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一つの恋の⋯⋯計略

 メリッサは此処(ここ)の所ハワードが自分の病気で手一杯になりアリーシャへの手紙はおろか送金さえも(とどこお)っている事を報告書を読んで改めて確認した。

「今頃慌てているわね、アテにしているお金で色々やっていたみたいだから」

 誰もいない執務室で呟いた。


 此処まで来たらあと少し揺さぶってやれば自滅しそうである。

 以前報告のあった王都での自分の罪について理解していないばかりで無く、簡単にあの修道院から出られると思っている辺りの精神状態を疑いたくなる。


 確か無期限とあった筈で有期刑より長く務めないといけない事を知らないのだろうか?

 ハワード(ごと)きが手配したとしても叶うはずもない事を夢見がちなお二人には理解出来ないらしい。

「オツムが少し足りないのかしら?」

 メリッサは(ひそ)やかに笑った。


 どちらにしてもハワードが行動を起こせば父親である公爵の耳にも入り王室との関係性を(かんが)みれば公爵家が恥をかいて終わり。

「あのお義父様が許す訳もないじゃない」


 能天気なお二人の計画に半ば呆れながらお茶を飲んで書類に目を通そうとしているとドアがノックされた。

「お入りなさい」

「失礼します、若旦那様にお手紙が届いておりますが如何(いかが)いたしましょう?」

「そうね、今は睡眠薬でお休みになっていますから私が拝見しましょうか」

 家令は手紙の束を差し出すと一礼しそのまま仕事に戻っていった。


「⋯⋯これは」

 アリーシャからの領地に向けた分の手紙であった。

 メリッサは早速読み始め可笑しくて吹き出してしまった。

「アリーシャ・ドクトール?これはまた傑作ね、まだ貴族のつもり?フフッ、そういう計画なのね」

 独り言が口を衝く。

「ふーん。王都にご立派な屋敷をね。そのお金は何処から来るの?お義父様を暗殺でもなさるのかしら?」

 まぁ、どんなに切望しても叶う事はない。

「これからが見物(みもの)ね」

 もう愛情の欠片(かけら)も残ってはいなかったが公爵夫人の地位を手放す積もりが無かったメリッサはある計画を立てていた。

 ハワードとの子供を持つつもりがなかったので彼の病気を理由にして、親戚から養子を迎えるつもりだった。

 髪と目の色がハワードと同じで容姿の優れた男の子が第一希望。


 そして夫にはこの領地に引き(こも)って貰い私が子供達を愛情一杯に育てるつもり。

 後はアリーシャとの事を叩き潰してやれば計画通り全てを夫は失う。

 愛するアリーシャも愛してくれる筈の私も未来の実子も、引き篭ってお金も地位も名誉も。自慢の容姿が見るに耐えなくなり、怖がって市井の女達でさえ近寄らないでしょう。


 メリッサは病気の夫を支えつつ軟禁し領地経営を自らの手で成功させて、養子達を愛情深く育て上げる完璧な公爵夫人としての自分の未来を想い描いた。

 私の欲しい愛情は可愛い養子達がくれるでしょう。そうだ!私の愛人を作るのもいいわね。


 これからは最終目的に少しでも近づける為、義両親への根回しも必要になるでしょう。


 そして自分の父親に養子の件を打診する手紙をしたためた。

 一族に条件に近い者がいないか探して貰う。こんな時、多産家系で良かったと微笑むメリッサだった。


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