表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/100

番外編アリーシャのその後

いよいよアリーシャの登場です。

彼女の裁判での心の動きをもっと知りたかったとリクエスト頂きまして書き加えました。

アドバイスくれた方本当に感謝感謝です!

そして彼女はその後どうなったのか?


それではどうぞ~_φ( ̄ー ̄ )

宜しければブックマークと評価をお願いします♪

「ぎゃぁ」

 はぁ、はぁ……アリーシャは飛び起きた、目には涙が滲んでいる。

 短い睡眠時間にも関わらず悪夢にうなされて起きる事となる。

 体は疲れているのに頭の中に残った後悔で一晩に何度も悪夢を見る。

五月蠅(うるさ)いなぁ、むにゃむにゃ⋯⋯」

 ベットの下の住人モネは一瞬覚醒した様だがまた眠ってくれたらしい。

 他の住人はそれぞれイビキを盛大にかいている。

 小さな部屋の両側に3段ベットが配置されその真ん中の小さな空間だけが今のアリーシャに与えられたものだ。

 多くを望んだ者の成れの果て。一言で言い表すならそんなところ。

 今は何も持たずこんな環境に置かれた自分を嘆くしかない。

 ただ時が経つのを待つだけ、あの頃のアリーシャはもういなかった。


 今思えば国内一厳しいとされた修道院も此処からすれば天国だったと言えよう。

 小さいけど個室があって三度の食事に風呂は週に二回も入ることが出来た。

 奉仕活動も修道女皆でやっていたから無理なく出来ていて今比べると天国の様だ。

 今ではこの狭い空間に女6人、風呂は無く井戸端で体を拭くのが精一杯。


 アリーシャは炭鉱の食堂兼飲み屋で酌婦をやっている。

 酒を運んだりするウエートレスの様な仕事だ。

 合間にジョッキを洗ったりつまみの作り方も覚えた、生きる為に仕方なく。


 最初は受け入れられずまた悪い癖が顔を覗かせた。

 でもいくら暴言を吐いても暴れてもどうにもならない現実だった。

 刑務官からこれでも王太子妃の口利きでの配置で軽いものらしい事を知らされた。


 何故なら炭鉱作業に送られれば過酷すぎて女は長生き出来ないとされていて、此れもこちらに来て知った。今では生きて刑期を(まっと)うして欲しいというリリアナ様からのメッセージと思っている。


 時々お尻を触られたり絡まれたりするが生きて此処を出られる可能性はこちらが断然高い。

 彼女には何一つお返し出来ていないが今はとても感謝している。

 身分を考えれば死刑も十分ありえたからだ。

 そしてそう考える時、あの日に思考は戻って行く。


 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎


 あの裁判で私が突然態度を変えた理由(わけ)

 それは今は王太子妃となったリリアナ様とハワードの妻のメリッサ夫人三人で話した事だった。

 途中まであくまで強気でいたのだ、私は悪くないと強く信じていてあの難局を乗り切るつもりだったから。

 リリアナ様は大人しいしメリッサ夫人は元の関係上ある意味扱い易いと踏んでいた。

 挑発もしてみた、マヌケな女と言って。でも彼女は表情一つ変えなかった。

 そして言ったのだ、彼は私を思い出してくれたと。

 意味がわからなかった。

 でもその言葉が引っ掛かっていた私も思い出したのだ。

 ハワードの無条件の献身を。彼なりの不器用な愛情を。


 私が分不相応にも王太子妃を望んでしまったから恐ろしい事が起きた。

 もし望まなかったらメリッサ夫人を追いつめてハワードを病気にする事も無かったのだろうか。

 今も元気に生きていたのだろうか。

 家族も国を出てしまい頼れる親戚もいない今、改めてハワードの存在の大きさを思い出しその命を奪ったのだと恐ろしくなった。


 足の裏に残るあの時の感覚そして記憶、途端に震えが来て命が消えた瞬間を今になって思い出す。

 私の行動が彼に死をもたらしたのだ。


 寄る辺(よ べ)のない小舟のように大きな暗い海に浮かんだ自分を連想させて思い知った。

「私はこれから誰を頼れば良いの?」

 無性にハワードに会いたかった。

 いつの間にか周りには誰もいなくなった。

 孤独が私に牙を向いた。


 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎


 ここには単純に炭鉱を働き口にしている者と受刑者として働いている者に分けられる。

 受刑者にはここで飲食する事は許されていない。

 つまり炭鉱を働き口としている男達のたまり場だ。

 炭鉱は気の荒い者が多く大酒飲みで喧嘩っ早い。

 ウエートレスに手を出そうとする者も多くウエートレス同士で庇い合わなければどんな目にあうかも分からない。彼女たちも軽罪受刑者なので監視人もいるがサボりがちでほとんど役には立たない。

 だからいつも固まって自衛するしかないのだ。

 しかし仲良くなっても彼女たちの入れ替わりは早いだろう、誰よりも長くいる事になるであろうアリーシャは出所して行く彼女達を何回見送ればいいのだろうか。


 私は此処で二十年働かなくてはいけないのだから。

 今は毎日生きるので精一杯だ、アリーシャは考えるのを止めた。


 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎


 ガラガラガッシャーン、ガラスの砕ける音が鳴り響く。

 ため息が出る、一日に何度もこういった事が起きる。

 ガラスの始末は面倒なのだ、怪我もよくするし割った本人が酔っ払っているのに弁償させないといけない。喧嘩中ならこちらも怪我をする。


 アリーシャがここに来て身に染みて学んだ事、其れはこの現状を諦めて受け入れる事。

 男をアテにするのはやめよう、そして必ず生き残って出所してみせる。

 砕けた破片を黙々と片付けながら思う。


 アリーシャは初めて自分だけの力で歩くことを決意した。



今まで男性に依存してその地位で幸せになれると思っていたアリーシャの変化。

彼女は罪を償いながら一人で歩むことを決意します。

その後一人で幸せになるのか、それともいいご縁があるのかはみなさんのご想像にお任せします。

明日はエドモンドとリリアナの愛の生活編です。

イチャイチャが見たいとの事ですが私にその力量がありませんので皆さんそれぞれ想像してください。

後ろからハグが精一杯のヘタレです(p_-)

新作も只今書きためています。その内お目にかかるかも、出会いがありましたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ