第141話:再興への道、四人の誓い
レイン家の飛竜が空の彼方へ消え、静寂が戻った隠れ家。
エイミーは、大介の腕の中でしばらく震えていましたが、やがてゆっくりと顔を上げました。
「……大介さん。私、決めましたわ。お父様に言った通り、私がこの手でレイン家の名をもう一度、真っ当な輝きの中に置いてみせます」
「ああ。……でも、どうやって? 父さんはあんな様子だ、普通の手順じゃ認めさせられないだろう」
大介の問いに、エイミーは力強く頷きました。
「リディアは『武』が全ての世界。ならば、誰も文句が言えないほどの圧倒的な武勲を示すまでです。……大介さん、王都で開催される『王国武闘大会』に出場してはいただけませんか?」
エイミーの提案は大胆なものでした。国中の猛者が集うその大会で優勝すれば、王から直接爵位や褒賞を授かる権利が得られます。
「俺が優勝して、その褒賞でレイン家の名誉復興を願う……ってことか」
「はい。そして、私自身もあなたのパートナーとして戦い抜き、魔法使いとしての実力を証明します」
二人の決意が固まったそこへ、タイミングよく「よお!」と野太い声が響きました。
ガルガンとリリーが、大介のAランク昇格を祝う酒を持って現れたのです。
四人でテーブルを囲み、大介は意を決して、これまで隠してきた「入れ替わり」の秘密を打ち明けました。
地球という別の世界の存在、そして魔力が枯渇した際に互いの精神が入れ替わってしまうこと。
「……ははぁ、なるほどな! だからたまに大介が丁寧なお嬢様みたいになったり、急にぶっきらぼうになったりしてたのか!」
ガルガンは大笑いしながら膝を叩きました。
「驚いたけど、納得だわ。……でも、そんな秘密を話してくれたってことは、私たちを本気で信頼してくれてるってことね」
リリーが優しく微笑みます。大介は真剣な表情で頷き、武闘大会への決意を伝えました。
「エイミーの実家を救いたい。そのためには、俺たち二人だけじゃなくて、お前たちの力も貸してほしいんだ。四人でパーティーを組んで、修行を手伝ってくれないか」
ガルガンがニカッと笑い、大きな拳をテーブルに置きました。
「当たり前だろ! Aランクになった大介と、こんなちっこい魔法使いの嬢ちゃんが本気で修行するんだ。面白くねえはずがねえ!」
「私も協力するわ。エイミー、あなたの魔法と大介さんの空手……それを混ぜ合わせた新しい戦い方、一緒に完成させましょう?」
リリーの提案に、エイミーの瞳が希望で輝きました。
「ありがとうございます……リリー、ガルガン。……でもちっこい嬢ちゃんはやめてください、。王都の連中に私たちの力を見せつけてやりましょう!」
こうして、二人の秘密を共有した「四人パーティー」が結成されました。
目指すは王都、そして王国武闘大会の頂点。
二つの世界の技術が交差する、かつてない修行の日々が幕を開けます。




