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第131話:適性調査、静寂の氷穴


氷穴の最深部。『氷河の主フロスト・レイス』が、その巨大な半透明の腕を振り上げた。周囲の空気が凍結し、ダイヤモンドダストが視界を白く染め上げる。


「ガハッ……! さっきより一段と冷えやがる! 大介、火の循環が追いついてねえぞ!」


「わかってる! だから一気に決めるんだ!」


大介は叫びながら、自身の魔力を最大出力で練り上げました。


しかし、今の彼は一人ではありません。


ガルガンの堅牢な盾と、リリーの精密な射撃が自分の両脇を固めている。


その安心感が、大介の集中力を極限まで高めていました。


「ガルガン、正面から突っ込め! リリー、奴の頭上の氷柱を狙え!」


「おうよ! 筋肉が凍る前にぶっ潰してやるぜぇ!」


ガルガンが雄叫びを上げ、盾を構えて突進します。


氷河の主が放つ極大の冷気波を、彼はその巨躯と根性、そして大介が付与した微弱な熱の魔力で強引に突き破りました。


「今よッ!」


リリーが放ったのは、魔力を爆発させる特殊な「爆破矢」。それが氷穴の天井にある巨大な氷柱を直撃し、数トンの氷の塊が氷河の主の頭上に降り注ぎました。


「グオォォォォ……ッ!?」


巨獣が落下する氷を払いのけようと、その動きを止めた瞬間。


大介が氷上を滑るように加速しました。


(エイミーの体で覚えた魔力の『芯』。ガルガンの『力』。リリーの『隙』。全部繋がった……!)


大介は跳躍し、空中で身を翻しながら拳を叩き込みました。


「魔法空手・極光オーロラ『三位一体・掌底破』!!」


大介の掌から、これまでの修行で培った全属性――氷の脆化、火の膨張、雷の貫通――が、ガルガンとリリーの闘志を触媒にして一点に解き放たれました。


それはまさに、暗闇の氷穴を照らす極光のような輝き。


ドォォォォォン!!


衝撃波が氷穴を震わせ、氷河の主の核が内側から粉々に砕け散りました。


霧となって消えていく巨獣の残滓を見届けながら、大介は力強く拳を握りしめます。


「……やったな」


「ゼェ、ゼェ……。見たかコラ! 俺たちの連携、Aランク級間違いなしだなぁ!」


「もう、心臓が止まるかと思ったわ。……大介、あんた、さっきの技。あのおどおどしてた時期の変な動きが、あんな格好良くなるなんて反則よ」


リリーが膝をつきながらも、不敵に笑いました。


「……ああ。全部、無駄じゃなかったんだ」


大介は確信しました。


一人で強くなるだけでは届かなかった境地に、仲間と一緒だからこそ辿り着けたのだと。



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