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3-22 猛牛

 傷つき悲惨な状態の探索者達がキャンプに駆け込み、残っていたものが慌てて介抱に入り後方に引きずる。

 その直ぐ後ろからは地響きと共に牛型の魔獣の群れがその影を見せていた。

 

 帰ってきていない二班と所在不明な一班以外の軍属が前に立ち、先頭にはキャンプに残っていた最上位の大尉がオーラ・ウェポンである軍刀を抜き立つ。

 しかしながら牛型以外の中小の魔獣も追い立てられた第二波がキャンプに浸透してきており、全てを入り口で迎撃するには軍と探索者の数が些か心許なかった。


 牛型のような大型の魔獣の戦闘能力は中型のものと比べても一線を画すと言われている。それが群れで押し寄せており、しかも通常の個体とは異なる様相の複数の姿があった。


「気をつけろ!上級が3匹と・・オイオイ嘘だろ!?あのデカいやつは特級種だ!!」


 年季の入った双眼鏡を覗き込んでいたベテランの探索者が叫んで注意を促すと周囲に緊張が走る。リンガもその言葉にピクリと眉を動かすと、傍のエンドに説明する。


「アイボー、魔獣って大体はオレンジ色の魔石を頭に付けてるけど、偶に変わった色の魔石を持っていたりするんだ。それで、そんな奴らは魔法を使ってくる。一匹について一種類だけど、同じ魔獣でも魔法の効果はバラバラだよ。魔石の色で大体どんなのかは分かるけど・・・赤ければ火とか緑っぽければ衝撃波とか。あと、明らかにヤバそうなアレはオーラを使える特級だ。たぶん、軍の連中はアレを抑えるのに手一杯になるだろうね。」


「分かった相棒、気をつけよう。しかし、牛型か。中々に勇壮な出立ちの魔獣だな。」


 リンガの話に頷くエンドだが、その間にも魔獣の群れは押し寄せキャンプの周囲に張られたロープも易々と破り遂に到達した。


 先頭に立つ牛型の魔獣を軍の大尉がオーラウェポンの軍刀で迎え討ち斬りかかる。


「ブモォォ!?」

「ちっ!」


 中小の魔獣であれば一刀両断すらできるそれも、分厚く丈夫な皮膚と筋肉に阻まれ深手は負わせたものの、倒すには至らない。

 舌打ちをしながらも大尉は冷静に戦闘力を奪う方向にシフトさせ、返す刀で後脚を薙ぐ。半分程右の後脚を断たれた魔獣はよたよたと血を流しながら何処かへ逃げていく。

 追撃する暇もなく一際大きな牛型の魔獣が凄まじい加速で突撃してくる。迎撃の軍刀はしかしてその角に阻まれ薄い傷しか付けることが出来ない。オーラを纏う牛型の勢いは止まらず、大尉は大きく吹き飛ばされ後方の天幕を巻き込んでようやくその勢いが止まった。


 さらに赤い魔石と緑の魔石を持つ魔獣から火炎弾や衝撃波が撒き散らされ、軍人や探索者の列に大きな隙間を作る。

 そこから牛型の群れがキャンプに雪崩れ込み、またもや乱戦になろうとしていた。


 そして、エンドとリンガの目の前にも赤い魔石を持つ牛型の魔獣が配下を引き連れて迫ってきていた。





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