第32話:せっせともふもふ作り
人間界のお金が足りない…
私はせっせとデータ入力のバイトでもしようかと情報収集していた。
いや、単価やすー!!
ていうか、なんで私が働かねばならんのだ?
私、一応は神なのだぞ?
あれ?神が宝くじでも買えば当たるんじゃない?億万長者も夢じゃないんじゃない?
いや、当たれば人間界に介入したとか言われかねんな…
あーこの神力がお金になればなぁ…
誰かお金稼いでくれないかなぁ…
そうだ!ハクちゃんとロウくんの助手を増やせば良いんだ!!
そんなこんなで、私は白狼の眷属をせっせと増やした。
レベル6の落魂を使ったので、ハクちゃんとロウくんより幼い。
家事をしてもらうくらいには、十分な知能だ。
2人を入れて合計10人できた。
人型になったり、狼になったりわちゃわちゃしている。
何と微笑ましい光景でしょう…
しかし困った…
見分けがつかない…
私は、アオ、アカ、クロのように色で名前をつけていき、それぞれの色の首輪をつけた。
これなら人型になってもおしゃれなチョーカーみたいなデザインだろう。
「ハクちゃん、ロウくん、この群れを仕切って、家の管理とお金稼ぎを頼みます!
家事や雑事は他の子達に任せて、賢い2人がお金稼ぎに集中してくれたら、うまくいくんじゃないかな…」
「かしこまりました。ところで、この人数だと、お部屋が足りないかと思いますので、外に我々のテリトリーを作っても良いでしょうか?」
確かに。私としてはもふもふに埋もれるのはやぶさかではないが、みんなが窮屈な思いをするのは本意ではない。
私は家から少し離れたところに簡単なログハウスを建てた。
基本的に、仕事をしていない間は狼の姿の方が楽なので戻っているから、人間仕様でなくても問題ないとのことだった。
ほう…
つまりオフの時間帯に行けばもふもふが集まっていると…
これは良いことを聞いた、と思っていると、隣で水神様も同じ顔をしていた。
いつの間に来たんだ。
「ねぇ、しらたまちゃんも、群れにした方がいいんじゃないかな…」
水神様があくまで群れで暮らすシマエナガに気を使うような体裁で要求してくる。
「水神様、魂胆が見え見えです。あと、勝手に動物雑誌を購読するのやめてください」
「あれ、色々バレてる」
むしろ、なぜバレないと思った?
しかし、確かにしらたまはちょっとさみしそうでもあるので、しらたまと同じレベル1の落魂で2匹作った。
3匹寄り添ってもふもふしている。
癒されるぅ…
私と水神様は同じくグニャんと身体が緩み、ニマニマする。
しらたまと、だいふくと、おもちにしよう。足にそれぞれ名前を書いた輪っかをつけた。
あとは、レベル10の最後の1つの落魂でフクロウの獣人を作った。
私も、水神様にとってのスイのような、外のことをやってくれる右腕が欲しかった。
もっふもふしていて、賢い動物、機動力があるといえばフクロウでしょう!
人間時代の完全なイメージだけど。
レベル10を使うから、実際の知能指数などいじればいいので関係ない。
確かシマフクロウだっただろうか…フクロウの中でも最大級のもふもふ…
いつの間にか水神様がスイを呼び寄せて新しい子たちを見てキャッキャしているので、集中できるように離れた。
ぅぬぬぬぬぬ……
ぼふんっ!!
できた!!!
思わずその大きなおなかに飛びついた。
「すみません、あの…」と困惑されている。
はっ!
「人間の姿になれる?」
狼の獣人はイメージがついていたのだ。なんせ散々アニメで見てきたから。綺麗な人間の顔にケモ耳、尻尾、ごちそうさまな姿。
でもフクロウは想像がつかない。
「なれますね」
スンッ!と人間の姿になった。
おぉおお!!
翼はないが、髪がバサっと長く、凛々しい顔をしている。
いいぞいいぞ!!
「名前はそうだな…フクくんで!悪いけど、ちょっとフクロウの姿に戻ってついて来てくれる?」
そう言うと、ドン並みに大きな体をひょこひょこしながら着いてくる。
かわぃいいぃ!!!
私は水コンビのところに行った。
ふふん。見よこの素晴らしきもふもふを…
「うわぁあああぁ!!!」
と言って、水神様とスイは走ってフクくんに飛びついた。
なんか…某アニメ映画にこんなシーンあったな…
「どうだ!!」と私が言うも、反応がない。
ねぇ…聞いてよ…
私はフクくんから水コンビを引き剥がし、フクくんに獣人になってもらった。
「フクくん、こちら古参の神様の水神様とその眷属のスイで、動物オタクです。
この家にほぼどっちかがいるし、めんどくさいこともあると思うけど、よしなにあしらって、上手いことやって」
私がそう言うと、「先ほどの振る舞いで言わんとすることはわかりました」と水コンビに顔を向けた。
身体をこちらに向けたまま、顔だけ横を向くのはフクロウの特徴が出ているのだろうか。
「ちょうど全員揃っているので、3人に相談があるんですけど…」
と言うと、フク君は「凪様の右腕ですので」と、水コンビは「ここのみんなには色んな意味で世話になっているから」と張り切って快諾してくれた。
「では、協力してビールを作ってください。作り方はタブレットで調べて。はい、専用タブレット」
「「「え?」」」
「あとは頼みますよ」
さ、私はおかきとひなたぼっこして昼寝でもするかなっ
と思ったが、おかきがいない。
探し回ると、家の塀伝いに歩いていた。
「何してるの?おさんぽ?冷えちゃうよ?」
「ん?あのねぇ、結界張ってるの。最近ほら、よく来るおじちゃんとドンたちが派手に遊んでるから、壊れたら困るでしょ?
あと、みんなで安心してのんびり暮らしたいからぁ、勝手に入れないようにしてるぅ」
おかき!!
私が飲みたいだけのビール作りすら人にぶん投げたのに、おかきは寒い中歩いて結界を…!!
私は急いで家の中からアッシュを引っ張り出してきて、ペンギンが雛を足元に入れて温めながら歩くように、アッシュにも、おかきが結界を貼り終わるまで温めるように頼んだ。
どうして私はもふもふしていないんだ…!!




