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戦国野望  作者: 丸に九枚笹
第四章
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第四章 67話 雪合戦と個性

1553年12月10日


目が覚めて、ふすまを開けてみた。

昨日から降り出した雪は上がったようだ。

外は一面雪景色。かなり積もったな。

今年は例年より寒い。雪が降る日が多い。

ストーブを作ってもらってよかった。


唯一出来た薪のストーブを俺の大部屋に置いた。

ここに布団を敷いて妻たちと寝ている。


温泉の熱の効果で屋敷全体がいくらか暖かいが今年は寒い。

でも、寒いからと言ってここにずっといてもな。

気分が萎える。料理もいいけど外に出たいな。

そうだ!雪合戦をしよう!

毛利元就の子たちの雪合戦の話を思い出した。

近臣衆と一族衆を呼んで北側の弓道場でやろう。弓道場は的まで結構距離あるから十分だろう。

俺は小姓衆を呼んで皆を呼びに行かせた。



信輝「皆起きて。雪合戦やるけど、参加する?それともここで留守番してる?」


直「やります!」


詩「楽しそうですね。私も参加します。」


見「では私も参加します。」


佳「信輝様も参加されるのですか?」


信輝「うん、参加するよ!」


愛「兄たちが参るのですね。私たちも参加して宜しいのでしょうか?」


信輝「近臣衆、一族衆が本気でやるときと、皆がやるのは別にしようと思ってるよ。」


春「皆さまの邪魔にならないのでしたらちょっと混ざらせて頂こうかしら。」


信輝「春、寒くない?大丈夫?小田原では雪なんか降らないだろう?」


春「そうですね。大丈夫です。雪は珍しいです。雪合戦もしたことないのでやってみたいです。」


佳「では私も少し参加してみようと思います。」


愛「では私も。」


信輝「じゃあ、皆一度部屋に戻って暖かい格好してきなよ。」


詩「はい。」




俺も着替えて、外套を着て軍靴を履く。これでかなり暖かい。


武道場に行くための道がある、中館と東館の間で待っていた。


妻たちも、近臣衆、一族衆も続々と集まってきた。



信輝「皆、おはよう。聞いたと思うけど、今日は雪合戦をしよう!」


越前「いいですな!負けませんぞ!どのようにやるのです?」


大膳「私も負けませんぞ!」


武蔵「どのような規則でやりますか?」


播磨「ここには三十一人。兄上の奥方たちも参加されますのか?」


詩「はい、皆様が戦っているときは見ておりますが、少しだけ参加させてくださいませ。」


相模「怪我されたり、風邪をひかれませんか?」


直「大丈夫です!楽しみです。」


備前「お気を付けくださいね。」


佳「はい、ありがとうございます。」


愛「では始めましょう。」


伊豆「待て。まだ殿が何も仰ってないだろう。」


肥後「どうやってやる?」


陸奥「結構広いねここ。」


淡路「兄上たちも来たことないのですか?」


肥後「ああ、こっちはないな。」


図書「殿のお屋敷は広いですねぇ。」


出羽「殿!お話をお願いします!」


信輝「うん、じゃあ、最初は詩たちも入れてちょっと遊ぼう。その後は二組に別れて対戦しよう!その時にまた説明するよ。」


一同「ハッ。」



最初は、話したように妻たちも入れて、雪の球を投げ合って遊んでいた。雪だるまも作った。雪の山も作った。


一通り遊んだ後、俺と妻たちは弓道場の横、西館の北にある建物に移り、温かくして見学することにした。

俺も合戦に入りたかったのだが、人数が半端になってしまったので見学することにした。


近臣衆十八人、一族衆十二人。ちょっと多い。

数を同じにするために、肥後と陸奥も見学にして、近江と下総を一族衆に回した。


ルールは雪で攻撃すること。直接相手への攻撃は禁止。自分でもう駄目だと思ったら離脱する。大将が降参した方が負け。明らかに勝敗がついたと俺が思ったらそこまで。


室賀備前組は、備前を大将に、真田左衛門尉、上泉伊豆、須田長門、中野大蔵、山県三郎兵衛、前田又左衛門、加藤正左衛門、作左衛門、細川兵部、島左近、柳生新次郎、雑賀孫一、佐竹源左衛門。

これは強い。俺と京に行った面子はあの激戦も経験している。


それに対して、上杉武蔵組は、武蔵を大将に、大久保近江、黒田下総、大峰播磨、大峰越前、室賀飛騨、山下淡路、中村図書、安倍上野、大久保相模、大久保安芸、黒田出羽、鎌田式部、湯塚大膳。

こちらはまだ戦の経験はない。が幼い頃から鍛えられている。

でもまあ、普通に考えたら備前の方が勝つな。


少し時間を与え、それぞれ作戦を立てたり、雪で壁を作ったりした。


ここの全長は30メートルくらい。それぞれ陣を作ったりして、間の距離は15メートルくらいか。こっちからは見えないあちら側に壁を作ったりもしている。何もなかった弓道場が、雪の小山だらけになっていく。



妻たちは六人と侍女たちで喋っている。



信輝「どう思う?」


肥後「まあ普通に備前の方が強いだろ。」


陸奥「まあね。そりゃそうだよね。本当の戦だったら伊豆と長門には勝てないよね。それに左衛門尉に三郎兵衛に正左衛門兄弟だよ?」


信輝「でも雪合戦だからな。武蔵の方もただでは負けないだろ。二人の弟はどうよ?」


肥後「まあ結構やるとは思うよ?」


陸奥「まあ、普通にいたら強い方だとは思うけど。」


信輝「武蔵の采配にも期待だな。おそらく策は播磨が立てる。近臣衆は誰が策を手てるだろうね?」


肥後「左衛門尉だろ。あと兵部か?左近たち四人の実力もわかるな。」


陸奥「そういえばずっと言ってた剣の試合しようよ。新次郎と伊豆の試合見たくない?」


信輝「見たい。じゃあまた後日それやろう!では、そろそろ始めますかね。」



立ち上がった。


信輝「ではそろそろ始めるぞ!準備はいいか?」


隠れている場所がばれてしまうので返事はなく、頷いたようだ。



信輝「では始め!!」


始まった途端に、武蔵側の先陣が突進を始めた。


越前「大膳、出羽行くぞ!」


大膳、出羽「おう!」


三人が、俺たちから見て右から左へ走って行く。


備前の先陣は正左衛門、作左衛門だ。伊豆と長門ではない。


正左衛門、作左衛門が俺たちから見て左から右に雪玉を投げ始める。


越前たちは躱すことなく雪玉を受けながら進む。間がぐんぐん縮まっていく。越前たちはもうかなり雪玉をくらっている。


正左衛門たちが退いた。背にしていた壁に隠れる。


と、横にある左右の壁から三郎兵衛、左近、又左衛門、大蔵が攻撃を始めた。


越前たち三人は横から、さらに雪玉を大量に受ける。


それでも気合で進み続け、正左衛門たちが隠れた壁を壊した。


大きな音を立てて崩れた壁。


雄叫びをあげる三人。あの突破力はすごいな。


しかし、その後ろには誰もいない。


壊されたすぐ後ろにも壁が造られており、その後ろから、正左衛門たちが攻撃を始めた。左右からも攻撃が続く。

さらに、備前の本陣付近から、孫一、源左衛門が遠距離攻撃を始めた。

左衛門尉の考えそうな策だ。孫一、源左衛門もよくあの距離で当たるな。鉄砲とはまた違うだろうけど、本陣付近からの遠距離攻撃は使えそうだ。


さすがの越前たちも足が止まる。

その時、一呼吸遅れて走ってきていた、飛騨、淡路、図書、上野が左右に分かれて、三郎兵衛、左近、又左衛門、大蔵を攻撃し始めた。

それに勢いを取り戻した越前ら三人は正左衛門たちに攻撃を再開した。

これは播磨が考えそうだな。この一呼吸置く感じ。


と、その時、右の方でも戦闘が始まった。

いつの間にか、伊豆、長門、兵部の三人が、武蔵の本陣付近まで攻め込んでいる。

いつのまに。左衛門尉の策か。奇襲だな。


武蔵本陣では相模、安芸、式部が応戦している。武蔵も自身で雪玉を投げている。

奇襲は成功だ。やはり備前側か。


今度は左の方で声が上がる。

播磨が近江、下総を率いて、こちらも奇襲をした。

最初から決めていたのか、播磨が指示した方を、越前、大膳、出羽、飛騨、淡路、図書、上野、そして近江、下総、播磨自身も攻撃する。

この集中攻撃を受けた又左、大蔵が冷たさに耐えられず降参した。


すぐに今度は三郎兵衛、左近に向かって攻撃を始めた。

だが、ここで、初めから攻撃を受け続けた、大膳、出羽が離脱。


投げ合った結果、三郎兵衛、左近が離脱。武蔵側も越前、上野が離脱。


正左衛門、作左衛門と飛騨、淡路、図書、近江、下総、播磨が投げ合う。


人数が勝って、正左衛門、作左衛門が離脱。


飛騨、淡路、図書、近江、下総、播磨が備前の本陣に向かって進み、備前、左衛門尉、孫一、源左衛門と投げ合う。


孫一、源左衛門が前に出た。


播磨が指示し、孫一、源左衛門に集中攻撃。しかし飛騨、淡路、図書がここで離脱。


孫一、源左衛門も離脱。


近江、下総、播磨と備前、左衛門尉との戦い。


もう少し。


そこで、武蔵本陣を攻めていた、伊豆、長門、兵部の三人に相模、安芸、式部がやられ、武蔵が降参した。


ここで終了。



勝負は備前率いる近臣衆が勝った。


とてもいい勝負だった。

皆それぞれ長所があり、策もそれぞれよかったと思う。

そして何より見ていて面白かった。


俺たち三人も、妻や侍女たちも歓声を上げて見入ってしまった。



信輝「そこまで!備前側の勝利だ!」


備前側「おーーー!」



全員集まってきた。全員、雪と汗でびしょ濡れ。


信輝「まずは勝った備前側、見事であった。策も素晴らしかったし、それぞれ個性を活かして戦えていた。負けた武蔵側もよかったぞ。あと少しで本陣を落とせそうだった。これは戦の経験の差かもな。これから経験を積めばもっと強くなるぞ。皆見事であった!」


一同「ハッ。」


信輝「とりあえず風呂に入ろう。そして今日も宴会の準備をしている。皆お疲れ!」


一同「ハッ!!」



この後は男女別れ、大浴場に行き、また宴会場で盛り上がった。


今日も、大量に作ってもらった食事を、ちゃんと一部は西館にも運ばせた。



また皆泊まって行った。


雪合戦は思った以上によかったな。それぞれの特性がわかった。戦の時に役に立つな。


毛利元就に感謝。


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