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人生ってこんなもん?他人事な百年終えたら、最強神だったと判明しました〜お疲れ元人間はかつて愛したもふもふと怠惰を謳歌したい〜  作者: 瑠璃玉ねむ
【第4章】次々と現る神々

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第45話:人を呪わば穴二つ

 

「おかき、この城を結界で囲って。ほら、あのアニメの帳(とばり)みたいなさ」


「はーい。できたよぉ」


「ありがと」


 私は、他人の嫉妬や承認欲求からくる悪意で苦しめられた、人間時代の自分の心を思い浮かべた。



 あの空虚さを


 あの惨めさを


 あの煩わしさを



 自分の家を建てた時のように、それらがこの屋敷だとイメージして思いっきり神力をぶつけた。



「「え…?」」


 それは本当に一瞬の出来事だった。


 双子の口から溢れた戸惑った声だけを残し、静かに全て無に帰した。屋敷を形作っていた神力と、私がぶつけた神力が結界内にハラハラと霧散している。


 スノーボールみたいだと思った。でも、人間の悪意はこんなに綺麗に終わらない。


 双子が絶叫して悲鳴を上げている。


「う、嘘だろ…同等以上の神力をぶつけないとこんな芸当できないぞ…」

「それをこんな一瞬でやってしまうなんて…」

 炎神様と風神様の発言から、彼らにとっても経験のない恐怖の色が見える。


 座り込んで呆然としている双子を覗き込む。


「相手を間違えたね、中身が空っぽのハリボテ双子」



「「ハ…ハリ…ボテ……?」」

 ショックすぎてあまり状況が飲み込めていないらしい。



 ドンが「後片付けして早く帰ろう」と双子と私の間に入って、私をぐいぐい押してくる。


「わ、わかったよ。そうしよう。

 おかき、これこのままドーム状じゃなくて、球体にできる?可能な限り小さく」


「やってみるねぇ。でも小さくは難しいなぁ」


 いつもの大玉の倍くらいになった。これでもだいぶ圧縮したらしい。中には双子の神たち、全てを消し飛ばした私の神力が凝縮されている。


「時の神へ 拾い物あげる たいだより」

 マジックで書く。


「アッシュとドン、これ湖に沈めてきてくれる?」

 ふたりにそう言うと、あっという間に転がして行って、あっという間に戻って来た。


 手慣れたものである。


「解除するねぇ」


 少しすると一気に大量の神力が投入されたせいか、御神木様が光っている。

 わぁ…人間界の某タワーみたいだぁ…


「すごいぞ!!一気に地盤が安定した!!」


「私たちの神力も戻ってきている!」


「やるなお前!!」


「枯れた水脈も戻ってきてる!」


 なんか知らんが4柱が喜んでいる。膝から崩れ落ちたままの双子との絵面のギャップがすごい。



「これは…いったい……?」


「ぅわぁっ!!!」

 びっくりして、思わずアッシュとドンに飛びついた。

 ローブを被って顔が見えない神が急に私の背後に現れて声をかけてきたのだ。


「あら、呪いの神…お騒がせして申し訳ないわ」

 風神様が不審神(ふしんしゃ)に声をかける。


 呪いの神!確か冬エリアの代表神!急に背後から声かけるなよ!


「何が起きているのですか…?」

 フードを脱ぎながら呪いの神が聞く。


 わぁー不健康そう。

 だが眼光が鋭いというか意志が強そうというか、情に厚そうというか妙に吸い込まれそうな目をしている。


 なんか蛇みたいだな。


 4柱が状況を説明し始めたので、長くなるとみた私は、ドンとアッシュを雪遊びに誘った。

 神力でソリを作って雪の中をアッシュに引っ張ってもらう。ドンには寒すぎるのでドンも小さくなって一緒にソリの上だ。


 ひゃー!速い!風が冷たい!

 得意げにアッシュがドリフトをキメたせいで、雪の中に放り出されたところで声がかかった。


「おーい!!戻ってこーい!」

 埋もれた雪から這い出して、雪まみれでおとなしく戻る。


「どうも、怠惰です」


「どうも、呪いです」


 世にも奇妙な挨拶になってしまった。


「私の傘下のものが、迷惑をかけたようで申し訳ない。だが、これはやりすぎではないだろうか」


 呪いの神が哀れみの目で双子を見ている。


「人を呪わば穴二つ。ましてや相手の力量を見誤ればどうなるか。あなたが1番わかっていることでしょう?」


「それは…」


 呪いの神は言いよどみ、しばらくして「そうだな」と呟いた。


「私としてはさらに慰謝料が欲しいくらいだよ。私も神力を大量に消費したし?

 うちのカピパラーズがトラウマになって外に出られなくなったらどうしてくれるの?

 あの人間の親子も本当に可哀想だわぁ」


「おい、あいつ、良からぬことを考えてる時の顔してるぞ」と炎神様が他の3柱に話しているのが聞こえる。


 良いことだもん。


「何が望みだ?」と、狙い通りの問いが呪いの神から返ってきた。


「まず、あの人間の一族はもうこんなことになったら冬エリアには住めないでしょ?うちの領地で預かるよ。

 あとね、犬と猫用のジャーキーの種類を増やして欲しいんだよね!そろそろみんなが違う種類が食べたいって言うから、早めにね!」


 そうだ、保存食とか加工に長けてるんだっけ、このエリア…それなら…


「あとチ⚫︎ール的なものと、カトルボーン的なものも生産して欲しいんだよね!あとで資料送るから!」


「そ、そんなことでいいのか…?」

 地神様が横から確認を入れてくる。

「そんなこと?とっても大事なことですよ!」

 私の横で、ドンとアッシュと水神様が何度も頷いていた。

「冬エリアの新たな産業にもなるし、ウィンウィンですよね!ね!?」

 呪いの神は「あ、あぁ…はい…」と頷いた。


「あ、忘れてた。これ、返すよ」

 そう言うと、アッシュが手加減なしに眷属2人が入ったボールを蹴り飛ばし、双子の横をかすめて雪に埋もれた。


 よし!終わった!


 さっ、かーえろ!



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