第2話:もふもふたち再集合
私が神だってさ…
正気か?
いやもう…これ以上、中途半端な情報を聞いても混乱するだけだ。
思考を放棄しよう。
「よ、よくわからないことだけは、よくわかりました…私はこの子達と話してますので、みなさんも楽にしててください」
返事をすると、3人は目を丸くする。
「そ、その…神獣様たちと会話ができるのですか…?」と水色の人が問いかけてきた。
「え?さっきから会話してますけど…」と答えると、3人は訝しげな顔をする。
念話的なものなのだろうか。
だがそんなことはどうでもいい。
私は再会したみんなに向き合う。
ロットワイラーという屈強な犬種のドン。
さっきのホールで1番ダメージを叩き出したのはドンだろう。
私はお座りしたドンに抱きつく。
今では彼の前脚の間にすっぽり私が収まってしまう。
「待ってたよ」
予想通り少し低く、優しい声が脳内に響く。
生前、ドンといるとき、私はとても無防備でいられた。父親というものから与えられる安心感というのはこういうものなのかもしれない。
「ぼくもぼくも!」と聞こえる。
隣で薄いグレーのハスキーが身を乗り出している。
「そのやんちゃな声!アッシュだね!」
アッシュのふかふかな頭を撫でる。
嬉しそうに目を閉じるアッシュはかつてのままだ。
尻尾がちぎれんばかりにぶんぶんしている。
そして隣で大人しく順番を待っていた柴犬のきなこ。
「きなこぉおおお」とほっぺをもっちもっちする。
この弾力!この伸び!なんたる至福!!
「僕が知ってる凪はもっと静かだったんだけどな…」
それは私が老後に一緒に暮らしてたからだね。
もちもちもちもち…
ストっと目の前に茶色と黒のまだらな猫が降ってきた。
この模様!!
「たぬき!」と呼ぶと「猫だってば!」とツッコミがくる。
たぬきは顎の下を触られるのが大好きだったので目一杯両腕で撫でる。
たぬきを撫でながら上を見上げると、頭上では、ゆらゆらと魚たちが空中を泳いでいた。
ベタや金魚、メダカたち…
よく見ると足元にはコリドラスたちもいる。
魚たちは半透明で、なんだかとても幻想的だ。
どうやら魚たちとは会話はできないらしい。
知能指数の問題なのだろうか。
でも、みんないる。みんな。
こんなに嬉しいことがあるだろうか。
私は喜びのあまり、自分の置かれた状況などすっかり忘れていた。
バーンッ!!
と、またホールのドアが激しく開き、いきなりのことで心臓が跳ね上がる。
あのドア丈夫すぎんか
先ほどの確認をしに行ってくれた赤い髪の人が勢いよく、怒声と共に入ってきた。
「誠に申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!!」
リアルスライディング土下座初めて見た…
彼はそのままの勢いで声を張り上げる。
「我らの部下の手違いで、上位の神である御身を…
天界の極刑に値する、最も過酷な世界線に人間堕ちさせてしまっておりました!!!
本当に、本当に申し訳ございません!!!!」
はい…???
私の人生、手違い極刑だったの…??
【こぼれ話】
たぬき「なんかこう…何で自分だけ名前が?とはずっと思ってるよね」
ねむ「かわいじゃん。たぬき」




