の後ろにいた黒い狼のような獣人が答えてくれた。


 「ここらは俺たち獣人が寝泊まりしていることがある。人間よりも多少は雨風に強いからな。もっと奥のまだ家がまともなところには人間を、このあたりは獣人で寒さに強いやつらが住み着いてるくらいだ。でも別に特にこだわりがあるやつらじゃないから、誰のものでもない」


 何て心優しき獣人!ありがとうもふもふ。


 「じゃあこの辺だけとりあえず、一旦壊して作り変えるか!」


 私はそう言って、地面に両手をつけた。最近神力使ってなかったから、そろそろ放出しなきゃと思ってたんだよねぇ…


 私は、天界に来たばかりの頃に、地神様が作ってくれたミニチュア天界マップのことを考える。あんな感じで、ここに建物を作ればいいのだ。

 そういえばあのミニチュア天界マップのフィギュアどこいったんだ?


 私はかつて自分が留学していた大好きな田舎街を思い浮かべる。ビールとワイン、朝市が似合うあの景色を…


 「んー!よいしょー!!」

 

 いやはや慣れたものだ。

 思い切り地面に神力を込めると、音を立てて今ある建物が消し去り、私の大好きなあの景色が再現されていた。


 あぁなつかしい…!綺麗な石畳に、淡い色とりどりの家やアパートメント、路地の空は藤なのかツタの葉が建物同士を繋ぎ、ちょっとしたトンネルができている。


 私の心を救ってくれたあの町の一角だ。



 「お、おまえ…」


 お?と思い、振り返ると、私が呼び出した4柱とその眷属たちがいた。


 「本当に破壊神だったのか…?」


 違いますよ!?ダイチさん!?よく見て!?破壊の後に作ってるでしょ!?これだけの美しい町並みを!


 周りをよく見ると、みんながドン引きした顔をしていた。


 いや…その…ほら、街はきれいになったよ?

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