第14話:神獣になった理由
「私がこっちで目覚めた時すぐ来てくれたけど、それまでは葉っぱだったの?」
私はみんなに問いかけると、ムーンが答えてくれた。
「この中で1番初めにこっちに来たのは私だったでしょ?その時に、時の神が教えてくれたのだけど…
人間としての凪の頃から、すでに神の魂の器でもあったから、多少周囲から吸い取って怠惰の神力を持っていたそうよ。
そして、凪に育てられた私たちは、知らず知らずのうちに神力も注がれ、それを宿した魂になったんだって。
私が死んだ時に、御神木様と時の神がそれに気づいて、葉として匿ってくれていたの。
それがその時の神力でできる最低限できることだったんだって。
それでその後こっちに来たみんな、葉になったの。
もうすんごいのよ!すんごい喋りかけてくる時の神!!」
へ、へぇ…よほど黙って欲しかったらしい。
アッシュが続ける。
「ずっと『神力が足りない、やばい、まじでやばい。怠惰神さえいれば…』って言ってたから、ぼくたちで代わりできないかなぁって話してたの。
そしたらちょうど、おかきがこっちに来て、おかきは凪といた時間が長かったじゃん?
なんか強い結界できるって言うから、それで神力を閉じ込めて湖にボチャンってやれば、他の神みたいに神力あげられないかなーってなったの。
それで時の神が、その時だけぼくたちを元の姿に戻してくれたんだよねぇ」
時の神、思ってたよりもノリが軽い。
私は眷属たちにもわかるように聞いたことを説明した。
「でもこんなでっかい動物たちが、急に現れたら大混乱だったんじゃ…?」
と言うと、エンが「炎様は時々『なんか今怠惰の気配がしたような…』ってたまに呟いてましたよね?でも神獣様たちも見たことないですよね?」と炎神様に聞く。
「あぁ、なんかこう…バビュンッ!っ吹き抜けていったような気がした時があったり、湖から気配がしたこともあったな…」
たぬきが笑いながら言う。
「あー!それ!ムーンの力だよ!他の人から見えなくできるの!
たぶんムーンの力を使って僕たちが走り回ってるときじゃないかな?
時の神が、『こっそりやれよ、神力もバレないくらいの量で入れるんだぞ!』って言ってた。
なんか時の神なりに、凪に申し訳ないから、みんなには秘密でこっちにうちらを残してたらしいよ」
ムーンにそんな力が!!
確かに昔から神出鬼没というか、探しても全然見つからないときとか結構あったもんな…
「そのデカさは神力のせいなの?」
と聞くと、ドンが「昔よく小さくなってみんなに囲まれたいって言ってただろ?だからオレたちが大きくなった!それに、この方が凪の代行するには都合が良かったんだ」とドヤ顔で答えてくれた。
「みんな…時の神も、ありがとう…」
おかげでこっちに来てから、私は寂しくない。
私は必死で涙腺をしめた。
みんなに見せるべきは涙じゃない、笑顔だ。
私が知らないところで、みんながこっちで一生懸命に私のために動いてくれていたことが、何よりも嬉しかった。
「あれ?じゃあ、みんなは私の?領地にはもう行ったことあるの?どんなとこ?」
私は涙が出ないように話題を変えた。
「冬に近い秋エリアのところでねぇ、すごい広い。僕には寒いんだぁ。今は誰も住んでないよぉ。神力の大玉と、ムーンが集めた落魂がゴロゴロしてるくらいかなぁ」
おかきがのんびりと教えてくれた。
秋エリアってなんだ…!?
広いってどれくらい…!?
誰も住んでないってことは…管理とかしなくていいのでは…!?
「すみません、世界地図的なものあります…?天界マップ?みたいな…」




