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第76話:泥酔ガルガンの襲来、そして屈強な漢たちの熱い夜


 リディアの酒場『跳ね馬亭』は、リリーの「応援」によって、異常な盛り上がりを見せていた。

「ガルガーン! 大介くんが、あんたに言いたいことがあるんだってさ! ほら、飲め飲めー!」

 無邪気に叫ぶリリーによって、ガルガンは次々と酒を煽られ、すでに顔を真っ赤にしていた。

「おう!? 大介が、俺にぃ……? ふっふっふ……男と男の語り合いってやつかぁ! 悪くねえじゃねえかぁ!」

 エイミー(大介体)は、逃げようと後ろに下がるが、すでに酔っ払った冒険者たちに囲まれて身動きが取れない。

「(まずいですわ! このままでは、大介さんの純潔が……! いや、俺の体が、あの粗野な男の手に……!)」

【泥酔ガルガン、愛を語る】

「大介ぇ! お前は、最高だぁ!」

 ガルガンが、よろめきながら大介(中身:エイミー)に歩み寄る。その手には、空になった大ジョッキが握られていた。

「あのな、大介……。俺はな、お前のことを、ずっと評価してたんだぞぉ!」

「あ、ありがとうございます……ガルガンさん。あの、そろそろお開きにしませんか?」

「うるせえ! まだ語り足りねえんだよぉ! お前のその、研ぎ澄まされた筋肉ぅ! どんな敵でも一撃で粉砕する拳ぁ! そして、仲間を命懸けで守る、その熱い魂ぃ!」

 ガルガンが大介(エイミー体)の肩に手を置き、熱く語り始める。

 エイミーは、大介の体を通して伝わるガルガンの体温と、アルコール臭に吐き気を催しそうになっていた。

「(きゃあああ! このドロドロに濡れた視線、そしてこのアルコールの匂い! 大介さんのこの素晴らしい肉体が、汚されてしまいますわ!)」

「俺はな、大介! お前のような男と出会えて、本当に嬉しかったんだぁ! 俺の隣には、お前のような男が必要なんだぁ!」

 ガルガンの目は完全に据わっており、その瞳には「友情」や「信頼」を超えた、熱い「求愛」のような感情が宿っていた。リリーの誤解が、完全にガルガンをその気にさせてしまったのだ。

【漢たちの抱擁、そして乙女の悲鳴】

「大介ぇぇぇ!!」

 ガルガンが叫びながら、大介(中身:エイミー)に勢いよく抱きついた。

 屈強な男の、渾身の抱擁。大介の体がガルガンの腕の中にすっぽりと収まり、筋肉と筋肉がぶつかり合う鈍い音が響く。

「(ひ、ひゃああああっ!! お、重いですわ!! 骨が、骨が軋みますわぁ!!)」

 大介(エイミー体)の脳裏には、自分が筋トレで見惚れていた「完璧な大胸筋」が、今や別の男の腕の中で潰されようとしている悪夢が広がっていた。

「大介! お前と俺は、最高の相棒だぁ! これからも、ずっと、ずっと一緒だぁ!」

 ガルガンは、大介の耳元で熱い息を吐きながら、そう囁いた。

 その瞬間、エイミーの精神は限界を突破した。

「(無理ですわ! これ以上は、私の「美意識」が、倫理観が許しませんわぁぁぁ!!)」

 エイミーは、大介の屈強な肉体を借りながら、まるで乙女のように両手で顔を覆い、甲高い悲鳴を上げた。その声は、酒場の騒がしさを一時的にかき消すほどだった。

「ひぃぃやああああああ!!!」

 周囲の冒険者たちは、「おいおい、大介も乙女みたいな声出すんだな」「ガルガン、やりすぎだろ!」と笑っていたが、誰もその声の真の悲鳴に気づく者はいなかった。

 その夜、リディアの酒場では、屈強な男同士の「熱い友情」が育まれ、そして一人の(中身)お嬢様の「悲痛な叫び」が、静かに響き渡っていたのだった。

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