第59話:人間界の終わりまで
近所に住んでたわんこも野良猫もまだ生きてる…
甥っ子だって最近子供が結婚して孫が楽しみとか言ってたのに…
「具体的に———あと何年くらい…?」
「1000年くらいじゃない?」
へ?
1000年…?
『そろそろ』ってあと10年くらいじゃないのかよ!感覚バグってるよ!
1000年かぁ…なんかいきなり切迫感がなくなったな。その頃には知ってる人も誰も生きてないし。
前に風神様が言っていた「大事なのは人間由来の神々が滅びないことであって、特定の人類が滅びようが別に気にしない」って言ってたのはこういうことかもしれない。
いや、でも!!
「シャフ君…」
と私が話しかけると、シャフ君が即座に答えた。
「多分、今自分も同じこと考えてるっす…」
「「漫画やアニメが見られなくなってしまう!!」」
私たちはぴったりハモった。
買わねば!滅びるまでに確保せねば!!
そうなると人間界のお金がいる…咲さん1人の戸籍でどうこうなるレベルではない。
1000年分の戸籍が必要だ。できれば法人化でもしたい。
でも人間界に介入するなって言われてるんだよなぁ…そこまでするとなるとバレるだろうしなぁ…
規律の神うるさいしなぁ…
「やっぱり戦で勝ち取るしかないか…」
「なんか物騒な単語が聞こえたね…」と、きなこがたぬきが話している。
大丈夫だ!最初から私だけで戦うつもりだ!と、決意していると、メッセージが届いた。
「戦って言った?僕の出番じゃない?」
あの神、今日も来ていたのか…
戦の神は、うちの外のハンモックでしょっちゅうAI相手に将棋やチェスをするようになっていた。知らぬ間にいる。
そして家の中から聞こえる会話に、たまにこうしてメッセージで入ってくるのだ。
「出番って?」と返信すると、直ぐに返事が来た。
「僕が仕切るよ」
時の神がそれを見て、ちょっと外で話そうと言うのでハンモックまで行く。
この際規律神も呼ぼうと、時の神がパチンと指を鳴らすと、規律の神が強制召喚された。
え、何あの技!うらやましい!後で教えてもらおう。
規律の神にこれまでの事情を説明すると、案の定「人間界に介入はしてはなりません」の一点張りだった。
理由を聞いても「そういうものだからです」という、脳みそが要らない盾しか出してこなかった。
まぁ想定内だ。
「だからね、戦争をしようよ」
私は規律の神に向かって言うと、規律の神が訳がわからないと言う顔をしている。
「なんでそこで戦争になるんですか?」
「君は何で自分が武神の傘下なのか考えたことはないのか?
薄々気づいてるんじゃないの?
勝者だけが規則を決められるって。君はその勝者に定められたものを守ってるんでしょ?
私はその『人間界に何でも介入してはならない』って規則を変えたい。
だから君たちの土俵で正規のルートで、規則を変える立場に立とうとしてるんだよ。勝手に人間界に介入するよりマシでしょ?
それに本来は神力任せに奇襲をかけたってよかったんだよ」
規律の神は図星を突かれたように何も言わなかった。
戦の神がここぞとばかりに乗り出してくる。
「そこでだ、戦と言えば僕!この戦は僕の管理下でやってもらうよ。もちろん僕は武神の神の傘下だけど中立だ」
話を聞いていた時の神がこれだけは守ってくれと条件を出してきた。
「やっと神力が黒字になったんだ。地形を破壊したり、犠牲者を出さないこと。これだけは守って」
そうなると…タイマンか?夕暮れの川辺で殴り合うか?
「戦っていうより将軍同士の決闘って感じになるけど…
まぁ、内容は僕が決めるよ。当日発表するから楽しみにしておいて!」
と、うっきうきに戦の神は帰って行った。
やるぞ…!!あの素晴らしい文化を守るために…!!
うちにいる招き猫2匹と、玄武とも言えるおかき、そしてたまたま湖に来ていた小角さんに勝利の願掛けをした。
読んでくださりありがとうございます!
もし『ここが好き』『この場面笑った』みたいなのがあれば教えてください!
ブックマークしておくと更新通知が届くので、続きが気になってくれた方はぜひ。




