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離人症かと思ってたら神でした【もふもふ達と天界で怠惰を謳歌したい元人間】  作者: 瑠璃玉ねむ
【第3章】怠惰の神の日常

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第34話:初めての商業地区

私は50万リーフを持って咲さんのところに来ていた。


カピバラーズに知識を与え、お世話になっていたこと、銭湯事業を軌道に乗せてくれたこととしてのボーナス付与だ。


咲さんは、最初は遠慮していたが、喜んで受け取ってくれた。


「これで欲しかった小説シリーズが大人買いできます!」


あ…人間界のお金は守銭奴が……

リーフとは換金できないし…


「ごめん、人間界の本は買えないんだ…」と伝えると、天界の本だと言われた。


「え!?天界の小説があるの!?」と思わず大きな声が出る。



「ありますよ!絵画とかもあるし。

ほら、秋エリアって芸術の神様がいるじゃないですか。あそこに雇われた人間たちや先住生物の人たちとかが色々作って、商業地区で売ってるんですよ」


目から鱗だった。



「ちょっと行ったみたいな…」と呟くと、「じゃあ今から行きましょう!」と即断された。


この人、何でこんなにフットワーク軽くて、ハキハキしてるのに友達いないんだろう…



私はいったん、ドンを連れていくことにした。


カピバラーズは、自分たちはお留守番しているが、銭湯に使えそうなものがあったら買ってきてほしいと、我が家の露天風呂から声をかけてきた。


ハクちゃんから、今日自分と家用と、銭湯事業の分として、使っていいお小遣いを分けて2袋渡された。


銭湯用の袋の方が重いのが何だか切ない。



で、どうやって行くのかと聞くと、徒歩だと言う。


それはちょっと話が違ってくるなー!

バスとかなんか最悪乗合馬車みたいなのがないとなー!


あ、ドンに乗ればいいじゃん。


「すっごい考えてることがお顔に出てますけど、すぐ着きますから安心してください。コツがあるんです。


天界って御神木様を中心に、時計回りにエリアの季節が進んでいきますよね?なので、時計回りに逆らわないように、斜めに御神木様から離れるように突っ切って進んでいくと、商業地区やその向こうの居住地区まですぐに着くんです。


逆に、反時計回りで動くと、すっごい抵抗を喰らうと言うか遅くなります。

あ、でも神様たちには適用外だったような…」


次から次に新ルールが出てくる…

時の神と御神木様と関係がありそうだな。それなら時計回りに歩く歩道とかできるんじゃないか…?



ひとまず、今日は人間の咲さんが一緒なので、ルール通り斜めに秋エリアを突っ切って、商業地区に向かった。


体感1時間くらいだろうか。

徒歩1時間は全然すぐって言わないんだよ…



それにしても…なんか臭う…

他の神のエリアのトイレ問題だろうか…

秋エリアは、浄化スライム義務を課そうか…



そんなことを考えていると、目的地についたようだ。


元々冬に近い秋エリアの領地から時計回りに斜めに出発したので、冬エリアの商業地区らしい。


朝市のように出店が並んでいる。



「ね!早かったでしょ?10分くらいですかね?」


何を言っているんだこの人は…?

あ、『神様たちには適用外』は、時計回りに進むと早いっていうのも適用外なんじゃないか?



着いた時点でももう疲れた…


満員電車で出社した時点で、もう帰りたい時みたい…



「ジャーキー!!凪っ!!ジャーキー!!」


ぅおおおおぉ!!

一応リードをつけてきたため、とんでもないスピードで引きづられた。



肉屋の前に連れてこられた。

「あ、あの…ジャーキーはありますか…あと骨とか……」

息も絶え絶えである。



肉屋のおばちゃんが、「犬科の獣人用のでいいのかい…?というか…あんた人間かい…?その連れているのは…?」と、戸惑っている。


そうか、天界には完全な犬がもういないのか。

何で私が人間じゃないって分かったんだろう?


「いや、私は神で、この子は犬の神獣。あ、別に気を使わなくていいよ。ここではただの客だから!やっぱ冬エリアだから保存食が多いね?」


「へっ!?」


おばちゃんが、カチコチに固まった。


「だから気にしなくって良いよぉ。おばちゃんのおすすめどれ?」


「あ、えっと、これとこれかね?」


「じゃあそれちょうだい!この子みたいな子が他にもいっぱいいるから、いっぱい欲しいなぁ…ここにある分、全部だといくら?」


「全部!?えっと………22,000リーフだね」


「んんー!これからも通うから15,000でどう!?」


「赤字になっちまうよ!21,000リーフ!」


「んー…!!もうひとこえ!!」


「んーじゃあ2万リーフでどうだい!?その代わり、絶対また来ておくれよ!」


「わーい!ありがとう!!また来るよ」


気づいたらドンがもう齧り付いている。よほど美味しいらしい。


ドンが幸せそうで何よりだ。

ニッコニコで見ていると、周囲に人が集まっていることに気づいた。


人混みをかき分けて、咲さんが来た。


「凪さん…神が値切るなんて前代未聞ですよ…普通権力を見せつけるために『釣りはいらない』くらいの姿を見せないと…」



え…?

だってうち、お小遣い制だし…


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