第58話:先にニートになった眷属
あれ?魂管理の効率化これにて終焉?
「シャフ君、もうやることなくない…?」
「そっすね」
こたつに入って仰向けに寝転がりながらシャフ君が答えた。
「そっすね、じゃないよ!なに私より先にニートになってんの!?ずるいじゃん!!」
「いやー、すんません、優秀だったみたいっすわ、自分」
「サーバーとタブレットの台数が用意できないからだけでしょ!」
ずるいずるいずるいずるい
「『自分探しの旅』ってやつ、憧れてたんすけど、行ってきて良いっすか?」
神を差し置いてなに言ってんだこいつ
「やめな?『何も見つからない自分』か『何か見つかった気になった自分』しか見つかんないから、それ。
数日外国行って、人生観変わったって言ってるやつの人生観は3日で戻るぞ?」
それもまた青春っすよ?、とシャフ君がぼやいている。とにかく許さぬ。
みんなビール作りやら銭湯経営やら、武神の相手やら、結界張ったり色々やってくれているのだから…
あれ?ムーンとたぬきは何もしてないな。まぁかわいいからいいんだ。
「働かざる者食うべからず…」
私の声に、ん?とシャフ君が起き上がる。
「働かざる者、買うべからず…」
シャフ君の顔からサーっと血の気が引いていく。
「守銭奴!今月からこいつのお小遣い下げちゃってくださいよ!」
ふふん♪
「いやっす!働きます!!サーバーがなくても、Blu-rayとか使えば事足りるっす!」
「君、方法は思いついていたのに言わなかったのかね?」
「それは…その……」
「罰として今月のお小遣い半分!!」
「いやぁああぁ!!」
一連のやり取りを見ていた時の神が、不思議そうな顔をしている。
「何で君んとこの眷属、主よりもサボろうとするの?イレギュラーじゃない?」
え?他の神の眷属はどんな感じなんだろう…そういえば人間由来の他の神の眷属って見た事ないかも…?
「だって…楽したいっす」
あ、これ私が怠惰の神だからだ。
「私が効率厨の眷属として作ったしな…
ってことは効率的にニートになろうとしたな!?許さんぞ!私が完全ニートになるまでは許さん!!」
ひーんと机に突っ伏して、泣き真似をしてるが、私の角度からだとチベスナのスンっとしたフードしか見えない。
「じゃあもうちょっとこの天界の文明を発達させてくださいよ。そしたら自分もできること増えるっす」
そこなんだよなぁ…あんまり文明を発達させすぎると、人類同様滅びるんじゃないだろうか…
私は時の神に尋ねてみた。
「人類っていつもどうやって滅びるんですか?世界線や都度違う?」
「んー。だいたい同じだよ。自然破壊し始めて、戦争おっ始めて、オーバーキルなくらいの戦力も持ち出して、住めない環境になって滅びてく。
それかまぁ隕石の衝突とか外的要因かなぁ…
君がいた世界線も多分もうそろそろ危ないんじゃない?」
「え……?
そろそろってあとどれくらい…?」
「折り返し地点は確実にだいぶ過ぎてるね」と時の神が何てことなく呟く。
あの世界が終わる…?
神獣になったみんなと生きたあの世界が……?




