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離人症かと思ってたら神でした【もふもふ達と天界で怠惰を謳歌したい元人間】  作者: 瑠璃玉ねむ
【第3章】怠惰の神の日常

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第30話:初任給とリーフ


緊急家族会議の翌朝、私はドンと一緒に咲さんの家を訪ねた。

よくわからない天界の通貨の入った袋を持って。



「咲さーん!いるー?」ドンドンドン!


このアパートを作る時にピンポン機能をつけ忘れた。


「はーい!」ガチャッ


「ごめんね、ピンポン機能つけ忘れちゃって」


「いえ、誰も来ないんで大丈夫です」



そ、そうか…


「こっちでは…お友達できるといいね…

ところでお給料の話がしたいから入れてもらってもいいかい?」



咲さんの部屋は、可愛らしい雑貨やら謎の観葉植物やらが置いてあった。


「こういうの商業エリアで買えるの?」

神力がないのだから作れないはずだ。


「はい!色々見たことないものや人がいて面白いですよ!果物や野菜も品種改良なのか進化したのか不思議なものも多いです」


なるほど。

こっちに来たばかりの時に食べた謎の果物も、プラムだかプルーンだかすももだかが進化したものなのかもしれない。知らんけど。


美味しければ何でもよいのだ。



「ところでお給料なんだけどね、相場もわからないし、この通貨もどれがどれくらいの価値があるかわかんないんだ…」


私はジャラジャラとシャフ君から取り上げた袋を机の上にひっくり返す。



「ひぇっ!!」



え?もしかしてこれ小銭貯めた貯金箱ひっくり返したくらいしかない…?



「何でこんな大金持ち歩いてるんですか!!」



「大金なの!?このシーグラスみたいな石たちが!?

まぁ、ドンがいるから大丈夫だよ。武神ですら勝てないんだから」



「それはもはや天界の最強武力なんじゃ…」


咲さんは半ば呆れつつ、お茶を出してくれた。



改めて本題に入り、説明が始まった。


「私もまだこちらの金銭事情はあまりよくわかってないですが…

まず、規律神様の前眷属様が仕切っていた時の私の賃金が、1ヶ月でこれくらいです…」


そう言って、いくつか石を拾った。


ほう…つまりノウナシが仕切ってた時の事務職の給料ということか…


「14万リーフ、これで1ヶ月ギリギリ生活できるかな、くらいでした。

で、新たな眷属様が来て改正があってからは25万リーフですね」


ノウナシって改めてマジでクズだったんだな。


「なんか単位が変わったくらいで、あんまり人間界(あっち)と金額感は変わんないね。

ちなみにこの色と大きさの違いは何?」


「大きさはリーフの単位が大きくなっていくだけです。小さいのが1リーフ、次が5リーフ、みたいに。

1万リーフの次で、かつ1番大きいのが10万リーフですが、商業エリアではお釣りとかの関係で使い勝手が悪いので、あまり使われていませんね。


色は、使える季節のエリアの違いです。

透明のは、共通通貨で、どの季節の商業エリアでも使えます。ただ、この色付きは使えるエリアが決まっています。緑が春、青が夏、オレンジが秋、白が冬エリアです」



「めんどくさいね」


思わず率直な感想が出てしまった。


「なんか特定の季節エリアだけが貧しくならないように?とかで、使えるエリアを限った通貨も発行しているらしいですよ。

エリアごとで売ってる物も違いますしね…特産物というか…」


へぇ…



「冬エリアのジャーキーが食べてみたい。ジャーキー。ねぇ、聞いてる?ジャーキー。おかきは春エリアの果物って言ってたぞ。ムーンたちは鰹節って。海ってどこにあるんだろ」と脳内にずっとドンの声が響いている。


いつ見に行ったんだ。

わかった、わかったから押さないでくれ。

私は床にベシャっとなりながら、咲さんに聞いてみた。



「咲さんは自分の給料はいくらが妥当だと思う?」



「え!?私が決めるんですか!?」


「だって生活費とかわかんないんだもん。25万でいい?」


「いやいやいや!それはもらいすぎです!!家賃に光熱費、領地運営費等も払ってないですし!」



なんかこっちでも色々差し引かれるんだなぁ…


「じゃあ20万?」


「いや!10万で大丈夫です!」


「えぇ?安すぎない?」


なぜか雇われる側が値下げし、雇う側が値下げ渋るという謎の交渉の末、1ヶ月15万リーフで落ち着いた。


ノウナシの時とは違って自由に使えるお金が15万ということになるので、かなり待遇はいいらしい。


これなら毎月シャフ君から取り上げ…家に入れてもらうお金でなんとかなる。



「あ、そういえばカピバラーズが話したいことがあるって言ってましたよ。『なのにお風呂だけ堪能して帰ってきちゃった』って言ってました」



うちのお風呂で「気分を変えたかった」って言ってたときには、本題はもう忘れてたんだろうな。

まぁまた話に来るだろう。


また今度、咲さんに商業エリアを案内してもらう約束をして家に戻った。



我が家の守銭奴(ハクちゃん)に、天界の通貨の仕組みと咲さんには月15万リーフで合意したことを説明した。


ハクちゃんはすぐに余ったリーフの換算をし、さっそくゲームをしていたシャフ君を押し退けて、パソコンで家計簿の更新をし始めた。


「自分今最高スコアをもう少しで更新できそうだったんすよ!?」と反抗するも、シラッとした視線で立場を分からされている。


リーフを家に入れてもらうし…

もう1台ハイスペックPCを作ってあげよう…



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