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一つの恋の⋯⋯三者②

今日も読みにきてくれてありがと〜ございます^_−☆

 口から思わず(あふ)れ出た言葉は戻せない。

 アリーシャは慌てて言い繕った。

「あの状態を見てうつるかもしれないと本能的に思い、それは怖くて取り乱して心身喪失状態だったのです。だから私に責任はないのです。信じて下さいエドモンド様」


「そこの被告の(ひと)。先程から私の名前を馴れ馴れしく呼んで居るが許した覚えはないぞ」

「そ、そんな。あなたと共に学園で学び愛を(はぐく)んだ婚約者のアリーシャ・ドクトールでございます」

 アリーシャは舞台女優のように傍聴人に向けて言う。


「アリーシャ・ドクトール?未だにそう名乗って居るのか!もう貴族ではない平民だろう。身分詐称になるぞ。今はただのアリーシャだ」


 エドモンドはそう冷たく切り捨てるとリリアナの方を向き優しい笑みを浮かべる。

「済まない、話を脱線させてしまったね、続けて」

「ありがとうございます」

 エドモンドはリリアナの方が他人行儀じゃないか……と心の中で少しばかり落ち込んだ。


「先程の言葉で確かな殺意があったと感じましたが、蹴り上げた時彼が死んでもいいと思ったのですか?」

「思ってもいないです。()()です、()()言葉に出ただけです!」

 アリーシャは慌てて言った。


「尊い人命が失われたのに死んで当然とは聞き捨てなりません。アリーシャさん今迄どんな時も味方になって力になってくれた人であなたを無条件に愛しあなたの幸せを願っていた人は他にいますか?」

「……」

「そして何度も化け物と言われましたがハワード氏は重いご病気だったのですよ。完治していないのに修道院からの呼び出しに応えて遠方よりあなたの為に事情説明にいらした。長旅をされるのも身体がお辛かったでしょうし、人前に出られることも躊躇(ちゅうちょ)されたと思います。其れでもあの場に出て来られた。この意味がお分かりですか?」

 リリアナは幼子(おさなご)(さと)すように言った。


 そしてメリッサ夫人は堪らず被告人席に近いところまで進み出て言う。

「私はハワードがどんな姿になっても一緒に居るつもりでした。彼の未来を、私の愛する人を公爵家の両親からあなたが奪ったのです」

 震えるメリッサの目からは涙が零れ落ちた。

「……」

 アリーシャは気まずげに目を逸らす。


「アリーシャさん、どのような理由があろうとどんなに取り繕おうとも人様の命を奪うという大罪を犯したのです。死んで当然の人(など)おりません。ハワード様は常にあなたのお味方だった。彼に心から謝りましたか?彼を失ったメリッサ様や公爵様ご夫妻には?」


「……そう言えば、まだでしたわ」

 今迄のテンションがウソのように小声で答えた。


「ご自身の罪から目を逸らしてはなりません。しっかりと見て受け入れてください。謝罪は其れからです」

 その言葉を聞いたアリーシャ被告は反論も返事もせず、何か考え込んでいた。


 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

 エドモンドは自分の人生に関わった三人の女性を冷静に観察していた。

 愛するリリアナは人として大きく成長した。

 他人には大人し気に見えるようだがその実、芯が強くゆるぎない信念の元はっきりと意見を言うようになった。


 ハワードの妻メリッサは一見(いっけん)地味な印象だが頭が切れて数字に強く男顔負けの領地経営センスがある。しかしハワードの事となると我を忘れる程、愛していたらしい。

 ハワードが存命であれば自分の幸運に気が付けたのだろうに、とても残念だ。


 一方アリーシャ被告は自分中心で我儘、自分にとっての損得で左右される快楽主義者である。

 贅沢好きで人に尽くしたり労働が大嫌いときている。

 そんな人生を送って来たアリーシャにリリアナの真意が伝わるのだろうか?

 好き勝手に我が道を行くアリーシャ被告の行く末にリリアナが投げ込んだ問いかけが波紋を残す様にエドモンドは願うのだった。

もし宜しければ評価とブックマークをお願いします!

ここ最近、書くスピードが遅くなったり切ったり貼ったりを繰り返していたら何を書きたかったか忘れたり。

ボケてきているのでしょうか?( ̄^ ̄)ゞ

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