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第24話

第24話



種族レベル 10


そのステータスはこうだ。


ENG: 11,000(10,930)

BP:   1,150


ついにENGが5ケタに。


嘘だろう?というインフレっぷりだ。


BPも倍以上になった。



ただしこの数値がどの程度のものなのかは、不明だ。


クリスとの答え合わせが必要だな。


オリジナルスキルが獲得可能。


早速考えていたスキルの可否を求めた。



答えは……可。


いけるか。 まずは安堵。


しかしこれは俺だけでは成立しない。


彼女の了承が必要だ。


一旦戻ろう。



実はオリジナルスキルでもう一つ、考えていたものがある。


可否の確認だけやってみた。



人化……種族特性により、不可。



予想はしていたが、やはりそうか。


人間になる事は、出来ない。


泣きそうになるのをぐっと堪えて、俺は進みだした。



結局マークの「1」と「2」


「ディジーズLv2」と「ポイズンLv2」の付与は、効果を目に見える形で確認できなかった。


検証できないのは、痛いが仕方がない。



俺は城壁を要塞方向へ移動した。


途中山岳部で、小石を射出可能ギリギリの重さへ入れ替えた。


一発ゴブリンに打ってみたが、10mギリギリの距離ではやはり威力は弱かった。


無論弱いというのは、「まるで歯が立たない」ではなく「1発で倒せない」という意味になる。



近づけば威力は上がるだろうが、近づく時点で構想としてはアウトだ。


北口から天井を通り、「秘密基地」へ。



正直ENGの増加よりも移動速度の増加や「調べる君」の展開速度の方が、レベルアップの効果を体感できる。


周辺探査は、ヨガの様に体を伸ばしながらゆっくり動くクリスを捉えた。


洞窟の入口に入った所で彼女に念話を飛ばす。



(ただいまー)


(! おかえり!)


(食材、あれで良かった?)


(バッチリよ。 調味料は持ってたから、何の問題も無かったわ)


(それは良かった。)



さーて、どう切り出そうか。



(あークリスさんや、体調はもう大丈夫そう?)


(そうね。 軽く動いてみたけどふらつく事は無いし、行動に差支えは無いと思うわ。 で、どうしたの? 戦力を確かめるって……、)

 


そこでランプの光に照らされた俺の姿を見て、クリスは口をつぐんだ。



(ねえイチロウ。 貴方何だか大きくなってない?)



そりゃ気が付きますよね! そうですよね!


またおっきくなりました。 直径40cmの饅頭型に。



(レベルが上がって、大きくなった。)


(レベルが上がると大きくなるの!?)



謎だよね。 俺も不思議。



(まあそこは良いんだ。 戦力の確認はほぼ終わった。 そこで相談がある。)


(良いんだ!? ああ、えっと、何?)


(んんっ、えっとだな。 まず「毒」の回収だが。)


(うん。)


(ドアを開ける必要がある。 つまりクリスが出向く必要が、ある。)


(そうね。)


(回収した後は、「毒」の水源への投入だが、位置はゴブリンの真っただ中か?)


(そうね、そういう場所もある。 なので夜中にする予定よ。 寝てるのも多いし、低級ゴブリンに連携とかは無いから、近くで戦闘があってもあまり騒がないわ。  まあ一人でやるとなると、ちょっとハードルは高いけど。)


(そうか……。)



クリスは不思議そうに俺を見ると、ベッドに腰かけた。



(相談って?)



俺は覚悟を決めた。



(2つある。 まずは1つ目なんだが、俺はレベルアップでステータスが上がった。 このステータスがどの程度の位置なのか知りたい。 まずENGだが……、)


(まって!)



彼女は真剣な、しかし困惑した目で俺を見つめた。



(自分のステータスは、その……。)


(無暗に言わない方が良い?)


(ええ……。)


(君になら構わない。 それに、これからの戦略に必要な情報だ。 無論君のステータスを見せてもらう必要はない。 ただ判断基準が知りたい。)


(っ……そ、そう?)



随分動揺しているように見えるが、何だ? まあいい。



(ENGは約1万、BPは1,150だ。 これはどの程度の戦力になる?)


(BPはバリアポイントね。 ENG?)


(活動を支える生体エネルギーだな。 女王級のエネルギーみたいな物だろう。)


(……人間にENGという項目は無いわ。 ヒットポイント(生命点)やスタミナみたいなものかしら。 モンスターのステータスも人族の基準で鑑定するから、詳しくは……。)



そこでクリスはハッとしたように口を閉じた。



(気にするな。 スライムはモンスターだ。 それは事実だ。)


(そんな事無い! 貴方は! …………いえ、わかったわ。 それとBPだけど。)


(ああ。)


(私のBPは2,520よ。 ただしこの数値の意味は装備でかなり変わるの。)


(…………。)



少し驚いた。


あっさりと自分のBPを俺に言って大丈夫か?



(同じBPでも装備によって減り方が違うわ。 良い装備だと同じ攻撃を受けても減りは少ない。)


(逆に装備がショボいと減りが大きい、か。)


(そうよ。)



なるほどな。 BPは目安ではあるが、絶対ではないと。


クリスのBPは2,520。


おれがレベルアップしてこのまま数値が増えたら、レベル14位で追い越す計算になる。


しかし装備か、俺はどうなるんだろう?


今の俺に装備と呼べるものは、無い。


なので単純にBPが増えても安心は出来ないかもしれない。



(その……それ以外にステータスは無いの?)


(ああ、無い。 それだけだ。 あるいは表示されないだけかも知れないが。 中々の謎生物だろ?)


(本当ね……。あいや、その!)



あわあわしてる彼女を見ながら、俺は考えた。


装備か、なるほどな。


装備と考えたら、悪くないかも。


まあ断られたら、それはそれ。


別の手段を考えよう。



だが、俺はこれがベストだと考えていた。


俺が思いつき、スキルに可能と答えを貰ったオリジナルスキル。


彼女にもメリットは、あるはずだ。



(クリス、二つ目なんだが。)


(え? あ、うん。)



彼女をサポートしながら、共に戦える。



(新しい装備、欲しくはないか?)



この「スキル」で。




第24話 完






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