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3-56 垂涎

「ちょっ、おま、ウッソだろオイ!マナ漏れだと!?マジかよ、初めて見たぜ、一体どれだけの男と・・・」


 最初に口を開いたのはタツキであったが、些か動揺し、引いた様子であった。リンガはとても恥ずかしそうな様子で布を取り返すと身を包んだ。その姿を隠すようにエンドが割って入る。


「組合長、それは私の相棒に対して些か失礼だ。相棒はそのような節操無しでは無い。」


「いや、でもよォ・・・あ、そうだな。あれだけのマナを出せる奴が目の前に居たか。」


「うむ。実に良かった。今朝までずっと、何度も致してしまって居たほどだ、相棒には負担をかけたようで随分怒られたものだがね、はっはっは!」


「は?な、何度も!しかも、あ、朝まで、だと!?」


 周囲の目がリンガに集まる。リンガはその小柄な体をさらに縮こませながら、真っ赤な顔で小さく頷いた。

 それはこの世界においてはかなり異質であった。一般的な男性にも一応性欲はあるが、それでも女性に比べれば遥かに薄い。週に一度が普通であり二度もできればかなり優秀、そして日に何度も出す事はまずあり得なかった。極端な例では田舎の方では子供を作る以外に無駄にさせないように制限させている場所すらある程であった。

 ちなみに男性が無理やり女性に襲われた際には早々に打ち止めになって、その後は手や足、顔などを使われて襲った側はその欲を満たそうとする。よって助けられた際には女性側からの体液で男性がドロドロにされている事が多い。

 そのような中でエンドの存在はより一層異質に映り、そしてその下半身に視線が集中し皆唾を飲み込む。エンドはその視線を受け止め、顎に手を当て何かを考えるポーズを僅かな時間取ると唐突に目にも止まらぬ速さで服を脱ぎ捨てた。


「「「デッッッッッ!!!!」」」

「このバカーって、うわっ、うぎっ腰が!へぶっ!」

「ヌッ!?」


 刹那の間に複数の出来事があった。まず全裸のエンドを見た面々が驚き、それにいつものツッコミを入れようとしたリンガだが体に巻いた布で足を取られ、踏ん張ろうとしたが痛めていた腰のせいでそれも叶わず顔面からエンドの股間に突っ込んだのであった。エンドもその衝撃に思わず声をあげて体を硬直させた。


「なっ!?バカな、早速喰らいつこうとするだと!?さ、流石マナ漏れをしている奴だ・・・」

「あ、あらあら、それより結構な勢いで当たったけど大丈夫かしら?」


 タツキは何かリンガに慄いた様子で、コネルは硬直したエンドを見て思わず声を上げた。


「ご、ごめんアイボー・・・ってうわあ!!何大きくしてんだよ!!」

「新しい扉が開かれた・・・」

「閉じろ!バカ!」


 目の前の光景に尻餅をつくリンガにより再び白日の元に晒された下半身、さらに先程より衝撃的な光景にさらに周りの視線が釘付けになった。


「いやはや、相棒も案外激しいな。」

「只の事故だよ!!」

「夜が楽しみだ。」

「え?いや、まって、ホント死ぬかもしれないから!?や、優しく・・・」

「しかし、昨日は最初相棒の方からこちらを押し倒して・・・」

「そうだけどさぁ!!」


 コニイはどこか諦めたような表情で、しかし目は笑っておらずに周囲に言葉を溢す。


「これを朝からやっているのだよ?見せつけられている私の立場になってみて欲しい。いやはや、妬みから怒りに、さらにそれを通り越した何かだよコレは・・・」


 同情的な視線が集まる中、恐ろしく強くコニイは拳を握りしめていた。


「確かに羨ましいわね、私ももっと若ければねぇ」


 コネルが冗談めかして言うと、タツキが驚きの声を上げる。


「ブッ!オイオイ、年はともかく大将はマギアンだろ?」


「あら?マギアンにもそういう器官は付いているのよ。私達は女王以外は新しい個体を作らないから所謂他の種族の性欲とは違うけど、マナは動力源だから取り込むことは本能的に心地良いことよ?」


 タツキやコニイは微妙な顔となったが、シッコは深く頷いた。


「分かるヨー、ワタシ達もそんな感じだネ。」


「あら?貴方、資料だとジェリーって種族になっていたけど・・・ふふ、確かに名乗るだけなら種族名は自由ね。私は流石に歳だけど、タツキとイースはまだ行けるでしょう?お願いしてみたらどうかしら?」


「なっ!?いや、まぁアリだけどよォ・・・」

「そうですね。エンド様がお断りしなければ。」


 タツキとこれまで沈黙を保っていたイースもまんざらでは無い様子でありエンドの下半身に視線をチラチラと向ける。


 混沌めいた空間は耐えかねたコニイによりエンドとリンガに突っ込みが入り、エンドが服を着るまで続いた。尚、コネルの護衛はいつの間にか鼻血を出して倒れていたのであった。







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