第17話 それぞれの動向
今回は帝国・皇国視点、王国視点、???視点です。
「そろそろ、かしらね。」
「あぁ、一応あれの増産は終了。兵の鍛錬も順調にいっている。」
とある小屋でカエサルとスターシャが話し合っていた。部屋の中には彼等しかおらず、護衛は小屋の外で待機している。
「そう。――しかし、あれが王国の手に渡ったらと思うとゾッとするわ。」
「それには俺も同意見だ。あれは予言が終わり次第、微塵も残さず破壊する。」
それ程までに彼らの言うあれと呼ばれる物はこの世界において、かなりの影響を与える物なのだ。
「それにしても王国の奴等は不気味な程静かだな……。」
「えぇ、まるで何かを待っているかのように……。」
*
「今頃奴らは此方が何も行動を起こさない事に疑問を抱いている筈でしょうな。」
「さぁ、な。だが此方には『予言の書』がある。奴等では到底予測すらできない事がこれから起こると考えるとワクワクして夜も眠れないわ。」
ラツア王国国王イディオタ・セルトは粘つくような笑みを浮かべる。周りにいる重鎮たちは其々イディオタの言う事に賛同する。
イディオタはそんな重鎮たちを一瞥し、席を立つ。
「さぁ、いよいよ祭りの時は近い。奴等がこの地に姿を見せる時が来れば、我々はこの地の真の支配者になれるだろう。――クククッ……あぁ、明日が楽しみだ。」
*
カツン……カツン……
何か硬い物を叩く音が聞こえる。
カツン……カツン……ガラガラ……
その様子を眺めている少女に少し痩せている長身の如何にも執事だと言う男が話しかける。
「――レフィード様、もう少しで悲願が叶いますな。」
その言葉にレフィードは、
「あぁ、私がこの地位に立ってから既に150年……、未だに私を打ち倒す者がこの地に現れた事は無い。」
無表情だが少し寂しそうな声色で傍に立つ執事に話す。
「だが、それも此処までだ。外に出れば強者が待っているだろう。――数百年前に当時の王を倒した者の様に。」
その時、作業をしていた者の一人がレフィードの元に駆け寄ってきた。
「レフィード様!壁の向こう側の音を探知しました!」
その言葉にレフィードは、
「それは本当か!?」
「はい、一番耳の良い奴が聞いたそうです。また、もう一か所の方も順調です。」
「そうかそうか……。」
レフィードは俯く。男は何事かと慌てるが、直ぐにレフィードの肩が震えているのが分かった。
「――クハハハ……、楽しい殺し合いはもう直ぐ始まるぞ?」
その後、暫くレフィードの笑い声は辺りに鳴り響いた。
次から事態は動き出す……はず。
カンニバル帝国・ヘルメス皇国――予言への対策はほぼ完了。
ラツア王国――『予言の書』なる物によって未来をある程度把握している模様。決して「ともだち」とかが出てくるあれでは無い。
レフィード――誰だこいつ。




