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第96話:入れ替わり報告会2

「さて、私の番ね」


エイミーは背筋を伸ばし、どこか晴れやかな表情で口を開きました。


「まずは業務報告。あんたの体で、ガザルさんに定期購入の商品を届けてきたわ。あのおじさん、あんたの体の仕上がりに会うたび感心してたわよ。それから、リディア・トレードに卸す新しいポーションも追加で持ってきた。」


「ああ、ポーションの売上もあって、今回のアパート買収ができたんだから、礼を言う。……ありがとう、エイミー。拠点が守られたのは、お前の協力のおかげだ」


「うん、二人で稼いだものだから礼なんていい」

照れくさそうに答えるエイミー


「……で、他には? 向こうの世界で何か変わったことはなかったか?」


大介が身を乗り出すと、エイミーは少し視線を落とし、懐かしむような目をしました。


「それがね……入れ替わりが解除されて自分の体に戻った後、街でたまたま学園時代の先生に会ったのよ。人族の、もう七十歳になるおじいちゃん先生なんだけど」


「先生? エイミーの学園時代か、心配してなかったか?」


「そうね。当時は寝てばかりで、授業もサボってたから先生も、ずっと私のことを心配してたみたい。でもね、久しぶりに会った先生が私を見て、こう言ったの」


エイミーは、自分の指先をじっと見つめながら言葉を継ぎました。


「『いい目をするようになったな』って。だいぶ雰囲気は変わったけど、今の顔の方がずっといい、と言ってくれたわ。……ねえ、大介。私、ちゃんと変われているのかな。あの一人で震えていた頃の私から、少しは前に進めているのかな」


少し不安げに上目遣いで尋ねるエイミー。その姿は、大介が新宿ダンジョンでドリルを振り回していた時とは対照的な、年相応の少女の顔でした。


大介は迷わず、大きな手で彼女の頭を……叩くのではなく、優しくポンと置きました。


「変わったに決まってるだろ。俺と入れ替わって筋トレの楽しさを知って、魔境で暴れ回って、自分の居場所を自分で守ろうとしてる。今のエイミーは、誰がどう見たって『最強』に輝いてるよ」


大介の手の温かさに、エイミーは一瞬驚いたように目を見開きましたが、すぐにくすぐったそうに目を細めました。


「……そうね。大介にそう言われると、そんな気がしてくるから不思議だわ」


二人の間に、穏やかで確かな絆が流れる報告会となりました。

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― 新着の感想 ―
なんか一気に二人の距離が詰まったというか、話し方大分気安くなりましたね。まぁ良い傾向とは思いますが。
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