第26話:怠惰な1日
天界の生活も軌道に乗り始めた。
私は2階を自分専用エリアにやりたい放題に改造した。
クイーンサイズのベッド、
ふかふかで軽いおふとぅん、
大きなクッションに埋もれるソファ、
壁に映せるプロジェクター、音響やPC設備、快適なゲーミングチェアなどなど…
目が覚めた時に起きて、
パジャマからもこもこの部屋着に着替える。
神々も眷属も、服が身体の一部みたいなものなので着替えることはないらしいが、なんか嫌だ。
私は快適な服をイメージして神力で作ったのだが、このモコモコの部屋着は途中クイーンに邪魔されたので、フードに猫耳がついてしまった。
作り直すのもめんどくさいのでそのままにしている。
素足に感じる、ひんやりと乾き、少しざらついた古い木材の階段の肌触りが心地よい。
1階に降りると、みんな各々ダラダラしていた。
スイが、大きな猫じゃらしのようなもので、たぬきと遊んでいる。
スイはもはや勝手に家に入ってくるというか、気づいたら家にいるようになった。
今日は水神様はいないのか。
あくびをしながら、「おはよー」と声をかけると、こちらを見たり返事をしてくれたり、各々反応してくれる。
大きなサイズで縁側でひっくり返って日向ぼっこしているドンの上に寝転がる。
あぁ…まだねむい…
うとうとしていると、「たのもー!」と遠くから声が聞こえる。
また来たあの武神のおっさん…
ハクちゃんが「ドンさーん、アッシュくーん!おじさんが遊びに来ましたよー!」と声をかけると、ドンもアッシュも走って行ってしまった。
もふもふのおなかの上から、振り落とされて転がった…
私、一応神様だぞ…ご主人だぞ…?
私はそのまま四つん這いで移動し、こたつに入る。
座布団を二つ折りにして枕にして寝転がると、おかきが隣に入ってきたので頭を撫でた。
ぬくいぬくい…
「ロウ君はー?」と聞くと、「昨日は狼の姿で夜中走り回ってたみたいで、まだ寝てます。」とハクちゃんが答えてくれた。
そうだった、この2人は狼にもなれる獣人にしたんだった。いざという時に、彼らが自分の身を守れるように。
本来は群れで暮らす動物だし、狼の群れでも作ろうかなぁ…
それを言うなら、しらたまもか…
ドラゴンとか作れないかなぁ…
「ぼくはねぇ、なまけものがいいなぁ」
私の思考が読めるおかきが言う。
「えー?なんでー?」
「ぼくとお話しのスピード感が合いそうだからぁ」
「おかきはそんなにのろくないよー。コアラとかいいんじゃない?」
うんうんそうだよ、と顎の下を撫でる。
おかきが寝たので、漫画の続きを読んでいるうちに、夕方になってしまった。
風呂にでも入るかー、と庭の露天風呂に向かうとカピバラーズがいた。
「何でこっちに入ってるの」
「「「たまには気分変えたかった」」」
「そうですか」とちょっと場所を空けてもらう。
あーほぐれるぅ…
ロウ君が起きたらしく、タオルと着替えを届けてくれた。
いやぁ…こんなに満ち足りた自由な生活があっていいのだろうか…
タオルで髪を拭きながら、みんながいる居間に向かう廊下を歩いていると、ふと気づいてしまった。
いや待て…足りてない…!足りてないぞ!!
ビール!!!
風呂上がりのビールが飲みたい!!!




