第13話:効率厨の眷属作り
さてさて、私もお役所用の眷属を作りますか。
その前に、今度の規律神の眷属はどんな感じなんだろう…
相性も考えないと…
「ちょっといいですかー?」と、規律神とその眷属に話しかける。
「あなたたちは『残業』についてどう思いますか?」
規律神が答える。
「え?そ、そうですね…やはり決められた分量の仕事が終わっていないのなら、やむを得ないのでしょうか。現在の規則では、終わるまでが就労時間です。世界線の秩序のためにも、魂の処理が滞らないようにしなければなりません。」
今度は眷属が答えた。
「主神様と同じく、仕事が終わっていないのならやむを得ないと考えます。
ただ、その場合、当人のスキル等の能力不足か、仕事量と労働力量が見合っていないことを放置している責任者側の要因か、を見直す必要がありますね。正しく休憩も休息も取れない環境では秩序も乱れます」
おぉ!!
怠惰の神力を使った分、影響を受けるかもって話だったけど受けてるな!
んー…これなら私はシステムとかに強い効率厨を作ればよさそうだな…
私は前世で仕事を一緒にしたことがあるプログラマーなどシステム系開発の人たち、アニメで見た天才ハッカーをイメージする。
ふぬぬぬぬぬ…
「凪ー!がんばれー!」という声援が聞こえて、ふふっとちょっと気が抜けてしまう。
いかんいかん、集中集中…
パァッ!!!
あ、何か社会不適合者みたいなのできちゃった…
パーカーにスウェット、裸足のくせにノートパソコンを抱えている。
「え?なんでパソコン持ってんの…?」
「……え?身体の一部みたいなもんだから…?」
そうですか…
いいなー!!!私も欲しいー!!
思っていたよりも気の抜けた感じの眷属ができてしまったけど、まぁいっか!
名前…うーん…
「今日から君は社会不適合者君だ!」
私はシャフ君にこれまでの経緯を説明した。
「なんかさぁ、表計算ソフトとか関数とかじゃなくて、いっそ専用ソフトとか開発してあげてくんないかな?」
シャフ君は「ほーん…とりあえず、そのリスト作成後からどうにかするしかないっすね。リストがどうやってデータを拾って、文字に変換しているかわかればいいんだけど…」と構想を練り始めている。
「そうなんだよねぇ…そこがわかんなくて。
あ、そのシステム系整えてくれたら、たまに改修とかアプデしたりしてくれるだけでいいから。あっちの人たちが言う、就労規則とかは無視していいよ」
「「え?」」
と規律神と眷属がこちらを見た。
「うちらがやるのは正確かつ効率的にすることが目的であって、軌道に乗ったら同じ時間、同じ場所に一緒に縛り付けられる意味ないよね?
こっちの目的は、そっちの仕事の手段を整える部分だからね。そっちの仕事の目的である実務部分は関知しないよ。
実務君たちの就労状況については同じ元人間として私は口を出すけどね」
まぁでもノウナシと違って、怠惰の影響も受けたあの新たな眷属なら大丈夫だろう。
いやーこれで一件落着ですな。
たぬきが近寄って来たのであごの下を撫でる。
「これで時の神もひと安心だね。あの神もずっとこれ処理漏れなんじゃないかなぁって落魂のこと言ってたもんね」
「「「「「時の神!?」」」」」
4柱と規律の神の声が揃った。
「そういえば時の神ってどこにいるんですか?まだご挨拶できてないや」
炎神様が首を横に振る。
「我々ももう長いこと会っていない。
時の神は、世界線を複製する時に、世界線とこの御神木様を繋ぐため、御神木様と同化したんだ。
神力が豊富な時は分身を作り出して、その辺をフラフラ歩いたりもしていた。
ただ、怠惰様が全てを放棄して長いこと神力を溜め込み、自分とその眷属を合わせて海綿動物になることに使ってしまった上に、後任の不在で、長いこと神力がギリギリなんだ。
後任が早急に必要だったっていうのはそういうことだったんだが、まぁ手違いがな…」
前怠惰様こそ1回海から引きずり出して極刑にした方が良いのでは、と思ったが海のスポンジになってもう100年。
覚えてもいないだろうし、まぁいいか。
「じゃあ何でたぬきは時の神様と話したことがあるの?」
「魚たち以外は全員話したことあるわよ。あの神、長いこと会話してないとかで、すっっごいしゃべるの。とにかく話しかけてくるの」
とムーンが答える。
「今も聞こえるの?」と聞くと、ドンが首を横に振った。
「俺たちを御神木様の葉として匿ってくれていた時だけだ」
御神木の葉だった!?
そういえば、これまでどうしていたのか聞いてなかったや…




