第7話 チンチラシルバー
Cコードは正確には「チンチラペルシャ」という名前の長毛種だ。
「チンチラシルバー」と銘打たれていたが、毛色は先端から薄茶、クリーム、白の三色に別れたラベンダーカラー。
お迎えしたとき、彼女は掌サイズ。
顔面は水平二分割の下半分にパーツが集中。
いや、下半分ほぼ目玉。
見たこともないような美猫であった。
猫じゃらしで遊ぼうとしたが全く興味を示さない。なんてクールな猫だ。
……と思ったら、顔面が下に集中しているせいでおでこが邪魔になり、猫じゃらしが見えていなかった。
悶絶級の愛らしさ。
当時小学校低学年の弟二号が狂喜して駆け寄ったが、「シャアアアアア!!」と一喝されて心折れてしまった。
「ネコ、おれに懐かないんだもん!!」
悲しみにくれた弟二号はジャンガリアンハムスターを飼いはじめたが、可哀想なことにハムにもシャアされていた。
弟二号は何かにつけてよく泣いた。
遊びに来た田沢がハムを逃がしてしまった時も泣いた。
諦めていたころ、洗濯物の中から白い骨格標本になったハムが出てきた時はさらに泣いた。
そのうちCコードは弟二号のヘタレ具合は敵視するほどではないと気づいたのか、子猫扱いするようになった。
弟二号はCコードの腹をよくネコ吸いしていた。
それで母性が刺激されたのかもしれない。
弟二号が泣いていると子猫を呼ぶときのように、「クルルッ」と鳴きながら腹を見せて近づいた。
それはまさか……授乳…??
弟二号は成人してもよく泣いた。
スーツの大男にCコードは授乳しにいく。
私は狩りの助手。
弟二号は彼女の子猫(?)
少し羨ましく妬ましい気持ちになった。
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