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3-24 援護

 周囲の風景に溶け込み牛型の魔獣へヒットアンドアウェイを繰り返すリンガであったが、赤色の魔石を持つ牛型は殊更丈夫な様で薄い傷が各所に見られるものの、大きなダメージは無かった。

 一方のリンガにも大きな傷は無いが、顔や身体は埃や煤で汚れ、汗を掻いて疲労の色を見せていた。


 リンガが近づくと牛型はその対価に似合わぬ機敏さで察知しその角を向けて、その頭部の魔石から火炎弾を発射する。

 火炎弾は着弾すると爆裂して熱波と衝撃を撒き散らす上に、その軌道が安定しておらずそのランダム性故に大きく距離をとって回避するしか無かった。

 リンガと一瞬目が合ったエンドは親指を上げて合図を送る。リンガは戸惑った様子であったが、直ぐに頷くと正面を向き姿を隠す。


 エンドはガードマギアを構えると前進しながらボムを装填し、その頭部へと撃ち出す。着弾したそれは爆発はしないが、潰れながらタール状の黒色の塗料が広がり、その頭部を汚して魔獣の感覚器官である魔石を汚す。

 多少の汚れ程度では問題ないのであろうが、流石に塗料となると話は別の様で大きく首を振り、エンドはその注意を惹くことに成功する。

 しかしここで苛立った牛型が視界が狭められたせいか火球をエンドの方向へ荒い狙いで何発も撃ち出し始める。

 身を低くして回避体勢をとるエンドであったが、その内の一発がかわしきれずに目前に迫る。咄嗟に旗を生やして横に構えるが、目前に液体の膜の様なものが現れ火球がぶつかった。


「アンギャーッ!!アチチチチ!!」


 シッコが身を張ってエンドを守り、身体の一部分が弾け飛び、湯気をあげつつも火球を食い止める。


「ッ!!!」


 その隙を逃さぬように、オーラを極限まで大鉈に込めたリンガの一撃が牛型の喉元を荒く、そして深く抉り抜いた。

 気管まで達したその攻撃に牛型の魔獣は声を上げる事も出来ず、少しの間暴れたものの失血と窒息で動きを止めた。

 

 返り血と、マナを急激に使用して疲労の色を隠せないリンガであったが急いでエンド達へ駆け寄った。


「シッコ、助かった。身体は大丈夫か?」


 エンドの問いに身体の形を変えたり触手を生やしたりして自身の状態を確かめていたシッコが普段と変わらない口調で答える。


「うーン、ちゃっと身体が小さくなっちゃったネー。核のとこが大丈夫なら大した事ないけド、元に戻るのにちょっと時間かかりそうだネー。」


「そうか。マナでも何でも好きに請求してくれ。」


「ン?いま何でもっテ」

「二人とも大丈夫!?」


 息を切らしたリンガが安否を急いで確認するが、問題の無い様子に安堵の息を漏らすが、キッとエンドを睨むと声を荒げる。


「アイボー!助かったけど無茶しないでよね!危なかったよねあの火の玉!!心配したんだよ!?」


「シッコが守ってくれたよ。だが私も君が心配なのだよ相棒?」


 エンドは真正面から真剣な眼差しでリンガを見つめる。リンガはため息をつきながら、その怒りを収めた。


「・・・言いたい事はあるけどさ、まずマナの補給をお願い。我慢するから早めに。」


「うむ。」


 エンドはリンガの角に手を当てるとマナを普段よ

りも早いペースで注ぎ込む。リンガの我慢しつつも盛れる喘ぎ声を聞きつつも、周囲の様子を確認する。


 ラ族は牛型との戦闘を継続しているが、複数人数で無理なく小さな傷を多く負わせており優位に闘いを維持している。

 周辺でも多くの負傷者がいるようではあるが、それでも概ねヒト側の優勢で進んでいた。とはいえ牛型も傷を負ったり不利を感じると撤退して行くものが複数いたが追撃する余裕は無かった。


 最前線では未だ特級の牛型と軍人の激しい闘いは続いており、オーラウェポンの軍刀を持つ士官の二人、キャンプ地の責任者である大尉とランファが攻撃役となり他の軍人がその援護をしていた。

 しかし当初に比べて傷を負い下がった者もいたのか人数が減っていた。

 さらに大尉の方は左腕をダラリと垂らしており、ランファも構えたオーラウェポンの輝きが明らかに鈍くなっていた。

 手の空いた他の探索者も軍人達に新たな魔獣が行かないように戦っているが、あまり望ましい状況では無い。エンドはマナの補充が終わり活力を取り戻したリンガと頷き合うと、援護に向かうので合った。



 

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