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人生ってこんなもん?他人事な百年終えたら、最強神だったと判明しました〜お疲れ元人間はかつて愛したもふもふと怠惰を謳歌したい〜  作者: 瑠璃玉ねむ
【第3章】怠惰の神の日常

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第36話:友達ができました

「ただいまー!ドン、ありがとね。

 白狼ファミリーの誰か荷下ろし手伝ってー!」


 ドンを撫でていると、背後にハクちゃんの気配がした。


「随分買いましたね?」


「あ、うん!ジャーキーも骨もみんなの分もあるよ…!」


 な、なんだろうこの後ろめたさは…なんだいそのジト目は…


「あ!明日塩おにぎり作ろうよ!お米とお塩も買ってきたんだ!」


「これだけの量なら銭湯事業用のお金で買ったのですよね?」


 バレた!言い訳を考えるんだ!うなれ私の頭脳!


「いや…えと、その…家用からと合わせてお金出したから、食べる分も含まれてるよ。

 そうだ!それにお米から作ったお酒を、お盆に乗せてお湯に浮かべて、飲みながら入る温泉の楽しみっていう文化があるし!」


「それは不特定多数が出入りする水面が揺れる銭湯で可能なのですか?」


 ハッ!たしかに!!しまった!いやでも…!


「無理だね!じゃあ全部食べるしかないね!もったいないもんね!!」


 怪我の功名ってやつだ!ハクちゃんのため息が聞こえたけど気にしない!


 買ったものの整理も終わり、風呂も済ませてこたつに入って休憩しようとすると、水神様とスイもこたつでだらけていた。ちょうど良い。


「ねぇねぇ、鰹節って売ってないんですかね?というか海ってどこ?」

 水神様に聞いてみる。


「あー。海はね、天界のこの裏側全体だよ。僕の傘下の海神が仕切ってるから、今度聞いてみるよ。

 ほとんどが魚人に進化してるから、残ってる魚の種類が少ないんだよね」


「へぇ!お願いします。たぬきたち、しばらくはジャーキーで我慢してね」


「「ちぇっ」」

 ムーンとたぬきがジャーキーを齧りながら答えた。


「え、ちょっとまって魚人化…?そういえば動物も獣人化したって…え?あのジャーキーの肉ってまさか…?」


 ゾッとすることが思い浮かんでしまい、あのおばちゃんの笑顔がサイコパスに思えてきてしまった。

 命の有り難みに差はないものの、人型で会話もできる存在を食べるというのはさすがに抵抗がある。

 とんでもなくマッドな店に御用達許可を出してしまったのではなかろうか…


「何か家畜でしょ?人間たちが居住地区でやってる牧場とかの。牛とか鹿とかかな?」と水神様が察してくれた。


「え?牧場があるんですか?獣人になったんじゃないの?じゃあ犬もいるの?」


「犬は残念ながらいないんだよねぇ。

 すっごい昔に人間界で大きな戦があった時に、神々が生で見たいとか言って、観戦しに行ったんだけど、その時に神隠しにあった人間たちがいて、一時期爆発的に増えちゃって。

 戦だったから、帰っても家族も家もない、命の保証もないって人が結構こっちに残ったんだよねぇ。

 それで、食糧が足りないってなって、牛とかの家畜を別の世界線からさらってきた」


「え!!あのUFOに牛が吸い込まれていく、みたいなあれってまさか!!」


「血が濃くなると遺伝的な問題が出てくるからねぇ…定期的にねぇ」


「めっちゃ人間界に介入してるじゃん」


「まぁ…神々が観戦なんかしに行ったせいだし…他の4柱と話し合って例外ってことにしたんだー。これ、規律の神には秘密ね」


 水神様がお口にチャックのポーズをしたので、私は頷いた。ジャーキーの確保は大事だもの。


「じゃあマグロとかも攫ってきて欲しい」


「一緒にマグロ漁船にでも忍び込む?

 こないだシャフ君のおすすめで読んだ漫画に出てきたよ。借金が返せないとか訳あり者?がマグロ漁船に乗せられるって…僕たち戸籍もないしピッタリじゃない?」

 たしかに…それに水神の乗った船など大漁になる気しかしない…シャフ君を送り込もうか…あちらの現金が稼げる。


 そんな会話をしていると、スイがきなこの首の風呂敷を整えながら唐突に言った。


「ねぇ、僕たちもおにぎり食べてみたい。水の畑で作る穀物だから気になってたんだけど、スズメみたいにそのまま食べたら砂利食べてるみたいで…」


「あれは炊かないと美味しくないね」

 珍しくスイが生物以外に興味を示したので、明日一緒に食べようと約束した。


 あれ…?そういえば、結界で勝手にこの家には入って来れなくなったはずじゃなかったっけ?

 この水神コンビはどうやって入ったんだろう?


「水神様とスイはもう、凪と僕たちの、ちゃんと大事なお友達でしょ?だから弾かないよ」


 おかきの声が頭に響く。


 ちゃんと大事なお友達…



 人間だったころは、薄氷の上を渡るように他人と接していた。そしていつの頃からか、渡ろうとすることすらしなくなった。



 そうか。これが友達か。



『そうだね、お友達だね、ありがとう』と心の中でほっこりした気持ちでおかきたちだけに聞こえる様に返事をした。



 おかきの声が聞こえる水神様は、「おかきぃ!!」と言って甲羅を撫で回している。


 スイは「何!?なんか言ったの!?」と聞こえないことを悔しがっている。


「スイたちは、僕たちのお友達だから、結界に弾かれることなくこの家に出入りできるよ、だって」


 通訳してあげると、水神様とは逆サイドからおかきの甲羅にヒシッと抱きついた。



 おかき、さすが私の40年来の相棒だね。



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