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一つの恋の⋯⋯結実

 ずっと夢を見ていた、大きな広い海に浮かんで漂う、ただそれだけ。

 青い空と白い雲。太陽も眩しい。


 こんな風にゆったりとした気分はいつ振りかしら。


 物心ついてからずっと追い立てられるように生きてきた。

 他人からも、自分でも。

 期待が大きければ大きい程自分の中の何かが消滅する。


 でももう呪縛からは解放された。


 小さい世界の小さい私、旅立つ時が来たようだ光が降り注いでいる。

 天国に行けるのかしら?行けると良いなと思いながら。



 メイドのアンはリリアナの枕元に座り、毎日の日課である手指のマッサージをしていた。

 温めたオイルを使って優しく曲げ伸ばしをさせながら強張ってしまわない様に。


 両手が終わりタオルで自分の手の平を拭いていると視線の端で何かが動いた。

 凝視しているとリリアナの指の関節がビクッと動いた。

「えっ、先生をお呼びして、早く」

 思わず大声が出た、目を離す訳にはいかない何かが起きようとしている。


 アンだからこそ感じる何かがあった。


 極秘で報せを受けたエドモンドは城下の視察と言い残し平静を装って城を抜け出した。

 万が一にもリリアナが害される訳にはいかない。

 どこにスパイが潜んでいるかも分からないのだから。


 城下をグルグル回りながら尾行が付いていないかを確かめる。

 今日は大丈夫そうだ、護衛達も同意している。

 リリアナの元に行く時はいつもしている行動だが今日だけはより念を入れる。

 そして逸る心を押し留めわざとゆっくり市場から消えた。


 侯爵家に着いたのは一時間も経っての事だった。

 アンは不満そうに目を逸らしたがリリアナの部屋に案内された。

 そしてそこには横になってはいるが確かに目を開けたリリアナが居た。


 あんなに待ち望んでいたのに謝罪の言葉も毎日言っていたのに、情けない事に足が震え膝がガクガクして言葉も上手く出ない。

 どんな言葉を尽くして謝罪しようともどんな美辞麗句を並べようともこの嬉しさを伝える術がない。


 ただ神様感謝しますと小さく呟いた。







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