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3-54 密会

「おう、良く来たな。体は大丈夫か?聞いた話だと体に剣を突き立てられたらしいじゃねぇか。」


「うむ、あれは今思えば少し痛かったが大丈夫だ。」


 タツキがエンド達の体調を気遣うが、エンドの冗談に少しどころじゃ無いだろうと笑う。


「ま、その様子なら大丈夫そうだな。さて、今日時間を決めてきて貰ったのは会わせたい、というか会わせざるを得ねぇヒトがいるからだな。」


 視線を奥に向けると黒い髪のマギアンと目が合う。マギアンは自然な笑みを浮かべて会釈をし、エンド達も返した。


「さて、君が・・・君達が銀仮面とその愉快な仲間達かな?」


 エンドは軽く胸元を叩くとシッコが身体から離れて人型となる。そしてフードを取ると胸に手を当てて一礼する。


「お初にお目にかかる、レディ。私はエンドと名乗っている。特に自分から銀仮面と名乗ったつもりは無いが、少しばかり騒がしくさせて貰った。」


「うん、丁寧な挨拶をありがとう。しかし、レディと呼ばれるには些か私も歳をとっていてむず痒いね。さて、私はコネル、軍の大将をやらせて貰っているよ。」


 リンガとコニイは驚いたように目を見開き身体を震わせる。

 目前にいるのは領都のトップであり、軍を自在に動かせる下街の住民からすれば雲の上の権力者であった。


「ふむ、私から見れば貴方は十分に魅力的だ。その落ち着いた、しかし凛とした空気もまた素晴らしいと思う。」


 エンドの動じない、そして身分に言及せぬ褒め言葉にコネルと名乗ったマギアンは面白そうに笑った。


「・・・ふふふ、随分と口がお上手。長く生きているけど男性からそんな事を言われるのも初めてかも知れないわ。ねえタツキ、よくこんな面白そうな子を拾ってきたわね?」


「拾ったのはそっちの小鬼だ。勝手に連れてきて探索者にしろって言ってきた問題児だよ!すぐに女を褒める癖があるらしい・・・ま、面白いのは認めるけどよォ、目の前にいるのはこの都のトップだぜ?少しは驚いてやれよ。」


「それは失礼した。しかし、何用かな大将殿?あぁ、マナをばら撒いた事は緊急事態であったからであり、無闇に今後行うつもりはないから安心して欲しい。」


「うん、その点については私は気にしていないよ。部下の中には問題視しているのも居るけどね。混乱を起こさない程度なら目を瞑るよ。さて・・・まずは貴方に御礼をさせて欲しい。この間はどうもありがとう、この東の領都は貴方のおかげで救われたわ。」


 コネルは深く一礼をする。その様子を見て護衛とみられる女性も慌てて頭を下げた。


「礼は受け取らせて貰おう。しかし、最も当初から苦労を重ね対応をしていたのは貴方達軍人だ、その点は私も尊敬している。それにあの強靭なアンデッドというイレギュラーが無ければ防衛が出来ている可能性もあっただろう。」


 エンドの言葉にコネルはクスクスと笑う。


「ありがとう。そうね、その可能性は確かにあったけど・・・それはとてもか細いものであった筈よ。それに少なくとも貴方が後ろでマナを振る舞ってくれなかったら領都を守る事は難しかったでしょうね。貴方も分かっていたでしょう?それに、ここだけの話、男性や子供の脱出の準備も進めていたの。だからね?私はまず貴方にとても感謝しているの。」


 コネルの護衛は主人がそこまで言及した事に驚いていたが、状況の悪さを知っていた面々はさもあらんと頷いていた。


「さて、それじゃあ本題に入りましょうか。まず貴方、何者なのかしら?」


 ガラス質のマギアンの目が全てを見透かさんとするように、エンドの姿を瞳に反射させていた。



 


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